ジムカーナってなあに？

ここではモータースポーツ初心者の方のために「ジムカーナ」ついて簡単に説明してみようと思います。ジムカーナについてはよく知ってる，あるいは既にジムカーナに参戦中という方は飛ばしていただいて結構です。

※ジムカーナについてもっと詳しい紹介と，他のカテゴリーとの比較，入門講座については，ぜひこちらもご覧になって下さい（→大人のためのジムカーナ入門）。

さて，モータースポーツというとあなたはどんなカテゴリー，どんなクルマを想像するでしょうか。カラフルなフォーミュラカーが時速300km/h以上で疾走するF1？，ハデなカラーリングのハイパワー4駆が林道を信じられないようなスピードでドリフトしていくWRC？

カッコいいですよね。すごいですよね。

でもさすがにこれからモータースポーツを始めようという素人がいきなりこういうカテゴリーで走ろうというのは非現実的です。

例えば，普段乗っているクルマと別に競技専用の車を用意できる人は多くないでしょう。しかもそのクルマが公道を走れないナンバーなしのレース車両だとしたら，ちょっと練習しに行くだけでもトランスポーター（積車）を用意しないといけません。

ラリー車の場合は一応ナンバーがあり公道を走ることはできますが，ダッシュボードにラリコンがデンと構え，車内にはロールケージを張り巡らせたクルマでは，そのへんにちょっとお買物に行くのでも不便でしょうがないですよね。

また，レースにしてもラリーにしてもクルマを作るのにかなりのお金がかかりますし，あちこちよく壊れますのでメンテにもお金がかかります。またそこまでして仕上げたクルマがちょっとしたクラッシュでパーになってしまうこともザラです。

安全性の面からも，モータースポーツ初心者がいきなりこれらのカテゴリーで走ることはお勧めできません。スピードレンジが高いためちょっとしたミスが大きなクラッシュにつながりますし，場合によっては命に関わるような結果も考えられます。

しかし，ジムカーナは違います。

普段自分が乗っているクルマで参加することができるため，わざわざ競技専用車を用意する必要もありません。改造範囲が限られているのでとても日常用途に使えないようなクルマになってしまう心配もありません。本気でやればそれなりにお金はかかりますが，他のカテゴリーと比べると金額はずっと安く済みます。

非常にテクニカルでハードな競技ですが，1台ずつ走るため車両同士のクラッシュがなく，走行時間が短く平均速度も低いため，大ケガになるようなトラブルはまずありません。女性や年配の方でも参加可能です。そのへんが様々なモータースポーツのカテゴリーの中でも最も競技人口の多く，「草モータースポーツ」と呼ばれる所以です。

では，ジムカーナというのはどんな競技なんでしょうか？

無理やり一言で説明すれば，

「広ーい駐車場やミニサーキットなどの舗装路面上に，1-2分程度で走りきれる程度の短い，でも複雑でテクニカルなコースを設定し，そこを1台ずつ全開で走ってタイムを競う競技」

です。

知らない人にとっては「何じゃ，そら」っていうカンジですよね。

百聞は一見に如かず。
下の動画を見て下さい。どちらも不惑おとーさん自身の走行です。

これは「名阪スポーツランドCコース」での車載動画です。走っているのは近畿地区ミドル戦，クルマは件のデミオです。ターンを2回ともしくじってるのはご愛嬌（笑）。このようにレーシングカート用のミニサーキットで行われるのがコースジムカーナです。

さてお次は「姫路セントラルパーク駐車場」での走行です。広い駐車場で行われるパイロンジムカーナの典型例です。こちらはインテグラ・タイプRでの走行ですね。こちらもドライバーの腕はあまり気にしないで下さい（笑）。

「ジムカーナ」というのはこんな風に，みんなが見守る中，参加者が順番に1台ずつ走って，そのタイムでもって順位を決める競技なわけです。どうですか？これならこれからモータースポーツを始めようというアナタでもできそうでしょ。

しかもクルマの排気量や駆動方式，改造範囲などによって細かくクラスが分けられているため，ほぼイーブンの条件で走ることができます。クルマの改造にお金をいくらかけるかではなく，純粋にクルマの運転技術やセッティング能力を競うことができるんです。

※「ジムカーナ（gymkhana）」という言葉の起源について知りたい方はこちらを参照して下さい（→ジムカーナは世界を巡る～ジムカーナの語源をめぐる旅～）。

※なんだかジムカーナって地味だな，地味かーな？なんて言う人は一度このサイトの走行動画を見てみて下さい。全日本ジムカーナのトップドラ，小林キュウテンさんの豪快な走りです（→小林キュウテン公式HP）。

今回のまとめ

これからモータースポーツを始めようという初心者にとっていきなりレースやラリーなどのカテゴリーは様々な面で無理がある。
ジムカーナは，走行時間は短く平均車速も低いけど非常にハードでテクニカルなタイムトライアル競技。
クルマの排気量や駆動方式，改造範囲などによって細かくクラスが分けられているため，ほぼイーブンの条件で走ることができる。
特殊なクルマ，スポーツカーでなくても今のあなたの愛車で楽しむことができる。
派手なイメージはないけど，実は最も競技人口の多い「草モータースポーツ競技」。モータースポーツ入門にはピッタリ。

Updated on Jan 10, 2012.

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