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2010年 > 3月30日
ラジアルタイヤ元年
もうみなさんご存知だと思いますが,今年の全日本ジムカーナ選手権第2戦@名阪スポーツランドに「併催クラス」としてSタイヤ禁止・スポーツラジアルタイヤ使用のクラスが設定されます。
昨年のJAFカップでもS1500クラス(Sタイヤ禁止)が設定されて話題を集め,おとーさんも嬉しがって出場しちゃっかりブービーを食らいましたが(笑),今回はS1500だけでなく,それぞれ2輪駆動と4輪駆動のB車両でSタイヤ禁止のクラスが設けられます。
各地区の地区戦でも,これまでJAFが「地区戦」としてのタイトルを認めなかった(JMRCのタイトルだけだった)S1500クラスなどSタイヤ禁止・スポーツラジアル使用のクラスを,JAFがやっと認めるようになりました。近畿でもN1.5クラス(=S1500クラス)とB車両の2クラスがラジアルタイヤのクラスながら正式にJAF地区戦のクラスとして設定されました。
Sタイヤ=セミレーシングタイヤというのは,普通のタイヤショップでも注文して取り寄せてもらえば購入可能な「市販タイヤ」ではありますが,エコタイヤやスポーツラジアルとは全くの別物。
めちゃめちゃグリップが良い代わりに,値段が高い・減りが早い・ライフが短い・燃費悪い・乗り心地悪い・ロードノイズうるさい・クルマの足回りやボディへのストレスも大きい・・・という,今の世の流れに全く反する「超・硬派」なタイヤです。いや「超・反動」と言った方がいいか。
もちろん同じクルマにSタイヤと一般スポーツラジアルを履いて比べてみれば,よほどのことがない限りSタイヤの方が数秒速いわけで,ライバルがSタイヤを履く以上,自分もSタイヤを履かないと勝負になりません。したがってSタイヤ使用が明確に禁止されたクラスでない限り,みんな泣く泣くSタイヤを履いて走ることになるわけです。おとーさんも,数年前まで不惑インテ号でSタイヤを履いて競技してました。
自分がSタイヤで走ってる時には,経済的にも技術的にも無理してがんばってる見栄もあって,当時のSタイヤ禁止=ラジアルクラスを何となく「初心者クラス」とか「お遊びクラス」のように見下してる面がありました(スイマセン)。例えれば,「Sタイヤ=硬式野球,ラジアル=軟式野球」みたいな感じ。
しかし不惑インテ号を失い,自分がラジアルタイヤで走るようになって初めて気づきました。
こっちの方がずっと楽しいじゃん!
以前はジムカーナライフの中では常にタイヤ代のやり繰りが最優先で,他のメンテや練習費用を削ってでもタイヤ代をひねり出さないといけなかった。だって新しいタイヤじゃないと勝てないんだもん。しかもそのなけなしのタイヤが,ちょっと走っただけで安物の消しゴムのようにどんどん削れてなくなってしまう。
しかも,Sタイヤのグリップのせいだけとは言いませんが,シャフトはバキバキ折れるし,ブッシュやマウントはへたるし,ボディはクラック入るし,ショックもすぐにO/H要るようになるし。とにかくSタイヤを使うことによるデメリットは非常に大きいものがありました。
唯一「Sタイヤの方が速いんだ,Sタイヤの方が技術的にもレベルが高いんだ」なんていう根拠のないプライドが自分を支えてましたが,実際にラジアルで走るようになってみて,これが全くの勘違いであることに気づきました。
両方を乗り比べてみて,正直なところ,Sタイヤの方がずっとゴマカシが効くように感じます。タイヤがドライバーの操作の粗さをカバーしてくれるというか。縦横のバランスや限界付近のコントロールは,ラジアルの方がむしろ(タイムを出そうと思うと)シビアに感じます。
しかも,ラジアルで上手な人のタイムはおとーさんなんかがSタイヤ履いてるタイムを上回ります。先日の地区戦でも,ラジアルクラスのクルマがSタイヤを履いたNクラスのタイムを上回るという現象が見られました。これは"PROXES R1R"という尖がった性格のラジアルタイヤと極低温ウェットという路面状況が生み出した特殊なケースですが,決して常にラジアルが遅いとは限らないということを如実に示してますね。
もうSタイヤじゃなくってもいいや。ラジアルで走ろう。
これはおとーさんが言い出すまでもなく,もう何年も前から徐々に動き出している時代の流れのように思います。
昨年このサイトで実施したアンケートでも,「今後,どのようなタイヤで走りたいか」という質問に,実に80%の回答者が「スポーツラジアル」または「純正タイヤ」と答えています。ラリータイヤやダートタイヤを使う方を除けば約90%の方がSタイヤに「ノー」を突きつけた形になります。
このサイトの訪問者はS1500関係者の方が多いですから,アンケートの回答にも若干のバイアスがかかっているとは思われます。ですからジムカーナ界全体を見渡すとまだまだ「やっぱSタイヤじゃないと」と思っておられる方は多いと思いますが,徐々にその比率は減りつつあるのではないか,そんな感じがうかがえます。
しかしラジアルタイヤがメインの「G6シリーズ」の盛況や,各地のミドル戦でのラジアルタイヤクラスの盛り上がりを見ると,やはり時代はSタイヤから徐々に離れつつあるのではないかと思われます。
そしてそこに今回の全日本でのラジアルタイヤクラスの設定と,各地の地区戦でのラジアルタイヤクラスの新設が加わったわけですから,今年2010年というのは,記念すべき,
ラジアルタイヤ元年
になるのではないかと,おとーさん,思ってるわけです。
・・・・・・
しかし,ラジアルタイヤがジムカーナ公式戦の主役になるにはまだまだハードルがいっぱい。
そのうち一つはラジアルタイヤ自体の問題です。
現在は,ラジアルタイヤ間での性能差があまりに大きい。ってゆーか,ずばり「ほとんどSタイヤに近い」ラジアルタイヤの存在が問題。
現在はSタイヤか非Sタイヤか,厳密な定義があるわけでなく,メーカーのラインナップと実際に使ってみての印象から,これこれはSタイヤ,これこれは普通のスポーツラジアル,と主催者(例えば各地のJMRC)が決めてるだけなんですね。
実際のところ「Sタイヤ」というのも,構造は普通のラジアルタイヤであって,そんなに特殊な構造をしているわけではない。使うゴムの配合や,トレッドパターンのデザイン,タイヤの内部構造の剛性などが違うだけ。
そしてここにみなさんご存知の某タイヤがありまして,このタイヤは一応「Sタイヤではない」とされているものの,鬼グリップで場合によってSタイヤを凌ぐタイムを出すことができ,その代わり減りの早さもSタイヤ並み(笑),ということで,「地区によってはSタイヤとして扱われている」という鵺(ぬえ)のような存在。おとーさん個人的には好きなタイヤなんですけどね。
このタイヤはかなり古くからあるタイヤなので,昨今の状況を見越して「狙って」作られたタイヤではないものの,他のタイヤメーカーが今後このような「半Sタイヤ」を作ってくる可能性はないと言えない。そうなると結局ラジアルタイヤの良さがどんどん失われてしまって,わざわざSタイヤを捨てた意味がなくなってしまう。
そのためにもぜひとも必要なものは「どこまでがSタイヤで,どこまでは非Sタイヤなのか」という厳密な定義です。実際に各地区のJMRCレベルでこの「ラジアルの定義」のスタンダードを作ろうという動きは出ているみたいなので,これに期待したいと思います。
もうひとつ,ラジアルタイヤがジムカーナ公式戦の主役になるために越えなければならないハードルは,全日本のレギュラークラスでのラジアルタイヤ採用です。
JAFは昨年シーズン途中から鳴り物入りで「PNクラス」という,改造範囲の非常に狭い,ノーマル車に近いクラスを導入しました。今後はこのような改造範囲が狭くてお金のかからない,できれば新しい年式の車で競技をしましょう,という意図だと思うんですが,何故かタイヤはSタイヤで,しかもノーマルから一切サイズ変更不可,という謎の車両規定になっているため,ヘタするとかえってこれまでのN車両よりお金がかかりかねない,しかも参加できる車両が限定されてしまう,などというお粗末なことになっていました(→昨年5月17日のdiary)。
「普通のラジアルタイヤでジムカーナを」という各地区のムーブメントは十分,中央(JAF)にも伝わっていると思います。今後,もっとこの動きを活発にして,ぜひ全日本の,せめてPNクラスだけでも,Sタイヤじゃなく普通のスポーツラジアルで戦うクラスに持って行ければ,と思います。
そのためには各地区のラジアルタイヤクラスがたくさんの台数で盛り上がることと,今回の全日本第2戦@名阪のラジアルタイヤクラスが(台数が少なくっても)熱い激走を見せることです。
その中に自分が参加できれば,と思って,無謀にもおとーさんも申し込みをしてみました。
ま,不受理になる可能性が高いので(笑),いわゆるダメ元ですけどね〜
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ラジアルタイヤ元年
もうみなさんご存知だと思いますが,今年の全日本ジムカーナ選手権第2戦@名阪スポーツランドに「併催クラス」としてSタイヤ禁止・スポーツラジアルタイヤ使用のクラスが設定されます。
昨年のJAFカップでもS1500クラス(Sタイヤ禁止)が設定されて話題を集め,おとーさんも嬉しがって出場しちゃっかりブービーを食らいましたが(笑),今回はS1500だけでなく,それぞれ2輪駆動と4輪駆動のB車両でSタイヤ禁止のクラスが設けられます。
各地区の地区戦でも,これまでJAFが「地区戦」としてのタイトルを認めなかった(JMRCのタイトルだけだった)S1500クラスなどSタイヤ禁止・スポーツラジアル使用のクラスを,JAFがやっと認めるようになりました。近畿でもN1.5クラス(=S1500クラス)とB車両の2クラスがラジアルタイヤのクラスながら正式にJAF地区戦のクラスとして設定されました。
Sタイヤ=セミレーシングタイヤというのは,普通のタイヤショップでも注文して取り寄せてもらえば購入可能な「市販タイヤ」ではありますが,エコタイヤやスポーツラジアルとは全くの別物。
めちゃめちゃグリップが良い代わりに,値段が高い・減りが早い・ライフが短い・燃費悪い・乗り心地悪い・ロードノイズうるさい・クルマの足回りやボディへのストレスも大きい・・・という,今の世の流れに全く反する「超・硬派」なタイヤです。いや「超・反動」と言った方がいいか。
もちろん同じクルマにSタイヤと一般スポーツラジアルを履いて比べてみれば,よほどのことがない限りSタイヤの方が数秒速いわけで,ライバルがSタイヤを履く以上,自分もSタイヤを履かないと勝負になりません。したがってSタイヤ使用が明確に禁止されたクラスでない限り,みんな泣く泣くSタイヤを履いて走ることになるわけです。おとーさんも,数年前まで不惑インテ号でSタイヤを履いて競技してました。
自分がSタイヤで走ってる時には,経済的にも技術的にも無理してがんばってる見栄もあって,当時のSタイヤ禁止=ラジアルクラスを何となく「初心者クラス」とか「お遊びクラス」のように見下してる面がありました(スイマセン)。例えれば,「Sタイヤ=硬式野球,ラジアル=軟式野球」みたいな感じ。
しかし不惑インテ号を失い,自分がラジアルタイヤで走るようになって初めて気づきました。
こっちの方がずっと楽しいじゃん!
以前はジムカーナライフの中では常にタイヤ代のやり繰りが最優先で,他のメンテや練習費用を削ってでもタイヤ代をひねり出さないといけなかった。だって新しいタイヤじゃないと勝てないんだもん。しかもそのなけなしのタイヤが,ちょっと走っただけで安物の消しゴムのようにどんどん削れてなくなってしまう。
しかも,Sタイヤのグリップのせいだけとは言いませんが,シャフトはバキバキ折れるし,ブッシュやマウントはへたるし,ボディはクラック入るし,ショックもすぐにO/H要るようになるし。とにかくSタイヤを使うことによるデメリットは非常に大きいものがありました。
唯一「Sタイヤの方が速いんだ,Sタイヤの方が技術的にもレベルが高いんだ」なんていう根拠のないプライドが自分を支えてましたが,実際にラジアルで走るようになってみて,これが全くの勘違いであることに気づきました。
両方を乗り比べてみて,正直なところ,Sタイヤの方がずっとゴマカシが効くように感じます。タイヤがドライバーの操作の粗さをカバーしてくれるというか。縦横のバランスや限界付近のコントロールは,ラジアルの方がむしろ(タイムを出そうと思うと)シビアに感じます。
しかも,ラジアルで上手な人のタイムはおとーさんなんかがSタイヤ履いてるタイムを上回ります。先日の地区戦でも,ラジアルクラスのクルマがSタイヤを履いたNクラスのタイムを上回るという現象が見られました。これは"PROXES R1R"という尖がった性格のラジアルタイヤと極低温ウェットという路面状況が生み出した特殊なケースですが,決して常にラジアルが遅いとは限らないということを如実に示してますね。
もうSタイヤじゃなくってもいいや。ラジアルで走ろう。
これはおとーさんが言い出すまでもなく,もう何年も前から徐々に動き出している時代の流れのように思います。
昨年このサイトで実施したアンケートでも,「今後,どのようなタイヤで走りたいか」という質問に,実に80%の回答者が「スポーツラジアル」または「純正タイヤ」と答えています。ラリータイヤやダートタイヤを使う方を除けば約90%の方がSタイヤに「ノー」を突きつけた形になります。
このサイトの訪問者はS1500関係者の方が多いですから,アンケートの回答にも若干のバイアスがかかっているとは思われます。ですからジムカーナ界全体を見渡すとまだまだ「やっぱSタイヤじゃないと」と思っておられる方は多いと思いますが,徐々にその比率は減りつつあるのではないか,そんな感じがうかがえます。
しかしラジアルタイヤがメインの「G6シリーズ」の盛況や,各地のミドル戦でのラジアルタイヤクラスの盛り上がりを見ると,やはり時代はSタイヤから徐々に離れつつあるのではないかと思われます。
そしてそこに今回の全日本でのラジアルタイヤクラスの設定と,各地の地区戦でのラジアルタイヤクラスの新設が加わったわけですから,今年2010年というのは,記念すべき,
ラジアルタイヤ元年
になるのではないかと,おとーさん,思ってるわけです。
・・・・・・
しかし,ラジアルタイヤがジムカーナ公式戦の主役になるにはまだまだハードルがいっぱい。
そのうち一つはラジアルタイヤ自体の問題です。
現在は,ラジアルタイヤ間での性能差があまりに大きい。ってゆーか,ずばり「ほとんどSタイヤに近い」ラジアルタイヤの存在が問題。
現在はSタイヤか非Sタイヤか,厳密な定義があるわけでなく,メーカーのラインナップと実際に使ってみての印象から,これこれはSタイヤ,これこれは普通のスポーツラジアル,と主催者(例えば各地のJMRC)が決めてるだけなんですね。
実際のところ「Sタイヤ」というのも,構造は普通のラジアルタイヤであって,そんなに特殊な構造をしているわけではない。使うゴムの配合や,トレッドパターンのデザイン,タイヤの内部構造の剛性などが違うだけ。
そしてここにみなさんご存知の某タイヤがありまして,このタイヤは一応「Sタイヤではない」とされているものの,鬼グリップで場合によってSタイヤを凌ぐタイムを出すことができ,その代わり減りの早さもSタイヤ並み(笑),ということで,「地区によってはSタイヤとして扱われている」という鵺(ぬえ)のような存在。おとーさん個人的には好きなタイヤなんですけどね。
このタイヤはかなり古くからあるタイヤなので,昨今の状況を見越して「狙って」作られたタイヤではないものの,他のタイヤメーカーが今後このような「半Sタイヤ」を作ってくる可能性はないと言えない。そうなると結局ラジアルタイヤの良さがどんどん失われてしまって,わざわざSタイヤを捨てた意味がなくなってしまう。
そのためにもぜひとも必要なものは「どこまでがSタイヤで,どこまでは非Sタイヤなのか」という厳密な定義です。実際に各地区のJMRCレベルでこの「ラジアルの定義」のスタンダードを作ろうという動きは出ているみたいなので,これに期待したいと思います。
もうひとつ,ラジアルタイヤがジムカーナ公式戦の主役になるために越えなければならないハードルは,全日本のレギュラークラスでのラジアルタイヤ採用です。
JAFは昨年シーズン途中から鳴り物入りで「PNクラス」という,改造範囲の非常に狭い,ノーマル車に近いクラスを導入しました。今後はこのような改造範囲が狭くてお金のかからない,できれば新しい年式の車で競技をしましょう,という意図だと思うんですが,何故かタイヤはSタイヤで,しかもノーマルから一切サイズ変更不可,という謎の車両規定になっているため,ヘタするとかえってこれまでのN車両よりお金がかかりかねない,しかも参加できる車両が限定されてしまう,などというお粗末なことになっていました(→昨年5月17日のdiary)。
「普通のラジアルタイヤでジムカーナを」という各地区のムーブメントは十分,中央(JAF)にも伝わっていると思います。今後,もっとこの動きを活発にして,ぜひ全日本の,せめてPNクラスだけでも,Sタイヤじゃなく普通のスポーツラジアルで戦うクラスに持って行ければ,と思います。
※もちろん「Sタイヤで走りたい」「家にSタイヤの在庫がいっぱいあるんですけど〜」という人のために,Sタイヤで走るクラスも残しておくべきだと思います。もしSタイヤで走る人が少数派になってくれば,徐々に選択肢を少なくしていかざるを得ないとは思いますが。
そのためには各地区のラジアルタイヤクラスがたくさんの台数で盛り上がることと,今回の全日本第2戦@名阪のラジアルタイヤクラスが(台数が少なくっても)熱い激走を見せることです。
その中に自分が参加できれば,と思って,無謀にもおとーさんも申し込みをしてみました。
ま,不受理になる可能性が高いので(笑),いわゆるダメ元ですけどね〜
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