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さあ競技会に出よう!A

参加申込書の書き方

参加申込書は要するにエントリー申込書です。最近はその競技会の公式サイトから用紙をダウンロードできる場合がほとんどですが,ショップにまとめて置いてあったり,直接主催者に送ってもらわないといけない,ということもあり得ます。申込期間を考えた上で早めに手配しましょう。

参加申込書が手に入ったら,競技会名,参加希望クラス,氏名,住所,TEL,免許(ライセンスではなく普通免許)番号,参加車両のナンバー,車名,型式名,競技参加経歴などを書き,最後に「誓約書」の部分に必ず自著でサイン,捺印します。

現時点ではライセンスはまだ持ってませんから,ライセンス番号やJMRC会員番号などは空欄のままで結構です。もちろんクラブに関する欄も空欄です(記載例ではすべて記入してありますが)。

車名はイベントによって「ファインアート☆不惑デミオ」などのように,お世話になってるショップ名や愛称などを付けてもOKの場合と,単に「デミオ」だけという場合があります。車名で遊んでいい場合は,いろいろと面白い車名を考えて見ましょう。

型式というのは,皆さん御存知だとは思いますが,例えば「E-AE86」とか「DBA-DE5FS」とか車両を同定するためにつけられている記号ですよ(車検証,カタログやメーカーサイトで確認できます)。正式にはこの頭の「E-」とか「DBA-」とかを取った残りが車両型式です。

排気量はカタログや車検証記載の数字を書くわけですが,ターボやスーパーチャージャーなどの過給器がついている場合は一定の係数(たいてい1.7)をかけた数字を書きます。たとえば公称1800ccのインテグラタイプRにターボをつけてるとすると(笑),実際の排気量「1797cc」に1.7をかけて四捨五入した数字「3055cc」を記入します。もちろんNAのままならば「1797」と書けばOKなわけ。

ダブルエントリー(1台のクルマで2名のドライバーが代わりばんこに走る)希望の場合は,出走順を含めてその旨をきちんと記載します。

競技参加経歴は,主催者が出走順を考えたり,アナウンサーが実況の参考にしたりするためのものですが,簡単な記載で結構です。デビュー戦であれば正直に「デビュー戦です」と書いておけば,主催者もある程度プレッシャーのかからない出走順を考慮してくれますし,実況では「今日がデビュー戦だぁ!」としっかり応援してくれると思います(笑)。


たいてい参加申込書の末尾に「私はこの競技会に自己責任で参加します。何かトラブルがあってもそれは自己責任ですので文句は言いません」という趣旨の「誓約書」にサインするようになっていると思います。モータースポーツへの参加は自己責任が原則です。自分がガードレールに刺さってクルマが壊れたからといって主催者側を責めることはできませんよね。それはあなたの運転のせいですから。

もちろん競技中のトラブルについては自動車保険を使うことも「一切」できませんよ。普通の運転をしてるわけじゃありませんからね。わざわざクルマと自分の限界にチャレンジしてるわけですから。

誓約書にきちんと自著でサイン,捺印しましょう。これで申込書は出来上がり〜。

<記載例:デミ助(DE5FSデミオ)の場合>


(画像をクリックすると大きい画像を表示します)


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改造申告書の書き方

たいてい参加申込書の裏に「車両改造申告書」を記入するようになっていると思いますが,たまに別紙のこともあります。用紙を別々にダウンロードするようになってる場合は,1枚の紙の表裏にプリントしてしまってOKです。

イベントによっては排気量や過給器(ターボやスーチャー)の有無などカタログスペック的なことを書くだけのこともありますが,公式戦のライセンス不要クラスの場合は,用紙は公式戦と同じものです。非常に細かく記入するようになってます。


まず車両型式とエンジン型式を記入しましょう。エンジンの型式は車検証やカタログに書いてあります。「原動機」っていうのがエンジンのことですよ。

車両の「登録No.」か「公認No.」というのを書かないといけない場合がありますが,これは公式競技の際に必要なものですので,ライセンスが不要な競技会ではまず記入不要です。今後のために調べておきたいと言う人はJAF公式サイトのモータースポーツの部分に記載があります。ここから調べてみて下さい。

タイヤの銘柄やサイズは,複数を併記して構わないので,所有していて当日使う可能性のあるものは全部書いておきましょう。

後は自分の愛車のスペックを正直に書いて行くだけです。

ショックアブソーバー:Sオーリンズ
スプリング:スイフト
ブレーキ系統:RIGID

...のように,細かい数字は省いてブランド名を書いてあればOKでしょう。

当然のことですが,ウソ書かないようにね(笑)。よく分からない場合は空欄のままでもOKですし,「詳細不明」と書いておいてもいいでしょう。よく分からないままウソ書いちゃうのもNGですからね。

<記載例:デミ助(DE5FSデミオ)の場合>


(画像をクリックすると大きい画像を表示します)


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競技会までの準備

だいたい競技会の4-5日前に「受理書」というのが郵便で届くと思います。これはあなたがその競技会に正式にエントリーされた証拠です。裏面には出走順や当日のゲートオープン時間などとともにあなたの出走クラスと「ゼッケン番号」が書いてあると思います。

この受理書は当日の朝,会場に入る際に必要なことがありますし,受付の際にも必要です。とても大事なものですので,無くさないように,間違って家族に捨てられるようなことがないように(←経験者)気をつけて下さい。

イベントによってはこの受理書が存在しないこともあります。また,滅多にありませんが定員オーバーなどの理由でエントリーできなかった場合は,その旨の連絡があると思います。返金してもらえますので,記載してある通りに手続きしましょう。


その他のクルマの準備は練習会と同じです(→「クルマの準備」を参照)。
タイヤや足回り,オイル類などきちんとチェックしておきましょう。

練習会ではほとんどクルマのチェックはされませんが,競技会ではクルマが安全な状態になっているかしっかりチェックされる(「車検」といいます)ことがありますので,テーピングなどはもう一度きちんとしておきましょう。自分とクルマの安全のために必要なことですから,言われなくてもちゃんとやってますよね?

ビニールテープなどの必須アイテムで品切れになっているものはちゃんとホームセンターに行って補充しておきましょう。

慣れないうちは要領がつかめず万事に時間と手間がかかってドタバタします。そしてそのドタバタが競技結果に心理的な影響を及ぼします。当日の準備作業を極力減らすため,前日までにクルマの準備はできるだけ済ましておきましょう。


言うまでもなく,前夜にもう一度忘れ物がないかチェック,ですよ。

絶対に忘れてはいけないのは,メット,グローブ,(夏でも)長袖長ズボンの服装,運転免許証,受理書でしたね。サイアク,受理書は忘れても走れますが,メットや免許証を忘れたら絶対に出走できませんよ。

忘れ物がないようでしたら,前夜は早めに寝ましょう。
初めての競技会前夜はワクワクしてなかなか寝れないモンです(笑)。


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競技会当日

基本的に当日の朝は「さあ練習会に行こう!」と同じです。

当日の朝は何かとバタバタしますから,余裕をもって早めに起き,早めに家を出ましょう。何回か練習会に参加している方なら,だいたい段取りは分かっているはずですよね。家を出る前に忘れ物がないかどうかの最終確認と,会場への道中は絶対におバカな運転をしないこと,これを忘れないようにね。


基本的に「ゲートオープン」と書いてある時間までに会場に着くようにしましょう。しつこいようですが,会場に着いてから準備で大慌てしてるようだとまず勝てません。心理的に余裕を持って行動することが重要です。

オフィシャルの指示に従ってパドックにクルマを停めたら,荷物を下ろし,走行準備に入ります。そうこうするうちに受付時間が始まりますから,なるべく早くに受付を済ませます。受付で必要なものは受理書と免許証ですね。



朝一番のパドック。朝陽を浴びながらクルマの準備をしてるだけでも普段の
クダラナイ日常のストレスを忘れられる!


「なるべく早くに」受付を済ませましょうという理由は,受付ではエントラントリストやゼッケンと同時に本日の「コース図」が渡されることが多いからです。記憶力や暗記術によほど自信がある方でない限り,1分1秒でも早くコース図を手に入れる方が有利ですよね。エントラントリストなどで当日のスケジュールに大きな変更がないことを確認したら,クルマにゼッケンを貼りながらコース図をよーく眺めましょう。できれば慣熟歩行に出る時には既にコースが頭に入っていることが理想。


慣熟歩行は横着せずしっかり歩きましょう。お友達と出会っても簡単な挨拶だけに止め,ベラベラしゃべりながら歩くのは止めましょう。何つっても今日は,練習会とは違って,走れるのは1日2-3本だけ。慣熟歩行こそが練習走行の代わりです。しっかりコースを頭に入れ,そのコース上を自分がクルマで走行しているイメージを頭に思い浮かべられるぐらいにしましょう。


公式戦の慣熟歩行中の一場面。みんな一列になって真剣に歩いてます。


慣熟歩行の時間が終わりコースクローズとなった後,ドライバーズミーティング(ブリーフィング)があります。これは全員参加義務があります。競技に関する重要な説明がありますので,しっかり聞いておきましょう。初心者の人が確認しておかないといけないことは,ミスコースしてしまった場合,その後そのままゴールまで走ってもいいのかどうかです。これは競技会によってケースバイケースですので要確認ですぞ。

旗の意味も覚えてますよね。とりあえず赤旗で直ちに止まること,黒旗は迷子で失格,ということは覚えとかないといけません。

赤旗:コース上に危険あり。その場で直ちに停止せよ。
黄旗:パイロンタッチ・脱輪などのペナルティあり(そのまま走行OK)。
・黒旗:ミスコースで失格! オフィシャルの指示に従って退場...
緑旗:コースクリア。走行OK!
・チェッカー旗:そのまんま,ゴール!


ミーティングが終ったらゼッケン順に走行が始まります。ゼッケン番号の若い人はすぐにクルマに乗ってエンジンをかけ,走行準備に入りましょう。

スターターが3...2...1...と指を折り,旗を振ったらスタート!

さあ,思いっきり走って,自分の力を試してみましょう!




さあ,思い切りクルマを振り回し,タイムを削れ!
っつーか,最初はとりあえずミスコースしないように!(笑)


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走行終了後

もし,いきなり上位入賞!なんてことになったら,2本目の走行終了後に「車検」がありますので,オフィシャルの誘導にしたがって車検場にクルマを停めましょう。そのまま自分のパドックに帰ったらダメですよ。あ,もちろん上位入賞じゃない限りはそのまま自分のパドックに「お帰り〜」です(笑)。

ただ,ライセンス不要の競技会の場合,車検はない場合がほとんどです。その場合も,パドックに直接お帰り〜です。


全てのクラスの走行が終わったら「表彰式」です。
上位入賞者が前に呼ばれ,もちろん1-3位は「お立ち台」です。




表彰台のテッペンに乗った時の気分はサイコー!
人生観すら変わります(笑)


今日は前に出られなかったアナタも,いつか自分が前に出られる日を夢見て,勝者を心から祝福しましょう。ジムカーナは長く続けているうちに必ず速くなる競技。いつかは必ずあなたもライバル達から祝福してもらえる日が来ます。


戦い終って日が暮れて。
表彰式が終ったらもう夕方になっていると思います。

1日,お疲れさまでした。
さあ,ぼちぼち片づけをして,家路につきましょう。


この際にお約束が2つありましたよね? ...さあ,何でしたっけ?




そう,

1. 片づけはしっかり。基本は「自分が持って来たモノは全て持って帰る」です。会場にちゃんとゴミ箱があっても,できるだけ自分のゴミはそのまま持ち帰りましょう。それが大人のマナーです。

2. 帰る時の運転も,安全とスポーツマンシップを意識した大人の走りでね。くれぐれも入賞できなかったウップンを帰りの一般道で晴らさないように(笑)。モータースポーツは紳士のスポーツですよ。忘れないように。




今回のまとめ

・参加申込書は,間違いのないように正確に。車両改造申告書はウソを書いたらダメ。分からないところは素直に空欄にしておくか「不明」と書いておこう。
・競技会当日までの準備は練習会の時と同じ。タイヤ周り,ブレーキ周りとオイル,フルード類のチェックをしておこう。テーピングなどもできれば前日までに。
・当日の朝は早い。最初はできるだけ時間に余裕を持って早めに家を出よう。忘れ物をしないように何度もチェック要。
・会場への道中の運転は「スポーツマンシップ」と「安全」を心がけて。いい気になって一般車を煽ったり爆音響かせたりするのは単なるおバカ。
・クルマの準備,受付,慣熟歩行,ミーティング...次々進むタイムスケジュールに遅れないよう,早め早めに行動を。
・慣熟歩行の重要性は練習会の比ではない。コースを覚えるだけでなく,自分の走行イメージを頭に思い浮かべ,しっかりコース攻略を考えよう。
・表彰式では勝者を心から祝福してあげよう。いつの日かあなたも表彰台に立つはずだから。
・後片付けはしっかりと。帰りの運転も「紳士」でね。



Updated on Jan 9, 2012.

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