S1500クラス詳解
さあそれではいよいよS1500(スーパー1500)クラスの車両規定について詳しく見て行きましょう。少々長文になりますがお付き合い下さい。S1500クラス設立の経緯や基本理念などについては前のページ「S1500とPN1クラス」を参照して下さい。
S1500クラスに出るためには「S1500(スーパー1500)車両規定」に書かれた改造範囲を守らないといけません。S1500車両規則は地域によって少し違いはありますが基本的にNクラスを走ることの出来る「N車両」という車両規則に,下記のような制限を追加した車両規則になっています。以下は近畿地区のS1500車両規定の例です。
- 排気量:1500cc以下の自然吸気エンジン(NAエンジン)とし,ハイブリッド車も可とする。
- 駆動方式:前輪2輪または後輪2輪のいずれかを駆動する二輪駆動車とする。
- 車両本体価格:180万円以下とする(ハイブリッド車に限り250万円以下まで可とする)。本金額は当該自動車製造者発行のカタログの同一車両型式に記載される車両本体価格を基準とする。
- 最終減速比:変更は許されない。
- フライホイール:変更は許されない。
- エアコン:装着およびその機能を維持していること。
- タイヤ:競技会参加にかかるコストを軽減する観点から下記のタイヤの使用を禁止する。
ダンロップ(DIREZZA)93J・98J・01J・02G・03G
ブリジストン(POTENZA)520S・540S・55S・11S
東洋ゴム(PROXES)FM9R・08R・881・888
横浜ゴム(ADVAN)021・032・038・039・048・050
その他 ラリータイヤや海外メーカー製通称Sタイプ等
競技に使用できるタイヤサイズは,N車両規定によりタイヤ幅10mmアップ,ホイール径1インチアップまで変更を許されるが,かつ最大幅を195mmまでとする(純正195装着の車も195まで) - 年式制限:自動車検査証の初年度登録年月が平成12年1月以降の車両であること。
- (車両公認:チャンピオンシリーズN1.5クラスに参加の車両はJAF公認または登録車両に限る)
※2012年JMRC近畿ジムカーナ スーパー1500(S1500)車両規定より
N車両規定を理解している人であればこれで判ると思いますが,ジムカーナ初心者の人からはこれだけでは何がなんだか判らないと思いますので,以下に「足回り」「エンジン関係」「駆動系」「車体関係」「室内関係」「タイヤ&ホイール」「その他」に分けて解説したいと思います。
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足回り
S1500車両規定ではタイヤ・ホイール以外は特に足回りに関する制限はありませんので,足回りに関しては基本的にN車両規定のままということになります。具体的に書きますと...
車高調の使用はもちろんOKです。スプリングは直巻,純正形状,ヘルパーいずれもOKですが,切断や溶接などの加工はダメです。また車高を下げ過ぎて「バネが遊んでいる」状態はNGです(手でスプリングが回る程度であれば可)。カーボン素材の車高調なんて誰も使わないと思いますが不可です。また最近よくある「車内から遠隔操作でショックの減衰を調整する」機構を後付けすることはダメです。
車高調で気を付けなければいけないのはピロアッパーがダメだということです。つまりサスペンションのアッパーマウントは基本的に純正でないとだめなんです。「ジムカーナ用」として販売されている車高調はたいてい純正アッパーを選択できるようになっていますので大丈夫ですが,通常の車高調キットですと問答無用でピロアッパーが付いてきます。購入する時には純正アッパーマウントを使用できるかどうかの確認が必要です。
げ,ウチの車高調はピロアッパー仕様だよ...という方。車高調は高価ですし,ジムカーナやるためにわざわざ買い換えるということもできませんよね。ただそのような方も諦めることはありません。最近の初心者向けのクラスはS1500車両ではなく「B車両」という車両規程になっていることが多く,あなたの地域の初心者向けクラスがB車両規程であるならばピロアッパー仕様の車高調のままでもOKです。
→B車両規程について:「B車両について」
→全国各地区のお買物車クラスについて:「全国お買物車クラス」
スタビは,最初から装着されているものに関してはブッシュやブラケットを含め変更可ですが,ボルトオンで装着できるものに限られ,車室内から調整可能なものはダメです。最初からスタビがないのに新規で装着したり,最初からついてるものを取り外してしまってはいけません。
ブレーキのパッド,シューの交換はもちろんOKです。ただディスクローターの交換は純正同等のものでないといけません。スリットが入っていたり穴あきのローターに後から交換することはできません(最初からそういうローターのクルマはOK)。またマスターシリンダーストッパーは装着OKですが,ブレーキホースの交換はNGです。もちろんキャリパーそのものを交換とかもダメですよ。
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エンジン関係
エンジンに関しては「排気量1500cc以下の自然吸気(NA)エンジン」と明記されています。つまり排気量にターボ係数1.7をかけて1500ccまでに納まるとクルマだとしてもターボ車やスーチャー車はS1500クラスに出ることはできません。ただしS1500車両規定にあるように,モーターアシストのあるハイブリッド車はエンジンがNAである限りOKです。
ロータリーエンジンもNAエンジンである限りこの規定には抵触しないのですが,新車の車両価格が180万円以下のロータリー車は現時点では存在しませんので,この「車両価格が180万円以下」という規定にひっかかってしまってアウトです。
基本的にエンジン関係は厳しく改造が制限されており,手をつけられるのはプラグぐらいです。最近のお買物車はみなダイレクトイグニッションだと思いますが,プラグコードがあるクルマは交換OKです。コンピューターやROM交換,ROM書き換え,サブコンなどはダメです。ビッグスロットルなどもNGです。
もちろんエンジン内部に手を入れる改造はNGです。お買物車のエンジンにそんなことをする人はいないと思いますが,ハイカムを組んだりハイコンプにするとかダメですから。
吸排気系も改造は厳しく制限されています。純正交換式のエアクリーナーはOK(乾式⇔湿式の変更もOK)ですがキノコ型に換えたり,クリーナーボックスを加工したり取っぱらったりしてはいけません。そして困ったことにマフラー交換はNGなんです。車検対応マフラーでもダメです。純正マフラーじゃないとダメなんです。もちろんエキマニも触媒も一切手をつけてはいけません。マフラーの先っちょにマフラーカッターをつけるぐらいしかできません。
ただ,足回りの部分でも書きましたが,最近の初心者向けクラスはS1500車両ではなく「B車両」という車両規程になっていることが多く,あなたの地域の初心者向けクラスがB車両規程であるならば「(陸運局の)車検に通る」ことを条件にある程度吸排気系のチューンも許可されています。
→B車両規程については:「B車両について」
→全国各地区のお買物車クラスについて:「全国お買物車クラス」
冷却系に関しては,ラジエターキャップの交換,サーモスタットの交換,高性能クーラントの使用などはOKです。またラジエーターファンのコントロールもOKですが,ラジエーターそのものの交換やオイルクーラーの設置はダメということになってます。
バッテリーを軽量品に交換することはOKです。ただバッテリーの搭載場所を変えることは禁じられています(トランク内移設など)。また一時流行ったアースチューニングもNGです。
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駆動系
駆動系といえば,まず競技をする上で必須なのがLSD(デフ,リミスリ,ノンスリ)ですよね。これはもちろん交換OKです。ただ元のデフケースを利用してボルトオンで装着できるもの,ということになってます。ドライブシャフトは同一車両型式内であれば流用OKです。
ギアはS1500車両規定に明記されているようにファイナル交換は不可です。それ以外のギア比も変更不可になってます(N車両ではファイナルのみ交換OK)。ラリー用のクロスとか組んだらアウトですよ。
クラッチディスクやカバーは交換OKですが(メタルも含め),カーボン100%のものは使用不可となってます。また「フライホイールは交換不可」とS1500車両規定に明記されてますね。
室内のシフトノブも変更してOKです。ただしシフトパターンがシフトノブ付近に明示されていないと車検が通りませんので,ビニールテープにマジックで手書きして貼っとくだけでもいいですから,何か対処しておく必要があります。
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車体関係
車体関係の改造で問題になってくるのは各種補強パーツと軽量化でしょうか。
車体の補強パーツでOKなのは前後のストラットタワーバーとロールバー(ロールケージ)のみと思っておいていいでしょう。ロアアームバーやピラーバーなど補強バー類はタワーバーのみOKですが,これもストラットトップのボルトでポン付けできるもののみとなってます。例えばDE5FSデミオのリアはこれができませんのでリアのタワーバーはアウトです。
エンジンマウント,マフラーマウント,ブッシュ類は材質を換えなければ強化品に交換OKです。つまりピロ化など金属製はダメですが強化ゴム製ならOKということです。
軽量化についてですが「ガソリン満タンの状態で車重がカタログ値を下回らないこと」という規定になっています。これにはスペアタイヤや車載工具などは含まれていません。ただ,実際に競技走行する際にはガソリンはかなり減らして走りますので,競技で走行している車両の実車重はたいていカタログ値を下回っています。
※例えばDE5FSデミオの場合,SPORTと15Cは同じ型式なので軽い方の15Cの車両重量980kgが「カタログ値」ということになります。
ガソリンタンクの容量が41リットル,ガソリンの比重を0.78として計算すると,ガソリン満タン時のガソリンの重さが32kgですから980-32=948kg,どんなにガソリンが減ってもこの948kgを下回ってはいけない(基準重量)と考えます。
軽量バッテリーを使ったり,軽量ホイールを使ったりすることで軽量化する分には良いのですが,カーボンボンネットやアクリルガラスなどを使って軽量化するのはダメです。っつーか,そこまで軽量化したら満タンでカタログ値を大幅に下回ってしまいます。純正でも結構カタログ値を下回ってるケースがあります。そのような場合はむしろスペアタイヤを積んだまま走るなどの重量調整が必要です。
車高調を組んで車高が変わったりする場合はOKですが,それ以外に車検証記載の車体の諸元値を変えてはだめです。つまりオーバーフェンダーで車幅が拡がるとか,リアスポで車長や車高が変わるようなものはNGです。またいくら車高を下げていいと言っても,最低地上高が絶対に9cmを切らないようにしないといけません(ちゃんとチェックされます)。
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室内関係
車室内の改造に関して大きな制限は「エアコンを外してはいけない」というものですね。
まあ初心者の人でいきなりエアコンを外そうという人もいないと思いますが,競技車両では軽量化のためにエアコンを外してしまうというのは重要な手段なんです。もちろん街乗り車両としては極めて不便(というかほとんど日常使用不可)なクルマになりますが,こういうクルマで滝汗かきながら走っている競技屋さんもいるんです。S1500車両ではこういったちょっと行き過ぎた(?)改造を明確に禁止しています。
それ以外の項目はN車両と同じ改造制限となります。
ステアリングは直径35cm以上のものであれば交換OKですが,どこかにホーンマークがないとダメです。また簡単にステアを取り外しのできる機構(クイックリリース)は禁止されています。ステア交換でエアバッグを外してしまったら自動車保険の契約が変更になる場合がありますので気をつけて下さい。
シフトノブは上述のように変更可ですがシフトパターンを近くに明示しておく必要があります。シフトレバー以下のシフト機構そのものには手をつけてはいけません(クイックシフトなど)。またサイドブレーキレバーは一切変更NGです。サイドターンノブもダメです。
ペダルカバーやヒールプレートなどは取り付けがきちんとしてればOK。水温計や油温・油圧計などのメーター類も後付けOKですが取り付けをしっかりしておくのが条件です(両面テープではなくネジ留めなど)。時計や温度計,カーステのスピーカー類などもOKですが同じく取り付けをしっかりしておくことが必要です。
運転席シートはフルバケに変更OKです。ただし車検証の乗車定員を2名乗車などに変更してない限りはバケットの背面にシートバックプロテクターが必要です。これはきちんとした製品でなくてもホームセンターで切り売りしてるカーペットを両面テープで貼り付けるなどしてもOKです(不惑おとーさんもこれで対応してます)。
4ドア,5ドア車では助手席側のシートもバケット化してOKですが,やはりシートバックプロテクターが必要です。また軽量化のし過ぎにも要注意ですぞ。2ドア,3ドア車では乗車定員を2名にするなどリアシートを取っぱらってしまわない限り助手席シートはリクライニング機能を維持していないといけません。
ロールバー(ロールケージ)は4点式以上のものを使用するように推奨はされていますが,全日本レベル以外はほとんど誰もつけていません。またロールバーを組んで乗車定員を2名乗車にしたりしていない限りはリアシートを勝手に外してはいけません。
天井を取ってしまったりドアの内張りを外してしまったりする軽量化はダメです。せいぜいネジ穴の蓋を外すぐらいにしておいて下さい。
シートベルトは純正の3点式でも良いのですが,安全性やドラポジ保持のためにも4点式ベルトをつけることを強くお勧めします。ただ4点式をつけても純正の3点式はキープしていないといけません。
4点式ベルトの取り付けには注意が必要です。腰ベルトの左側を取り付ける時,シートの取り付けボルトをアイボルトに差し替えてここにベルトを止めている人がいますがこれはダメです。ちゃんとフロアに別のボルト穴を開けて当て板をしてアイボルトを取り付けないといけません。ムリにDIYで取り付けせず,ショップに任せましょう。
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タイヤ&ホイール
タイヤに関する制限はS1500車両を特徴付ける非常に重要な制限項目です。
まず,各地区とも具体的なタイヤの銘柄をあげてSタイヤの使用を禁じています。地区によって少しずつ記載が異なりますので自分の愛用のタイヤが禁止タイヤになっていないか,自分の参戦する地区のS1500車両規定を確認しておく必要があります。
- ダンロップ(DIREZZA)93J・98J・01J・02G・03G
- ブリジストン(POTENZA)520S・540S・55S・11S
- 東洋ゴム(PROXES)FM9R・08R・881・888
- 横浜ゴム(ADVAN)021・032・038・039・048・050
- その他 ラリータイヤや海外メーカー製通称Sタイプ等
これらは2012年1月の時点で近畿地区において「Sタイヤである」と定義され,S1500車両では使用を禁止されているタイヤです。これらのタイヤは他の地区でもまず間違いなくSタイヤと判断されますので,いずれもS1500クラスでは使用禁止と考えて良いでしょう。
これら以外のタイヤは全てOKかというとそうとも限りません。ADVANのネオバ,DUNLOPのZ1☆スペック,BSのRE11などは全国どこでもOKですが,TOYOのPROXES R1RはSタイヤに準じるという理由で地区によって使用を禁止されていたこともありました。海外製のスポーツラジアルもモノによってはSタイヤ同等と判断される可能性がありますので,使用の可否が不安な場合は主催者に問い合わせが必要です。
タイヤの幅にも制限がありますが,制限内容は地区により若干バラツキがあります。
近畿地区では「タイヤ幅10mmアップ,ホイール径1インチアップまでOK」だけども「最大幅は195mmまで」というルールになってます。つまり最初から純正で195mmが装着されているクルマ(例:DE5FSデミオSPORT)ではタイヤ幅のアップはできないことになります。他の地区ではこの最大幅が205mmになっていたり,フェンダーからはみ出したりしない限り純正の装着サイズに関係なく最大幅まで太くしてOKという地区もあります。
このように地区によって若干違いがあるのがややこしいところですが,実際にS1500クラスに出場しようという人は自分の地区のルールをきちんと調べて,許される範囲内でタイヤを選択する必要があります。
ホイールはだいたいどの地区でも1インチアップまではOKです。幅やオフセットの制限はありませんが,フェンダーからはみ出したり,キャリパーに干渉したりしてはいけません(当たり前ですよ)。
タイヤのサイズダウンやホイールのインチダウンは自由にOKということになっていますが,実際にはロードインデックス(最大負荷能力)が純正と同等,静的負荷半径が純正の基準範囲内でないといけないという規則もあるため,大きなサイズダウンはできません。
ホイールキャップのついてるモノは走行時には外しておかなければなりません。またスペーサーやPCDチェンジャーなどのアダプター類の使用は厳禁です。
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その他
S1500クラスにとって年式制限と価格制限も重要な項目です。これによって旧型車のワンメーク状態になるのを防いだり,排気量は確かに1500cc以下だけどやたらと高性能な外車が出てきて一人勝ちしちゃうのを抑止しているわけです。お買物車がイーブンの条件で戦うためにはどうしても必要な制限です。
年式制限は地区やクラスによって主に「7年ルール」と「平成12年ルール」とに分かれています。7年ルールを採用しているのはS1500クラス発祥の地である中部地区と中国地区のチャンピオン戦,平成12年ルールを採用するのは近畿地区(チャンピオン,ミドルとも)と中部地区の中の東海シリーズと北陸シリーズ,東京・千葉・浅間台シリーズ(NT1500)などです。
これらの年式制限はいずれも車検証の「初年度登録」の年月に基づいています。つまり7年ルールの場合は「車検証の初年度登録年月より7年経過した車両は参加できない」となっており,例えば2012年1月現在で,車検証の初年度登録が2005年1月以前になっている車両は走れません。平成12年ルールの場合は車検証の初年度登録が平成12年1月以降であることが必要です。さあ,一度あなたの愛車の車検証を確認してみましょう。
価格制限は新車時のカタログ価格に基づきます。たとえ中古車でも中古で買った時の値段じゃありませんよ。価格はいずれも「180万円以下」となっています。「ハイブリッド車の場合は250万円以下」という補則が付いている場合もあります。またドライバーは価格を証明するためカタログを持参する義務があります。実際に大会会場で確認されたことはありませんが,念のためディーラーでカタログを手に入れておいた方が良いでしょう。
そして最後にもう一つだけややこしい話をしておかないといけません。それは「JAF登録」についてです。
モータースポーツの公式競技では安全性や公平性などの観点から競技によく使う車種をメーカーの申請に基づき「公認」あるいは「登録」してあり,特に「N車両」や「PN車両」そして「S1500車両」にも原則的にこのJAF登録というのが必要です(地区により例外あり)。
たいていのお買物車は「登録車両リスト」にあがっていますが,意外なクルマが登録から外れていることもあり(初代ヴィッツRSなど)自分のクルマがちゃんとJAF登録されているか,自分の地区のお買物車クラスで走れるかどうかは確認が必要です。JAFの公認&登録車両一覧はこちらからどうぞ(→JAFモータースポーツ 公認車両&登録車両一覧)。
また代表的なお買物車の基本データをこの後の「お勧め&主力車種」でまとめておきますね。
ただし,これも後に「B車両について」で書きますが,B車両という車両規定の場合はJAF公認や登録は関係ありません。ややこしいですね(汗)。
最後にこれまで出てきたB車両,N車両,S1500車両,PN車両の関係付けを整理するために下のような図にしてみました。B車両が最も改造範囲が広い,大きな枠組みになり,その中にN車両という比較的制限の厳しいクラスがあり,その中でさらにいくつか制限を設けて「お買物車クラス」にしたのがS1500車両です。PN車両は,N車両とは別にさらに制限の厳しいクラスとして設けられたものです。
今回のまとめ
- S1500クラスの車両規定は,Nクラスの車両規定を元にさらに制限をつけることで,低コスト,低リスク,イコールコンディションを狙っている。
- エンジン関係はプラグ関係と純正形状のエアクリぐらいしか交換できない。むしろ大幅なパワーアップをさせないことで上記の精神を実現している。
- 駆動系にはS1500独自の制限が多く,LSDとクラッチ以外は交換不可。
- 足回りは車高調とブレーキパッド/シュー,スタビ,タワーバー,ブッシュ類が交換可能。ピロはNGだけど,これだけで十分モータースポーツは可能。
- 車体や車内はNクラスと同じ。フルバケやステアリング交換ももちろんOK。
- 軽量化のためにエアコンを外すのはNG。そこまでやりたいなら別のクラスで。
- もちろんSタイヤは使用禁止。禁止されているタイヤをちゃんと確認しておこう。
- 許されるタイヤサイズは地区により違いあり。ちゃんと規則を確認しておくこと。
- 年式制限,価格制限,JAF登録の有無も大事な確認事項。どうしても分からなければ主催者に相談を。
Updated on Jan 22, 2012.