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オヤジの夏休み


暑いっすね。

こう暑いと,アホでも地球温暖化がかなりキワドイ線まで来ていることを認識せざるを得ず,今さらながらなるべくアイドリング時間を減らそうと一生懸命になったりするオヤジ42歳の夏。

でもエンジン切るとクーラーも切れて暑くて死にそうになって,熱中症になって倒れて救急車呼んだら結局CO2増やすことになるから,なんて理由をつけて仕方なくまたエンジンかけたりする悲しいオヤジ42歳の夏。


・・・・・・


おとーさんの職場では,4日間だけ夏休みがとれます。職場っつーても病院ですので,お盆も営業,いわゆる「お盆休み」はなし。7月から9月までの間の任意の4日間,休みを取るわけ。

4日間っつーても,例年はいろいろ気兼ねして,2日間+2日間とかに分けてコッソリ休みをとってたんですが,今年は,この温厚なおとーさんをして激しくブチ切れさせるようなハートブレイクな出来事が職場でいろいろあり,「もうオラ知らね ヽ(`Д´)ノ」とばかりお盆の真っ最中4日間,プラス日曜日で5日連続,ずばり夏休みとってやりました。ざまーみろっ!っのやろー!

だいたい年末年始やGWもなかなかまとめて休むことは難しく,たいてい間に1回は出勤してますから,5日間連続で仕事休めるなんて,日本に帰ってきてから初めてっすよ。


でもね。


「さぁ,クルマいじるぞ!」とか思っても,せっかく時間がたっぷりあっても,肝心の「走る」クルマがない。「イジる」クルマがない...不惑インテ号があったら,せっせと練習やメンテに勤しめたのに...ううううう(泣)... (;´д⊂)
今さらながら悔恨の念に責め苛まれるオヤジ42歳の...(しつこい)。


しかし,おとーさんがのんびり感傷にひたってるヒマはないのであった。


息子:このお盆はオヤジがしばらく家にいるぞ!
嫁:しかもバカが自分でクルマつぶして意気消沈,っつーか謹慎中!
娘:よーし!バカオヤジに運転手させて遠くにキャンプ行こう!

...ということで,嫁さんや子供達に駆り出され,富士山麓2泊3日キャンプの旅に向かうことになってしまうのであった。

まあ,クルマがあっても結局こういう結論になってたと思いますがね... f(^-^;)


出発は8/15の朝。
お盆の渋滞を避けるため深夜3時半出発予定。そのため14日夜は仕事から帰ってきてメシを食う間もなく,必死でキャンプの荷造り。この時点でもうすげえ疲れてるわけですが...
で,ロクに寝てないまま2時半にはゴソゴソ起き出し,予定通り3時半に出発。眠ぅ〜 (*o*)

早朝の高速を130ピーkm/hで快調にスッ飛ばして行きます。

ご存知の通り,名神を大阪から名古屋方面に上って行きますと,滋賀県エリアあたりは結構ワインディング的な部分が多いですね。ある程度のRがあるコーナーやアップダウンをずっと一定の速度で流し,かつ,どんどん追いついてしまう前のクルマをあくまでジェントルに追い抜きながら走って行くのは,たとえATのワゴン車であっても,というかAT車だからこそ,結構スロットルコントロールの練習になります。

久々の長距離ドライブ,だんだん目が冴えてきて,だんだん楽しくなってくるおとーさん。
そして車内で眠りこける嫁&子供達。

お前ら,せっかくオヤジを運転手に駆り出してるんだから,もうちょっとオヤジに付き合えよ〜 ヽ(´ー`)ノ と言いたくなりますが,こいつらが起きてるとギャーギャーうるさいだけなので,これ幸いと寝かしておきます。

夜が明ける頃には名古屋を無事通過。

しかし東名に入ってしばらく行くと,ちょうど上ってきたお天道様とご対面〜しながら走ることになって,眩しくって走りにくいのなんの。グラサンとバイザーで何とかしのぎながら,それでも速度は緩めずにひたすら走ります。"若奥様"アテンザちゃん,よく走ってくれます。


しかしミニバン多いな。

高速を走ってるクルマの7割,いや8割はミニバン。お盆だから余計に多いのか。

たぶん車内ではウチと同じような光景が繰り広げられてるんだろうな。
目を輝かせて結構楽しそうに運転するオヤジに,眠りこける家族。

マッハバロ〜ン,眠れ眠れ〜♪(誰も知らんよな,こんな歌。名曲なんだけど)


てなことを考えてるうちに嫁や子供もボチボチ目を覚まし,トイレ休憩したりしながらもまた走り,予定より早く富士に到着。まだ7時半なんですが...合計400km以上の道のりを休憩込みで4時間って...でもあくまでジェントルに走ってますきに f(^-^;)。


いくつかの観光スポットを回り,お昼過ぎにはキャンプ場到着。

でも,暑〜い。
富士山近くの高原っていうからもっと涼しいのかと思ったけど,下界とちっとも変わらんやんか。テントやタープ張って一段落したら,もう汗で全身ドボドボっすよ。

子供達は,川遊びにサワガニ取りにニジマス釣りに,と遊びまくってますが,父ちゃん母ちゃんはお疲れ気味。雷が鳴り夕立が降る中,晩飯を早めに食って,ビールをたらふく飲んでさっさと寝てしまいます。


2日目は早めに起きて富士五湖巡りのドライブ。


※本栖湖畔にて。オヤジと子猿2匹の図。

ちょうど富士山は雲に覆われてしまってほとんど見えず。

途中で例の上九一色村あたりを通りますが...

あまりに有名になり過ぎたせいか,村の北部と南部で別々に隣接する市町に合併され,現在は「上九一色」という地名は全く残ってません。地図で見る限り「上九一色中学」っていう学校の名前が唯一の名残。

ところが実際に行ってみると,観光スポットの看板とかあちこちに「上九一色」という名前が残ってて,ああこのあたりがそうだったのね,と思わせてくれます。

富士山麓オウム鳴く,と言いますが,おそらく住民みんなこの村の名前にはいろいろな思い入れがあったはず。そういう意味ではこのあたりの住民みんなが被害者なんですね。何つっても村が一つ消えてしまったわけですから...


富士五湖の中の本栖湖と精進湖,西湖あたりにまたがって存在するのが有名な青木ケ原樹海ですな。この中を走る国道を辿りながら観光スポットを訪れます。

青木ケ原樹海の中のワインディングは,道としては非常に面白いのですが,何となく道の両側からの樹海の圧迫感を感じて「息苦しい」印象の道です。走ってて爽快感がない。やっぱり何かオカルトちっくなモノがあるんでしょうかねえ...((((゜Д゜;))))

ただ,いろいろと恐ろしげな話があるにもかかわらず,樹海のあちこちにキャンプ場や観光施設が点在しており,普通に道を走ってる限りは何も怖いことはありません。当り前か。
方位磁石も普通に使う分には別に狂うこともなく,わざわざ散策道から逸れて原生林の中にどんどん入り込んでしまわない限りは全く無問題。

確かに原生林の深いところに入ると(入るなよ),木立が陽の光を遮ってしまうために方角感がつかみにくく,かつ独特の溶岩地形のために地面もメートル単位の細かいアップダウンが多く,水平方向の見通しもつきにくい。ああなるほど,こういう遮蔽感のある光景が独特の不安感を呼ぶんだな,と思ったり。

実際,自衛隊の人たちが密林での行軍やサバイバルを想定してこの青木ケ原でよく演習をやってるそうですね(もちろん方位磁石使って)。ご苦労様な話です。



※樹海の中で。怪しげな人影でも写ってるかと思ったけど...
一番怪しいのはオマエらだよ,っつーことで。



さて,何となくおどろおどろしいドライブをしてるうちに,買出しのために街まで引き返す時間。
その後はキャンプ場に帰り,昨日と同じようにガキどもの川遊びや嫁さんの凝ったお料理に付き合ってるうちにまたーり日が暮れていきます。


いいな,こういう時間。

こうやって家族とゴチャゴチャ言いながらもまたーり過ごしてると,職場で神経すり減らしながらキリキリ仕事してる自分がアホらしく思えてくる。「職場」や「仕事」なんてあくまで生活の糧を得るために付き合ってる副次的なモノであって,本来の自分の立脚点はここにある,「家族」にあるということが確認される。

そうなんだよね。
お仕事なんて,あくまで「お仕事」。
命かけて,自分の心身の健康を削って忠誠尽くすようなモンでは絶対にない。本当に自分がしんどくなった時に,お仕事や職場が一体何をしてくれるってゆーの?

「家族」というこの猥雑な構造体が持つエネルギーは,オヤジの普段のクソ真面目さもセンチメンタリズムもニヒリズムもどんどん破壊しちゃってバカにして笑い飛ばしちゃう。でもそれでいいのよね。いきなり「社会人」として生まれてくる人はいない。人は誰もが家族の一員として家族に見守られながら生まれてきて,家族に看取られながら死んで行く。「社会人」は仮の姿よ。


アウトドアブームで家族単位のキャンプが流行ってるのは,現代の日常生活の中ではすっかり失われてしまった「家族」という構造を確認できるからなのかな。オヤジはテントを張り,火を起こし,豪快に酒を飲んで肉を焼く。嫁さんはチマチマとお料理を作り,身の回りの細々とした世話を焼く。子供は子供らしくサルのように遊びまくる...現代の家庭生活の中ではもう全く崩壊してしまった,原始の時代から連綿と引き継がれた古き良き「家族」の幻影。

もともとおとーさんはこういう「エセ家族ごっこ」が嫌いで,自分はキャンプに喜んで行きながらも周囲のアウトドアブームに対してどこか醒めた目で見てるとこがあったけど(勝手なヤツ),自分が本当に仕事の世界に捕り込まれそうになっている時にこうやってしばらく家族で行動すると,たとえそれがごっこ遊び的なモノであっても,これだこれだ,これがオレだ,と我に返ることができて,ああ自分も世のおとーさん達と全く同じ,結局こうやって時々失われた家族の構造を確認する「儀式」を持たないとダメなんだなぁ,と今回つくづく思うのでありました。


2日目の夜を閉めくくるのは当然,花火ですよ。
キャンプ場内なので,打ち上げとかハデなヤツはダメっすけどね。

星空の下,水を張ったバケツを嫁さんや子供達と囲みながら,ハラハラ散って行く線香花火の花びらの中に「仕事人間」の自分が燃え尽きて昇華されて行くのをジッと見つめるおとーさんなのでした。あぁ,蚊にくわれた足が痒いやんか。


・・・・・・


翌3日目の朝はとにかく暑く,大汗をかきながらテントを撤収。途中,脱水で倒れそうになり,仕事行ってるよりもこっちの方がずっと疲れるやんか,とか思いながらもアテンザちゃんに荷物を押し込み,途中で河口湖などをめぐりつつ中央道に入り,大した渋滞にも当たらずに無事22時には大阪に帰宅したわけです。

こうやって,2泊3日の富士山麓オヤジ泣く,いえいえ,楽しくもちょっとセンチな富士山麓キャンプの旅はあっという間に過ぎ去って行きました。





そして,後に残ったものは...


キャンプ後の大量の洗い物,片付け物と...

全然片付けする気のねぇ嫁さんと...

全然家のこと手伝わねぇガキどもと...

あと1日だけしか残ってない夏休みと...

そして,もう,全く仕事やる気のねぇ,疲れ切ったオヤジ。

そして,職場ではたまりにたまった大量のお仕事がオヤジを待ち受けているわけですが!


ああ,夏休み...それは切なく悲しい一篇の詩 (;´д⊂)
時間というものの残酷さと,その中に頼りなく浮かぶ実存の有限性を詠う。


っつーか,もう,仕事行くのイヤすぎなんだよ〜(爆)

っつーか,誰が干して乾かして片すねん,このテント(怒)


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