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聖地めぐりの旅 2014


プロジェクトは完結した...とか言いながら,何くわぬ顔でまた駄文を書いてますが(笑)。


...先日,お仕事関係の学会に参加するため,横浜に行って来ました。

横浜というと,これまでは日帰り出張か,通り過ぎるばっかりで,ちゃんと泊ったことがない。良い機会なので今回は学会期間の3日間をフルに滞在して,学会の空いた時間にあちこち見物に行ってやろうと思ってました。

ちょうど学会3日間のうち,出席する必要があるのは1日目と3日目で,2日目はフリー。真面目に学会会場へ行ってお勉強してても良いけど,街をブラブラしててもかまわない。よーし,この2日目に中華街とかブラブラしてやろう。

ということで,ネットで中華街の情報を検索したりしながら結構お気楽な気分で1日目の朝,京都から新幹線に乗りました。新横浜に着いたのがお昼前。


1日目はきっちりお勉強しないといけない日。とりあえず地下鉄に乗り換えて学会会場に向かいます。

駅から遊歩道をしばらく歩き,海のすぐ近くにある国際会議場へ。出席の登録をして,お目当ての講演会場に直行。夕方までガッツリお勉強です。


...そして夕方。

あ〜疲れた。

夕暮れ時で賑わうモール街を通り抜け,再び地下鉄に乗って新横浜駅まで戻ります。

というのもホテルは新横浜駅の隣...これはちょっと選択ミスしたな。会場と新横浜がこんなに離れてると思わんかった。これやったら普通に横浜の街中のホテルにすりゃ良かった。

もうあんまりウロウロする気も起らず,新横浜駅のアーケード街で簡単に夕食を済まし,ビールやら焼酎やらを買い込んでホテルの部屋にこもります。


熱いシャワーを浴びてビールをぐいっと1缶空け,後は焼酎をロックでちびちび。部屋を暗くしてカーテンを開けると夜景がキレイ。

明日はどうしようかな。

とりあえず昼飯は中華街にするとして,他にどこに行こうかな。でもなあ,オッサン一人で山下公園とか行っても面白くないんだよなあ...


その時,窓のすぐ下に「レンタカー」の看板が上がってることに気が付いた。

これだ!!

明日は朝からレンタカー借りてドライブ行こう。


そうだ!!

ハコネハコネ箱根に行こう! ここからだったら半日で十分往復できる。

それに...ちょっと返却時間を遅めにすればそのまま首都高も一周走れる! きゃっほーい!

オッサン,ここまで来て結局またクルマ遊びかよ(笑)。


いやね,箱根は昔からずーっと走ってみたかった峠の一つ。

2年前の夏に家族で北関東峠巡りの旅に行きましたでしょ。あの時,本当は箱根もぜひ走ってみたかったんだけど,さすがに方角が全然違ったので無理だった。こりゃ絶好のチャンス到来。


それに首都高。

関東に住んでる人にとっちゃ普通の生活道路だと思うけど,関西人のおとーさんはまだ一度も走ったことがない。峠ではないけど,ここもまた間違いなく走り屋の聖地の一つ。ゲームじゃなくって実物を走ることのできる絶好のチャンス。


そうと決まればもう夜更かしはすまい。寝るぞ。

そそくさと寝支度をしてフトンをかぶってしまいます。学会なんてもうすっかり頭の外(笑)。


・・・・・・

さて翌朝。お天気は今一つですが気分はワクワク。さあ行くぞ箱根。行くぞ首都高。

そそくさとカロリーメイトをかじって朝食を済まし,ホテルを後にします。向かうはすぐ近くのレンタカー屋さん。

申し込みの書類を書いて待つことしばし。「このクルマです」とやってきたのは...
















なんとデミオじゃん(笑)。

奥の駐車場にずらっとフィットが並んでるのに,別にマツダ車を頼んだわけでもないのに,それでもやってきたのはデミオ。


そうかやっぱり俺たちは特別な運命で結ばれてるんだな。

と,ヘンに納得しながらラディアントエボニーマイカのデミオに乗り込みます。おにーさんが車内装備の説明をしてくれますが...よく知ってるからいいよ(笑)。


デミ助はともかく,ノーマルでATのデミオを運転するのは何年ぶりだろう。デミ助を買う前にディーラーで試乗した時以来かな。めっちゃ新鮮な気分。

それでもノーマルシートの座り心地は意外に良いし,ノーマルの1300ccエンジン,ノーマルのアシ,ノーマルの14インチタイヤでもキビキビよく走る。やっぱり良いクルマだよ,デミオ。


ニヤニヤしながらしばらく横浜の街を流し,コンビニでお昼のお弁当などを調達した後,高速に乗って一路西へ。目指すは箱根だ。

しかしお天気は徐々に崩れだし,途中からパラパラ雨が降ってきます。こりゃ箱根は雨だな。

まあいいや,そんなこと気にしない気にしない。雨の箱根もいいじゃないか(晴れの方がいいよ)。


・・・・・・

途中何回かクルマが混雑して流れの悪い箇所がありましたが,それでもまあまあ順調に高速を流して,箱根に近づきます。しかし予想通り箱根に近づくにつれて雨は本降りになり,路面はすっかりウェットに。

それでもせっかく来た箱根。気にせずまずは1号線で峠を上ります。

途中で大きなトラックにつかまり低速走行を余儀なくされますが,道幅も広く比較的走りやすい道。イライラせずにのーんびり走ります。雨の中を慣れない峠で昼間っから無理な走りもできないしね(夜ならいいのか)。




峠を上りきり,とりあえず芦ノ湖の畔にクルマを停めますが,急に雨脚が強くなりこれはもう「豪雨」と言っても良いレベル。とてもクルマを降りてウロウロすることはできません。

仕方なく周辺をぶらぶらドライブしながら,目的地であるターンパイクの入り口に向かいます。


箱根ターンパイク。

間違いなく,ここもまた走り屋の聖地の一つ。

つい最近マツダが命名権を購入し近々「マツダ・ターンパイク」となるそうですが,この時はまだTOYOが命名権を持っており,「TOYO TIRES・ターンパイク」でした。どちらもおとーさんには縁の深い企業であり,また走り屋の気持ちに近いところにいる会社さんでもありますね。

やっと少し雨脚が弱まったためターンパイクの入り口でデミオを降りて写真をパチリ。






周囲に全くクルマはおらず道は貸し切り状態(笑)。まあこの路面ですし,ノーマルデミオの14インチタイヤですから,無理に攻め込まずのんびりのんびりと峠を下って行きます。

遠くの景色は全く見えませんが,道ばたの新緑が雨にしっとり濡れて緑色がとってもキレイ。

絵の具の色で言うと「ビリジアン」ていうのかな,鮮やかな緑色を基調に,深緑や黄緑やいろいろな緑色がモザイク状にいり混じって,さらにそこに所々樹皮や地面の茶色が配置されて,一つの美術作品と言っていいぐらいの見事な絵柄になってる。あー,目の保養になるなあ。




もうすぐ新型が出ちゃいますが,このDE型デミオも本当に絵になるクルマです



道は結構広く路面もきれい。コーナーのRも適当で,意地悪な複合コーナーもなく,マニュアルなら2-3速でリズムに乗って気持ちよく下って行けそうな感じ。

ノーマルのデミオの挙動は「軽快」の一言。ひらひらと舞うようにヘビーウェットの峠道を下っていきます。


こんな路面ですからブレーキは早め早めに踏んでますが,ブレーキを緩めながらステアリングを徐々に入れていって,タイヤのグリップが縦から横に切り替わるあたりの挙動がとっても素直なので,運転していて安心感がある。

ネットや雑誌の新車インプレコーナーなんかではよくここを走って記事を書いてますが,ああなるほど,良いクルマを気持ちよく走らせることのできる道路なんだなあと納得。


道にはそれぞれ固有のリズムがあります。
否,そこを誰かが走ることによってリズムが生じる,と言った方が正確か。

コーナーの右,左。

コーナーのRの大小。

コーナーとコーナーの距離。コーナーの連なり具合。

舗装の粒の大きさ。舗装のうねり。舗装の荒れ。

そしてアップダウン,道幅の狭い広い

視界が開けてるか,木立や建物などに蔽われているか。

...いろいろな要素が,走る人にリズムを感じさせます。


地元の阪奈や箕面のリズムはよく知ってる。六甲のリズムもちょっと知ってる。碓氷のリズム,上りのいろは坂,下りのいろは坂のリズム,こいつらも2年前に楽しませてもらった。

ここターンパイクも独特のリズムがあります。


そしてクルマの方にも固有のリズムがあるように思います。こちらは道のリズムと共鳴する固有振動数みたいな感じかな。

例えば,ジムカーナ仕様,特に名阪Cコース仕様のクルマだと,箕面のサル山のリズムにピッタリ共鳴するような動きを見せるけど,サーキット仕様のクルマで同じサル山を走ってもちょっとだけズレがあって,そこまでの同調は見せてくれない。

逆にフルパイロン仕様のクルマで阪奈道路の下りをキンコンいわしながら(いわない)駆け下りても,サーキット仕様のクルマほどツボにハマらない。ちょっとだけ「違うな」っていう感じになる。


そういう観点で見ると,このターンパイクの下りのリズムは,ノーマルのデミオとぴったり合ってる感じ。かつて不惑家の家族車320iツーリングが,いろは坂の上りに異様なほどハマったのと同じように。

素直なコンパクトFFの動きのリズムと道のリズムが気持ち良くシンクロして,ミドルテンポの音楽を奏でているみたい。あ〜ホントに楽しい。ホントに気持ちいい。


そうこうしてるうちに,谷間に人家が見え始め峠道も終点に近づきます。

周囲にほとんどクルマの走ってない雨のターンパイク独占。

ああ,とっても楽しかった。


・・・・・・

さあ,次の目標は首都高。

先ほども書いたとおり,関西人のおとーさんにとっては,いろいろなゲームやマンガの中でしか知らない,こちらも走り屋の聖地の一つ。とにかく一度ぐるっと一周走ってみたかったんだ。


いったん横浜に戻ってから高速に乗り,ベイブリッジを渡ってまずは横羽線で環状を目指します。その頃にはちょうど雨も止みました。



ベイブリッジ通過中


おお〜,これだよこれだよ横羽線。まさにゲームの通りの風景。

路肩が狭く,背の低いコンクリで両脇を囲われ,それでいてうねうねと細かく左右に振られる,ゲームだとかなり走りにくいコース。ここにも独特のリズムがあります。

ただ,ゲームで対戦するAIもその分よくミスをするので,コーナーさえしっかり覚えてしまえば「勝てる」コース。おとーさんも某ゲームでは結構得意コースでした。

そんなこんなで初めて走る場所なのに,なぜか奇妙な懐かしさを感じながら横羽線を流していきます。まあゲームとは走ってるスピードが全然違いますがね(笑)。


都心に近づくにつれて道は混雑してきます。ただ時間はたっぷりあるし,缶コーヒーとかオヤツとかいろいろ持参してるし(笑),レンタカーだけどちゃんとiPodをつなげるようになってて,お気に入りの音楽を流しながら走ってるとちっとも退屈はしません。



ここは「ファンケルコーナー」とか呼ぶ? 呼ばない? 道が空いてたら気持ちよさそうな高速コーナー




阪神高速にもありますが,混雑箇所が一目で判る渋滞表示


そのまま北上して内回りで環状線に突入。環状に入ってしまうと渋滞も解け,汐留S字コーナーや銀座のゲート状の立体交差なんかも気持ち良く駆け抜けて行きます。どこもかしこもゲームの通りの風景。最近のゲームは本当によくできてますね。

江戸橋JCTのコーナーから皇居の手前辺りまではまたしばらく渋滞。ちょうど夕方のラッシュ時になってきたのでまあこんなものでしょう。大阪の阪神高速だって夕方の渋滞は結構ひどいしね。似たようなモンです。




その後はトンネルの連続。この辺もゲームでは走り慣れた光景です。なるほどなるほどと一人で感心しながらデミオを走らせます。

一ノ橋JCTを過ぎてもうそろそろかなと思ってたら,予想と違うタイミングで突然東京タワーが目の前に出てきて,ちっ,写真を撮りそこねたよ(笑)。


芝公園を通り過ぎ,環状をぐるっと1周したところで,最後は湾岸線に乗って横浜まで帰ります。レインボーブリッジを渡りお台場でぐるっと横浜方面に折り返します。このあたりは学会でちょくちょく来たことがあるな。



思いっ切り手ブレっておりますが(笑)


湾岸線は結構混んでて,最高速トライアルなんてもちろんできないわけで(笑)。のんびりのんびりゲームと同じ風景を楽しみながら走るうちに日が暮れてきました。


この旅の最後の寄港地はもちろん大黒PA。ここも有名な場所ですよね。

竜巻のようにぐるぐる回りながら地の底にあるPAに下りていきます。デミオを停め,クルマの横に立って何時間ぶりかで大きく伸びをします。あ〜,疲れた。

しかし意外に狭いところだな。勝手にもっと広いPAを想像してた。でも平日の,しかもまだ宵の口なのに,時々それらしいエキゾースト音のクルマが入ってくるのは,やはりただのPAではないことの証か。


缶コーヒーを片手に感慨にふけります。

頬をなでて行くのは潮くさい,湿っぽい風ですが気分はサイコー。草レースで10周走りきった時の爽快感にも似てる。

走り屋の聖地をめぐる旅。今回はずっと以前からぜひ走ってみたかった箱根と首都高の両方を,1日で走りきりました。ちょっと疲れたけどサイコーに楽しかった。


プロジェクトは完結し,もう勝つためにレースやジムカーナを走ることは止めました。

しかしクルマを降りてしまうわけではない。まだまだ走りたい道はいっぱいある。

あと何十年クルマに乗れるかは分からないけど,運転できる限り走り続けよう。

遠くへ。もっと遠くへ。




翌日はもう横浜滞在の最後の日。学会開場を早めに出て中華街でお昼を食べ,お土産のシューマイをいっぱい持って新幹線に乗りました。

得たものの多い充実した学会旅行でした。ま,おとーさんにとっては2日目が全てでしたが(笑)。






※ その昔,横浜から首都高,箱根辺りを舞台にしたレーシングゲーム...のような不思議なRPGゲームがありました。

「ハイスピード・ドライヴィングRPG,レーシングラグーン」と銘打たれたこのゲームは,クソゲーバカゲースクエアの汚点(笑)などと散々に酷評されながら,一部に熱狂的でコアなファンがいることでも有名なゲーム。そしておとーさんもその熱狂的でコアなファンの一人です(笑)。

今回の旅で走った場所はこの「レーラグ」でも主な舞台になっていました。まあ大黒PAでジムカーナなんてやってませんけどね(笑)。

興味のある人はぜひ中古屋さんで手に入れてプレイしてみて下さい。きっと大爆笑しながらもいつの間にかゲームの世界に引き込まれていることでしょう。



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