home > diary menu > 2005年 > 3月24日

ゴムとゆらぎ


考えてみると「ゴム製品」というのは私たちの身の回りの実に多様なところに存在しているわけで。そしてその軟弱で黒くて無愛想な見かけとは裏腹に,実に重要な働きをになってたりするわけで。


例えば...


消しゴムとか輪ゴムとか,いざという時に見つからないと困るよね〜。


女性だと髪ゴムなんかも重要かな。


パンツのゴム切れた時も困るよね(切れねえよ,そんなモン)。


家の中を見回すと,いろんな配管類のパッキンなんてのもゴムだし,ホースやらクッションやらもゴムが多い。家中ゴムだらけ。


医療の世界でも,機器類の随所にゴムが使われてて,人命に関わる働きしてるし。


ある薄〜いゴム製品に小さな穴が開いてたことで人生が大きく変わった人もいるし(笑)。


...そしてまた言うまでもなく,クルマのタイヤもゴム製品。


クルマが地面と接触しているのはタイヤでもって接触しているわけで,タイヤの空気が全部抜けても車体の他のいかなる部分も路面とは干渉しちゃいかんという規定があるぐらい。このゴムによる接触がなければ,つまりタイヤが宙に浮いちゃえば,クルマは加速も減速もコーナリングもできず,ホントに手も足も出ない。ただそのまま地面に落ちるだけ。

だからどんなにフルチューンの信じられないようなパワーの出るクルマであっても,どんなに足回りにスペシャルなサスを組んだクルマでも,結局は俗に言う「ハガキ数枚分」のゴム面によってクルマの全ての動きが決定されているわけですな。


だからしてモータースポーツにおけるタイヤの重要性は言うまでもなし。

よく言われるように,チューンだのセッティングだのいうのも結局は全て,いかに前後左右のタイヤにちゃんと仕事をさせるかというためにあるわけで。全てタイヤがちゃんとしてることが前提。


でもこのタイヤという名のゴム製品,実に扱いが難しい。すぐご機嫌を損ねてコンディションを崩してしまう。すぐ減るし,固くなるし,ショルダー落ちるし(泣)。
おとーさん,ハッキリ言って,このゴムの塊のご機嫌のとり方がよく分かってません。


・・・・・・


例えば...先日のミドル第1戦の余談ですが。
まあ,余談っつーより言い訳ですけど f(^-^;)


参戦前,フロントタイヤはドライ・ウェット両方の新品を用意できたものの,さすがにそれ以上は金銭的に厳しく,リアは半年間通勤や練習会で使い倒した普段履きのSタイヤをそのまま本番で使用することにしました。まあ,山はまだ4-5部残ってるし,使えないこともないか,ってな感じで。


でもよく見ると,タイヤのショルダーすげー落ちてるし(だってこのタイヤでサルのようにサイドターンの練習したもんなあ),山の減り方にだいぶムラがあって,多いところでは5部山残ってるけど,少ないところは,おいこれ2-3部山じゃねーのか?ってカンジで(笑)。


でも,実はもっと問題が。


このタイヤ,普段の通勤時もずっと履いてるわけで,時々峠を 攻めに 流しに行く時も履いたままで,雨の日も晴れの日もず〜っと履いたまま。駐車してる時なんか直射日光にも当たりまくり。んなもんだから,すっかり表面が硬化して,ゴムがガチガチのザラザラの状態。


師匠を始め,当日このタイヤを見た何人かの方から


このタイヤはもう死んでいる...ひでぶ


と,ご指摘を受けました (;´д⊂)


タイヤのゴムが「腐る」とか「逝く」ってこういう状態のことを言うんですね。おとーさん,山さえ残ってれば何とか本番にも使えるもんだと思ってました。いや,もちろん物理的にそのタイヤを履いて走れるのは走れるけど,思ったように走れるかどうかっつーレベルで。


競技用のSタイヤに関しては,ゴムの軟らかさを保つため,競技と競技の間はサランラップ巻いて保存するっていう人もいるぐらいだから,普段の通勤時も,峠に行くときも,練習会の時も全部本番用のタイヤそのまま使ってたんじゃ,そりゃ乱暴すぎますわな。


次の第2戦までに,必死で酒量減らしてお小遣い残して,何とかこのリアタイヤは新調するとしても,問題は今また普段履きにしてる本番用フロントタイヤ。こいつを普段の通勤用に使ってると,また「山は残ったまま腐っていく」状態になること必至。もちろんせっかく新品のままで置いてあるレイン用のフロントタイヤを履くわけにもいかず。


もともと持ってるホイールは純正の4本とTE37のフロント・リア1セットずつのみ。しかも純正ホイールのうち1本は,例の雪道トレのアクシデントのため微妙な「ゆがみ ゆらぎ」が(笑)。


しかし他にホイールまで新調するお金なんてどこにもないっつの。
こうなったらもう,使えるホイールは全部つかって本番用のタイヤをなるべく温存しないと。


ということで,ガレージの一番奥からこの「ゆらぎ」の入った純正ホイールを引っ張りだして,リアに履かせます。ついてるタイヤはフツーのラジアルタイヤだし,リアなら少々「ゆらいで」ても危険はないかな,ということで。

そして,リアにはいてる195/55-15のTE37をフロントに。こいつには既にお亡くなりになった55Sが張り付いてますが,普段履きにはさして支障なさそうなので,第2戦の直前まではこれで行こうかと。


ところが。


タイヤを付け替えて,ちょっと試走に行こうと思ったら,クルマが前に動きません。
そりゃ,もう,びくとも動かない (;´д⊂)


無理やりアクセル踏んだら1メートルほど前に進みましたが,そこからはもう,根が生えたかと思うぐらい前にも後ろにも動かん。


しかもブレーキがヘン。
ペダルがスコスコ。まるでフルードを抜いたような状態。というか,ブレーキを最初から踏み込んだ状態というか。ブレーキが効いててクルマが動かない?


な,なんじゃ,なんじゃぁ〜? 何が起こったんやぁ〜?? ((((゜Д゜;))))


クルマから下りて,ガレージのフロアを見ますが,別にフルードがもれてるとか,そういうことはなし。こういう時はまず冷静になって,自分がさっきどういう作業をしたか思い出すに限ります。


...って,タイヤ替えただけじゃん。


ということは...もいちど,よ〜くタイヤとホイールを見ますと...


があ----------んっ!
フロントホイールの内側がブレーキキャリパーに干渉しとる (ノ∀`)


たしかにフロントのホイールナット締めるとき,手ごたえヘンだったよなあ。ホイールの内側がブレーキを思いっきり押して,それでブレーキがかかったままの状態になったわけね。
...つまりこのホイール(リア用TE37)はフロントには使えないっつーことか。
世に恐ろしきは無知と先入観なり。純正ホイールは使い回しがきくので,てっきりTE37も使えるもんだと思ってた。


...ということで我が不惑インテ号は,現在,フロントに「ゆらぎ」ラジアルを履き,リアに「お亡くなりになった」Sタイヤを履くという,癒しに満ちたというか,やすらぎに満ちたというか,この世のものとは思えない"涅槃"セッティングで元気に走ってます(笑)。

きっと今,シャッターを切れば,無数のオーブが我が愛車の周囲を飛び交っているに違いありません。( ̄ー ̄;)


...やっぱり何とかしてフロントに使えるホイールを1セット入手しよ。


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