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おとーさんの愛したクルマ達 その4 カルディナ GT-T


いわゆる"F1ブーム"に感化され走りに目覚めたおとーさん,とりあえず当時の愛車,初代インテグラでもって近所の峠を夜な夜な走り回っておりましたが...お決まりのクラッシュ。

しばらく凹んでましたが,姫路セントラルパーク駐車場でたまたま生ジムカーナを目にして大感動。SW(MR2)を衝動買いして,ローンの支払いやタイヤ代に苦しみながらも1年間参戦。

ぼちぼちクルマの改造も仕上がり,表彰台には届かないものの,とりあえずコンスタントに10位以内に入ってポイントもらえるようになったところで,多くの若手ドライバーが経験する

「ジムカーナをとるか,彼女との結婚をとるか」

という究極の選択にぶち当たり,結局,競技参加をたった1年で諦めることになりました。



で,結婚してしばらくの間も未練たらしくA車仕様のSWに乗り続けてたおとーさんでしたが,さすがに子供ができてしまうとどうしようもない。このクルマ,3人目の人間を乗せるスペースはどこにもない。んでもって,ちょうどマンション購入の時期とも重なってしまい,お金も全然ない。

ということで,いろんな買い取りショップにSWを持ち込み,走行7万km,ノーマル部品とタイヤ・ホイール込み35万円で売却(泣)。それを頭金にしてとりあえず5doorシビックの最廉価グレード(AT限定免許のmy嫁さんも「乗る」ということでAT仕様)を買いました。


もちろんシビック自体は決して悪いクルマじゃない。でも最廉価グレードのノーマル状態での動力性能は,それまで乗ってたA車仕様のSWとは比べるべくもない。さすがにウチの嫁さんも「このクルマ,遅いし,乗ってて面白くない」などと言い出しまして。

で,1年も経たないうちに叩き売られる可哀想なシビック...

入れ替わりにウチにやってきたのが,このカルディナGT-Tでした。
いつものことだけど,前置き長くてゴメンよ。


ちょうど世はスポーツワゴンブームで,まだミニバンよりもRV車やワゴン車が売れていた時代。スポーツワゴンといえばやはりレガシィが最右翼で,当時はバリバリにチューンされたレガシィツーリングワゴンやステージアなんかがサーキットでタイムを競ってましたな。

このカルディナというクルマは,トヨタがレガシィに対抗するために市場に投入したと言われている,コロナベースのミドルクラス・ツーリングワゴンで,極めてオーソドックスなレガシィと比べるとデザイン的にも若干オサレな雰囲気があり,当時は結構人気がありました。

おとーさんが購入したのは2代目カルディナのGT-Tというスポーツグレードで,セリカやSWにも載ってた3S-GTエンジンをフルタイム4WDで搭載(これまでおとーさんが乗った中で唯一の4WD車)。嫁さんのAT免許のためにやむなく4速ATモデルを選択しましたが,当時はまだ珍しかったステアリングシフト(パドル式ではなくボタン式)がついていたので,ちょっとだけMT的なシフト感覚を楽しむことができました。

よーし,嫁さんの目を盗んで,これでまた峠でも走ってやろ ( ̄ー ̄)ニヤリ


ワゴン車ですから,当然ながら荷物はたくさん載ります。
このクルマで何度かキャンプにも行きましたがテントやタープなどのフル装備も余裕で搭載できました。パイロンを2つ積んだらもうフタが閉まらないSWのトランクとは大違い(当り前だ)。



※お荷物満載でキャンプに行った時の1枚ね


しかしこのクルマ,「レガシィに対抗できるスポーツワゴン」というものの,ノーマル状態での乗り味は非常に「乗用車的」で,どうしても「ああ,やっぱりコロナがベースだからねぇ」と感じさせられてしまうモノでした。ロールも大きいし,ちょっと攻め込むとTCSやVSCが働いてクルマが前に進まなくなる(そのうちキャンセルして走る方法を見つけましたが)。パワーもカタログでは260PSということになってましたが,とてもそんなにパワー出てるとは思えないモッサリ感。

ダメだ! イジろう!
ということで,このクルマもあちこちをイジられることになりました ( ̄ー ̄;)


ちょうど折り良く,嫁様は2人目を妊娠中であんまり自分で運転しません。
しかも出産準備のため実家に入りびたりで,上の子を連れて実家に帰ってる日がしばしば。

チャンスキターーーーーーーーーー! (・∀・)
ちょっとぐらい足回りイジったって分かんねー!
ちょっとぐらい排気音大きくなってたって分かんねー!
ちょっとぐらい運転席がバケットになってたって分かんねー!(分かるって)

ってカンジで,

タイヤ→アドバン M7R 205/55-16
ホイール→First Sniper 7J16
サス→タナベ サステックワゴン(スプリング+ショック)
ブレーキパッド→エンドレス CC-M
運転席シート→レカロ SPORT-JJ
ブースト計→APEXi 60φ
マフラー→BLITZ NUR-SPEC
エアクリ→BLITZ SUS Power (自作エアダクト・インダクションBOX付き)

と,まあ,とりあえずいつの間にかこんなスペックになってたりするわけです。


当然ながら嫁様にバレないわけがない(笑)。
生まれたばかりの2人目の子供を抱いて,嫁様の運転で家に帰る時。

嫁様:何よこの車高! 乗る時に腰が痛いやんか!
おとーさん:い,いや,最初からこれぐらいの車高だったよ...

嫁様:何でこんなにガタガタ乗り心地が悪いわけ? 前のMR2みたいやんか。
おとーさん:いや,それはたまたまこのあたりの路面が荒れてるだけで...

嫁様:しかも何よこの運転席のシート! こんなん私が乗る時に不便やんか!
おとーさん:あ,あれ? 運転席は最初からこんなシートじゃなかったっけ...

嫁様:何よこのブレーキ! 効き過ぎて交差点で止まる時にABS作動してるやんか!
おとーさん:そ,それはお前のブレーキングがラフだから...

嫁様:何でアクセルを緩めると「しゅぱぁ〜」って音がするわけ?
おとーさん:えー,今のは私のオナラです...

嫁様:それでこの「ぼぼぼぼぼぼ・・・」っていう排気音はどう言い訳するつもり?
おとーさん:いやぁ,マフラーのどっかに穴が開いて音が大きくなったのかな...

...何ぼ言い訳しても無理!
ソッコーでバレてしまい,思い切り頭をシバかれましたが。
何勝手に家のクルマイジってるねん!ぱっか〜ん! ( ーー)//☆(ノ××)ノ 

嫁様:改造にかかったお金,ローンで,自分で払うんやろうなあ (--メ)
おとーさん:は,はい,自分で払いますぅ!


まあ,嫁さんが怒るのも当然。
当時おとーさんは電車通勤で,普段このクルマを使うのは嫁様。

嫁様はこのU川ライン特攻仕様のカルディナで,毎日子供の幼稚園の送り迎えに行ったりお買い物に行ってたわけで,奥様連中の中では相当な有名人になってたそうです。ウチの嫁様は女性としては結構飛ばし屋なので,嫁様本人がこのクルマをチューンしてると思われたんでしょうね。一時は「レディース○○ちゃん(嫁様の名前)」と呼ばれていたようです。


当時おとーさんは競技の世界からは遠ざかってましたし,電車通勤でしたから,このカルディナに乗るのは,休日に家族でキャンプに出かける時か,嫁様に白い目で見られながら「ちょっと走ってくる」と夜に家を抜け出す時ぐらい。走りに行ってたのは,関西では有名な走りの屋スポット「U川ライン」が主でした。当時たまたま近所に住んでたもんで。


しかし,この「吸排気系と足回りを少しイジってみました」程度では,ワインディングを本気で走るとなると,よけいにボディ剛性のなさが目立つ結果となりました。またステアリングシフトを多用するとすぐにATFが熱を持ってしまい,マニュアルでシフトできなくなってしまいます。

ということで,今度は前後ストラットタワーバーと,フロントのロアアームバーを装着(クスコ製)。ATFクーラーもHKSかどこかから発売されたものをつけました。

これでボディ剛性は若干向上! (`・ω・´)


しかし今度はロールの姿勢が不自然になってしまったのか,深くロールした時のタイヤの接地性が悪くなり,ギャップでもよく跳ねるようになりました。というか最低地上高が微妙に9cm切ってしまってるようで,ちょっとした轍とかでもやたらガンガン底を打つようになりました。

やっぱ車高調じゃないとダメかぁ...
でも今度お小遣いがたまったらブースト上げてみたいんだよなぁ...


...結局このカルディナ,残念ながら「スポーツ」とは名ばかりのスポーツワゴンで,本当にクルマを速くしたかったらもっと元々の素性の良いクルマを選ばないと,次から次からお金がかかるばかりでちっとも速くはならない,ということをしっかり思い知らされる結果になりました。

でも。

以前のSWの時は改造もメンテもショップ任せでしたが,このクルマは,出来るところは全てDIYでイジりました。そのために工具もそろえ,整備書片手にあれこれ勉強もしました。
日曜日の朝からマンションの駐車場で工具を広げてクルマの下に潜り,あーでもないこーでもないとやってるので,ご近所からは「お仕事はクルマ屋さんですか?」と言われるようにもなりました(みんな言われてるよね?)。

そういう面では,おとーさんのDIYスキルを磨くための貴重な教材になってくれたクルマであり,クルマの改造についていろんなことを教えてくれた先生でもありました。

一応AT車でしたから,イジったクルマに乗る楽しさを嫁さんと共有できたこれまで唯一のクルマでもありました(未だに嫁さんはAT免許)。現にmy嫁さんが今でも「あのクルマは速かったね。ぼぼぼぼ,マフラーがうるさかったけど(笑)」と遠い目で言ってるところを見ると,嫁さんにとっても本当は,イジったクルマ,速いクルマに乗ることは楽しいことだと感じてもらえたはずなんですけどね。


海外留学が決まり,結局,購入して4年ほどで泣く泣く手放すことになりました。

「速さ」や「スポーツ」の面では中途半端なクルマではありましたが,おとーさんのクルマ遍歴の中では大きな意味を持つ大事な1台,今でも大好きな1台です。最近めっきりタマ数が減ってきて,街中でも見かけることが少なくなってきたのが寂しい限りです。


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