車をイジる楽しさ
不惑おとーさんが10月の最終戦までずっと走ってきたジムカーナ公式戦というのは,日本のモータースポーツを統括する「お役所」であるJAFのお墨付きを得たイベントであり,きちんと統制されたルールに則って行われる,それなりに格式の高いものです。
細かいルールがある以上は車検もちゃんとありますし,進行もしっかりしてます。国内B級ですがライセンスも必要です。公式戦に出たことのある人には分かると思いますが,練習会などとは違った本格的なモータースポーツの雰囲気がそこにはあります。
さらに,そこで勝つことができればJAFメダルももらえますし,雑誌に名前やインタビューが載ったりしますし,きちんとしたモータースポーツのウィナーとして名誉を称えられるわけです。このへんは練習会やショップ主催の競技会とは違った公式戦ならではの喜びです。
しかしながら,公式戦に出るためには払わなければならない代償もあります。
公式戦で周囲のライバルと表彰台を張り合うためにはそれなりのクルマも必要ですし,それなりのメンテやそれなりの練習も必要です。そしてそれら全ての基盤となる「それなりのお金」も要ります。まあ,その辺りはもう改めて書くことではありません。
もう一つ,公式戦を走るためにガマンしないといけないことがあります。
それは車両規程を守らないといけない,つまり車両規程を逸脱する改造をできないということです。
クルマというのは機械ですから,イジればイジっただけの変化が素直に動きに現れます。そういった改造による変化を楽しむのもオツなもんですし,純正状態から手塩にかけてイジればイジるだけ「自分仕様」に変わって行く愛車への愛も深まります。こういう「クルマをイジる」ということもクルマを楽しむ正しい方法の一つだと思います。いわゆる「チューニング」というやつです。
しかし公式戦を走るためには車両規程を守らないといけません。クルマをイジるという楽しみをある程度制限しないといけないわけです。
実際,これまでおとーさんは,不惑インテ号の時はN車両,デミ助の時はS1500車両という比較的改造制限の厳しいクラスで走ってきました。これらの車両規定では足回りと駆動系の基本的なところ以外はほとんどイジれません。したがってこれまでおとーさん,ホントはもっともっとクルマをイジりたくてもずっとガマンしてきたわけです。
でも,もう公式戦止めたもんね〜 ヽ(^o^)丿
もうガマンしなくてもイイ! 愛車イジり放題!
もう,撫でたりさすったり,着けたり外したり,曲げたり延ばしたり,ネジ込んだり,モンだり,やりまくり〜(ちょっと違う)。
実は,おとーさんとデミ助は今後,サーキットトライアルや草レースに向かう予定です。
いや,ジムカーナは止めません。G6や姫路シリーズには今後も出たいと思ってます。でもメインのターゲットはサーキット,これ。
サーキットトライアルはだいたいがB車両,つまり保安基準に適合していればOKという(一部例外あり)緩い車両規程になってます。もちろんシリーズごとにいろいろ安全規程や制限事項もありますが,基本的に陸運局の車検に通る範囲内であれば,違法改造でなければイジり放題。うひひひひ。そしてG6や姫路シリーズも基本的にこのB車両で出られるんです。
ということで早速,この12月に岡山国際サーキット(元TIサーキット)で行われるマツダファン・サーキットトライアルに向けてデミ助の準備に入りました。
しかしいくらイジり放題とは言っても,いきなりデミ助をフルチューンに持って行く財力も時間もありません。したがって今回は「LIGHTクラス」というN車両+α程度の車両規程のクラスに出場の予定です。
それでもイジれるところはいっぱいあります。
とりあえずマフラー。
「LIGHTクラス」では,センターパイプやタコ足,触媒はダメですが,マフラーを交換することはOK。
もうね,マフラー,ずっと替えたかったのよね。
いや別に竹やりとか爆音とかじゃないよ。あくまで機能性重視だけどね。
マフラーを純正に戻させてまで公式戦に引っ張り込んだ後輩たち,こんな自分勝手な先輩を許してくれ。っつーか,お前らもこっち来い(笑)。またマフラー替えられるぞ。
それにカーボンボンネット。
もうね,カーボンボンネット,ずっと憧れだったのよね。軽量化にもなるし,水温や油温にも好影響だし。
しかし外見が...ええ歳こいたオッサンが穴の開いた黒ボンネットのクルマに乗ってるとご近所ではきっと笑いモンです(笑)。嫁さん子供達よ,アホーなおとーさんを許してくれい。
あとね,ブレーキ系。
岡国のようなブレーキに厳しいサーキットを走るためにはグレード15Cの純正ブレーキはちょっと心許ない。鈴鹿南のようなミニサーキットでもちょっと周回重ねるとフェード気味になってくるぐらいだし(純正だとブレーキより先に油温の方がギブアップになるけど)。
「LIGHTクラス」の車両規程では同一車名,同一型式内での部品のスワップはOKなので,SPORTの純正ブレーキ系をそっくり移植することにしました。純正でもこちらの方が若干容量が大きいことはみなさんご存知の通り。そしてもちろんディスクやパッド,シューはサーキット用に交換ね。あ,ついでにブレーキホースも交換しておこう。
※SPORTと15Cでこんなにドラムの大きさが違うのね。そらサイドの効きも違うはずだわ(汗)。
...てなこと言ってるうちに,ああもう全然予算オーバー(笑)。
10月末にデミ助は2回目の車検を迎えました。車検でいつものファインアートにドック入りするのを機にブレーキ系のスワップをお願いしました。マフラーは既にDIYで交換済み。今はボンネットの納品待ち中です。
ブレーキ系とマフラーが変わっただけでもデミ助はグッと精悍になった印象です。可愛らしい少年にヒゲが生え,○○毛が生え,声変わりして,思春期になったような印象というか(笑)。まだまだ可愛らしいもんですが,ちょっと頼もしくなりました。
マツダファン・サーキットトライアルの次は鈴鹿のチャレンジグランプリかエンジョイグランプリに出るつもりにしています。こちらは排気量が1600cc区分でシビックやスイスポと一緒に走ることになるので単純なタイムで勝負にならないことは明白ですが,そこはそれ,天下のVTECを何台食えるかという別の楽しみがある(まず間違いなく返り討ちになるわけだが)。
こんな感じで,公式戦止めて車イジリの愉しさを取り戻したおとーさん,毎日ワクワクしながら生きてます。自分が本当に「楽しい」と思えるところに走りに行くために,着々と準備を進めております。