home > diary menu > 2008年 > 10月7日

夜道に気をつけろ!


日ごろ悪さばかりしているせいか,9月の末にひいたカゼがなかなか治らず,もう1週間ほどずっと微熱が続いたままのおとーさんです。


日ごろ悪さばかりしてる人間に対しては,神様も容赦ありません。

「泣き面に蜂」

「弱り目にたたり目」

「踏んだり蹴ったり」

こういう状況を表現するためにいろんな言葉が存在することからも分かるように,悪い時には一気に悪いことがたたみかけてくるモンです。


先日の夜のことです。


熱は37.2℃ほどの微熱でしたが,日常ルーチンの仕事が終わった後,頭がクラクラするのをガマンしながら溜まった書類を片付け,職場(病院)を出たのが20時過ぎでした。

デミ助を停めてある駐車場までは10分ほど歩かないといけません。
病院の隣には大きな川が流れており,大通りに出るまでしばらく土手の上の細道を歩きます。


ちょっと肌寒くなったとは言え,まだ秋ですから,道端の草むらではコオロギが弱々しく鳴いてます。空気は若干湿り気を帯びていて,週末にかけて天気が崩れそうな予感を漂わせてる。

でもそんなことはどうでもイイ! こっちは熱あるんじゃ! 疲れてるんじゃ!

...ってなカンジで,その日も,街灯もまばらな暗い夜道をぶらぶらと...というより正直なところ「ふらふらと」歩いていたわけ。


と,向こうから懐中電灯のような光がこちらに近づいてくるのが見えました。

病院の奥には団地があり,通勤の行き帰りの自転車がこの土手道をよく通ります。

クルマなら立ち止まって道端に避けないといけない程度の道幅ですが,自転車なら勝手に避けてくれるでしょ。別段気にも止めずにフラフラ歩き続けます。熱あるのよ。しんどいのよ。


しかしその光はどんどん近づいてきます。おとーさんの真正面です。

あ,避けなきゃ。

そう思う間にも光は音もなくすーっと真正面からこっちに向かってきます。

あ,やば...


...そう思った瞬間,「ガーン!!☆☆☆」という極彩色の衝撃がおとーさんの右の顎から脳天を貫いて夜空高く舞い上がり,反対におとーさんの身体はもんどりうって土手の下深くに舞い落ちました。さすがに川の中までは落ちなかったけどね。


相手は無灯火の軽自動車で...だったら今頃おとーさんは冷たくなってるかもしれませんが,幸い相手は自転車で,ヘルメットかぶって乗るやつ。何ていうの?スポーツサイクル?


さすがにおとーさんもぶつかる瞬間に身体をよじって避けようとはしたらしく,お腹や股間などは無傷で,ヘルメットかぶった相手の頭でもって右顎にアッパーカットをくらった形になったみたい。道端にすっ転がった時も無意識に受身の体勢はとってたみたいで,ケガらしいケガといえば左肘をちょっと擦りむいたぐらいだった。まあ,不幸中の幸い。


しかし,起き上がろうとすると,あう,頸が痛い...

そう,ちょうどクルマが事故った後のムチウチみたいな痛み。

しかも,さっきまでに増して頭がぼわーんとしてるし,ぶつかってからすっ転ぶまでの一瞬記憶が途切れてる。どうも軽い脳振盪を起したみたいだけど,自分で頭をなで回してみると,直接の頭部外傷はなさげ。要するに顎にアッパーを食らってダウンを奪われたという,カッコ悪う。


相手は30代ぐらいのお兄ちゃんで,すぐに下りてきて「すいません,大丈夫ですか」と介抱してくれてるところを見るとマトモな人らしい。ボーっとしてて前を見てなかったんだろ。そういえば,今日に限って全身黒っぽい服ばかり着てるし,見えなかったのか。


しかし謝ってもらったからそのままハイさようなら,では済まされないこの顎と頸の痛み。
ぶつかった瞬間の記憶が途切れてるのも気にかかる。

頭を直接打ってなくても頭蓋骨が激しく動かされることで脳挫傷や血腫ができてくることはあるし,この頚部痛のカンジは間違いなく2-3日後にピークが来る痛みっぽい。

面倒くさいけど病院行っとこ...っつうか,自分の職場の病院が目の前にあるし(汗)。


・・・・・・

医者が自分の病院で同僚の医者に診てもらうっていうのは,実はあんまりいい気分じゃありません。しかも場合が場合だけに,恥ずかしいというより,かっこ悪過ぎっちゅうか...

何だか自分が悪いことしたような(´・ω・`)ショボーンな雰囲気で,相手のお兄ちゃんと一緒に土手道を歩いて職場に戻り,救急の受付に行って,顔見知りの事務員さんに

「あのー,今そこの土手道歩いてて自転車にはねられてこけました (;´д⊂)」

か,かっこ悪うぅぅ。


もちろん救急の看護婦さん達もみな顔見知り。

「ええー,不惑センセイ,自転車にはねられたんー? かっこ悪ぅぅ(笑)」

その晩の外科系の当直は,同じ大学の同期の脳外科医。

「ええー,センセイ,自転車とケンカして負けたんやてぇぇ?(ニヤニヤ)」

案の定,みんなに大受けです(泣)。


それでも,念のため頭部CTと頭部〜下顎部のレントゲン写真を数枚。

同期の脳外科医曰く,

「うーん,歳の割にはしっかりした脳みそしとるよ。脳梗塞も萎縮もないし。」

「頸の骨も大丈夫やけど,こちらはちょっと老化入っとるなあ。」

お,お前も一緒の歳やんか!

ついでに,

「しかし歯並び悪いな」

放っとけっちゅうねん!


...ということで,妙なきっかけで頭頸部の人間ドックを受けるような形になりました。
まあ,どこにも特に問題はなくって良かったんですが。

支払いは,そもそも自分の職場ですし,通勤中の災害(!)だからなし。
相手がおとーさんで,ぶつかった兄ちゃんもラッキーだったのか。


「まあ,明日あさってが(頸の)痛みの本番やな」という有難くないお言葉と大量のシップ,ついでにカゼ薬をもらってもう一度病院を後にしたおとーさんでしたが,向こうから自転車が来るたびにビクビクしてしまうようになったのは言うまでもありません。

ホント,夜道には気をつけろ! ですな。


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