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トンネルを越えると...〜2005年ミドル開幕戦〜


国境の長いトンネルを越えるとそこはもう...っつーわけで,10年以上のブランクを越えてジムカーナの公式戦に戻ってきたおとーさんが,開幕戦当日の早朝,名阪スポーツランド(MSL)の入り口の短いトンネルを越えてそこに見たものは...季節外れの雪景色でした (;´д⊂)

何で3月やのに雪積もってるねん...

そして気温も路面温度も極寒...

コース脇の水たまりも完全に凍てついてパリンパリンの状態...コース上も,路面は一応乾いてますが,あちこちが凍結してツルンツルンに凍ってます。


そうです,ここMSLがあるのは「山間部」。平地で降ってなくてもここだけ降ってる。平地で雨でもここだけ雪。そういうことがいくらでもあり得る魔の地。地名が「山添村」ってぐらいだからカンペキ「山ぞい」のお天気なのね。

おとーさん,すっかり忘れてました。

ここMSLを走るには,ただ単に元気良く走ればいいだけじゃなくて,路面状況とか天候とかそういうものを常に考えながら走らなきゃならない。そういうのを気にしないでテキトーに走ると...散ります。


・・・・・・


ということで前置きが長くなりましたが,行ってまいりました。12年ぶりのジムカーナ公式競技。この日をずーっと待ちわびてきたおとーさんにとっては,記念すべき晴れがましい日だったわけですが...それにしても寒かった。ズルズル(ハナをすする音)


3月だとゆーのにこの冬一番の寒波襲来ということで,悪い予感はしていたのですが,前述の通り,やはりMSLに着いたら辺りは雪国状態。12年ぶりに公式戦に出る人間にとっては最初から厳しいコース条件となりました。ただ単に寒いだけじゃなくて,時おり雪がどばーっと降ってきてあっという間に路面がハーフウェットになったり,そうかと思うと今度は,雲の切れ間から春の陽がさすとその路面があっという間に乾いて温まったり,と路面状況は刻一刻変化しています。


どうすりゃいいねん,こんな路面...

おとーさん,普段雪道で無茶したり,滑りやすい路面が得意なんて生意気ぶっこいてるわりに,いざ本番でこういう路面に出くわすとからっきし意気地がありません。


寒さに震えながら,途方にくれながら車検の準備をしていたら,師匠とももさんが到着。ガレージを開けてストーブを焚いて下さいました。ちょー嬉しい!(*'-')

そして早速,師匠を質問攻めに(汗) 師匠からタイヤの選択や空気圧のだいたいの目安などを聞いてから車検に向かいます。

今回の競技会では,車検の後,競技本番に先立ってコースを1周だけテストランさせてもらえることになってます。本番コースとは違って,コース外周をぐるっと1周回るだけですが。でもここでできるだけ路面のグリップ状態をつかんでおきたいところ。


車検は問題なくパス。

さあ,テストランに。昨年10月の練習会以来のCコース走行です。ちょードキドキしながらスタートラインにつきます。そんなドキドキせんでも,これはテストランやっちゅうのに(笑)


3...2...1...スターターのおっちゃんが旗をひるがえし...

3000回転ぐらいでそろっとクラッチをつないでスムースにスタート...のつもりが,ダッダッダッダッと激しくジャダーが出てしまい全然前に進みません。


うわ,なんじゃこれは。全然進まん ((((゜Д゜;))))


かなーり焦りながらも2速にシフトアップし,1コーナーに向かいますが...
ブレーキングした途端にリアがぐり〜んとフロントを追い越して先に行ってしまいました。


うわ,なんじゃこれは。いきなりスピンかよ (´゚c_,゚` )


気を取り直して残りのコースを必死で走りきりゴール。それにしてもタイヤが全然グリップせん。

こいつはえらいことになったぞぉ,低温路面なんてわけ分かんねえよ,これならヘビーウェットの方が先が読めるだけにいくぶんマシだな,とか好き勝手ほざいてるうちに本番コース発表。


前半はコースのインフィールド部分をあっちいったりこっちいったりして,後半は,おむすびから外周のS字抜けて奥のコーナー回って帰ってきて,最後のストレートに減速用のスラロームがあってゴール,というおなじみのコース。後半のハイスピードセクションよりも前半の低・中速セクションでタイム差がつきそうなコース設定かな。密かに心配していた360度ターンはなかったので,というか,パイロンターン自体がなかったので,ちと安心 (´ー`)


↑こんな感じですな

そして慣熟歩行た〜いむ。ありがたいことに師匠が一緒にコースを歩いて下さって,いろいろレクチャーいただく。

...いや,正直なところ,これだけでもこの日ここに来た価値があると思った。感動。だって,全然コースの攻め方が違ってた。師匠の「視線理論」(勝手に命名)がこのようにコース攻略に生かされるんだな,というのがよ〜く分かって,目からウロコがポロポロもので。長年疑問に思ってたおにぎりや外周S字の攻め方もようやっと理解できたし。


さあ,もうこれで怖いモンなしやぞぉ!


コースは再びクローズされ,オフィシャルが最終チェック。
徐々に気合が入る中,ラジアルタイヤクラスから本番走行スタート。


雪がちらついたり,お日様がちょっと顔を出したりという複雑な路面状況の中,やはりかなりのクルマがスピンを喫しています。同じクラブの充電パンチさんも,2コーナーに入ったところで痛恨のハーフスピン。


同じクラブの,というかいつも一緒に走ってるU氏@GDBインプレッサは,途中でミスコースしかけて一瞬失速するもあとを無難にまとめてPクラスの2番手タイム!


よぉ〜し,パパもがんばっちゃうからね〜!!

A1クラスのクルマが走行中,少し早めに不惑インテ号に乗り込み,4点式ベルトを締めあげ,目をつぶってイメトレを繰り返します。コースを復習し,師匠の言葉を思い出しながら...おっと,目を開けるともうおとーさんのちょっと前のゼッケン番号のクルマがスタンバって走行待ちの列に並んでます。


よぉ〜し,出撃やぁ〜!!!


出走待ちの列に不惑インテ号を並ばせます。肩のベルトの締め具合を何度も直して,メットのアゴひもを何度も締め直して。そして目を閉じては何度も何度もイメトレを繰り返し。
あと3台...あと2台...あと1台...


がががががががっ!

さあ,いよいよおとーさんの前の車が激しいジャダー音を残してスタートして行きました。ポッカリ開いたスタート位置でスターターのおっちゃんがゆっくり手招きしています。次はおとーさんの番です。


ど,どうしよう...何だか怖いような,このままグルッとUターンしてここから逃げ出してしまいたいような,いや,逃げたらアカンがな,ちゃんと走ればそれなりのタイムは出るはず,とにかく大きなミスをしないことだけ...頭の中には様々な想念が渦巻いて。すっごい緊張の一瞬。心臓バクバク。


それでも何とか正気を取り戻して,クルマをそろそろ前に進ませます。できるだけ直線的にスタートできるよう,いったんぎりぎりまでクルマをアウト側に振って,少し斜めにスタートラインにつきます。


...さあ,いよいよ。
いよいよ,ホントに12年ぶりの公式戦の本番走行。スタートライン。
やっとここに戻ってきたんだなぁ,とか感慨にふける余裕なんてあるはずもなく。


前走車がコースの後半に入りました。
スターターのおっちゃんがゆっくりこちらに向き直り,さあいくよ,ってなカンジの表情。
弱々しく,うん,とうなづき返します。


目の前におっちゃんの手が出てきて,指折りカウントしていきます...


3...


2...


1...


スタートフラッグが目の前でばぁっとひるがえります。


よし!いくぞぉ!

3000回転で少しゆっくり目にクラッチをつなぎますが,またしてもダッダッダッダッと激しくジャダーが。


ぬうう!しまった!


少なからず焦りながらシフトを2速に叩き込み,最初の「く」の字型のコーナーに飛び込もうとしましたが...


...飛び込もうとしましたが...


...


気がついたら,リアタイヤから先にコーナーに飛び込んでました (;´д⊂)
ええ,またしてもスピンですよ。そうですよ。いきなりですよ。悪いですか。
この時,このコーナーをおとーさんは「苦の字」と命名しました。くだらねー


幸い,どこにもぶつからずにリアタイヤが泥んこの地面に突っ込んだだけで済みましたが,しっかり脱輪でペナルティ5秒くらいましたよ (;´д⊂)

しかも走り出そうとしたら,エンジンがストールしてやんの(汗)。後でビデオで確認したら,エンジンかけ直して走り出すまで10秒近くロスしてました。もうどっちにしても1本目は勝負になりません。2本目のための練習走行だと思って割り切って走ります。


案外,こういう時の方がいい走りができるもので,この後の走りはわりにイメージ通りに走れました。

師匠からも「ペナルティ後の走りは良かった」とお褒めの言葉をいただき,実際ビデオで確認しても,「苦の字」の後はトップの人たちとそう違わないタイムで走れてます。


「苦の字」めぇ〜!


いや,そんなものに怒っても仕方ないと思いますが f(^-^;)
責めるなら自分の未熟さを責めなさい。


ガレージに戻って,ももさんの入れてくれた暖かい飲み物をいただきながら,師匠やクラブのみんなとダメ出しをします。師匠には,「スタートで思った以上にジャダー出してしまって,グリップが戻っていきなり加速しだした途端にもうコーナー進入だし,焦ってブレーキ残しすぎたん違うかな」と分析していただく。要するにスタート直後なのに欲張ってブレーキ残しすぎ。


おっしゃる通りでございますぅ (;´д⊂)

おとーさん,スタート直後はタイヤが温まってない,特にこの日のように路面温度が低い時にはスタート直後は絶対に無理をしてはいけない,という鉄則を全く忘れておりました。最初にジャダー出して焦ってしまい,冷静さを失ってしまったんですな。これじゃ,回っても仕方ない。


そしてもう一つ,もともとおとーさん,クルマはアンダー気味のセッティングにしといて,ブレーキングを残すことで無理に方向を変えて走るという悪いクセがある。こうするとある程度のスピードまでは比較的安全に走れるけど,限界を超えるとリアが突然出てしまって収拾つかなくなっちゃう。それが分っていながら,何度も痛い目にあっていながら,長年のクセというのはなかなか抜けないもので,ついついブレーキに頼ったコーナリングをしてしまう。今回も,そう。


このへんのことをしっかり頭に叩き込んだ上で,お昼にもう一度師匠とコースを歩きます。

路面を確認。ライン取りを確認。視線の置き方を確認。

よーし,今度こそ大丈夫。午後の部の走行が始まって,ガレージでクラブのみんなとおしゃべりしながらも,特に最初の「苦の字」のイメトレを繰り返します。


ビデオをもう一度見たり,イメトレをやったりしてるうちにPクラスの2本目の走りを見そびれてしまいましたが,何とU氏@GDBインプレッサが入魂の走りで2位をげっと!

何とこの人,デビュー戦でいきなり2位ですよ...うーん,同じクラスでなくって良かった(汗)。いや,んな情けないこと言わずに,おとーさんもがんばるぞぉ!


と,ちょうどその頃,それまでハラリハラリと降っていた雪が次第に本降りに。
ぅおいおい!やめろっつーの!こんな時に降ってくるなよ,雪!


しかし無情にもどんどん雪は降ってきます。路面は次第に濡れた色に変わって行きます。
うおお〜!何でやねん〜!

叫んでいるうちにおとーさんの2本目の出走時間。あわてて不惑インテ号に乗り込み,ベルトを締めます。出走待ちの列につく間にもどんどん雪は路面を濡らしていきます。


もういい,もうこれ以上降るな。今すぐ止みなさい,雪。止めっつーてるだろうがぁ!
メットの奥でギャーギャー叫んでるうちにあと3台,あと2台,あと1台...


そしてまたおとーさんの番です。


スターターのおっちゃんが,スタートラインでおいでおいでしてます。
先ほどと同じようにそろそろとクルマをスタートラインに合わせます。


雪は若干小降りになってきましたが,目の前の路面はすっかり濡れた色になってます。
こ,これはよっぽど慎重に行かんと,1本目と同じことになる...

もともと2本目は慎重に行こうと思ってましたが,おとーさん,慎重というよりむしろすっかりびびってしまってます。


いろいろな考えがよぎる中,前走車がコースの後半に入りました。
1本目と同じように,おっちゃんがこちらに向き直り,カウントが始まります...


3...


2...


1...


スタートフラッグが目の前でばぁっとひるがえります。


よし!げっちゅ!×××!

メットの奥で何だかわけ分らない叫び声をあげながらスタート!1本目より気持ち低めの回転でクラッチをつなぎますが,またしてもまたしてもゴッゴッゴッゴッとジャダーが。


またかよ〜 (;´д⊂)


泣きたい気持ちになりながらも,「抑えて抑えて」と言い聞かせ,2速にシフトして「苦の字」へ。


...一瞬先刻の悪夢が脳裏に浮かびますが,今度は無事に「苦の字」をクリア。その奥の2コーナーも無難に無難に回りこみ,おにぎりへ。


おにぎりへの進入,おにぎり内のS字の処理はまずまずの感じ。


「よーし,まあまあかな」とか甘いことを考えながら,おにぎりからいったん外周へ出て,またインフィールドに折り返す。ところどころリアが出そうになるけど,何とか抑えられる。


しかし,大きな定常円からコース一番左奥の外周へ抜ける「し」の字型のコーナーのところでズリっとリアが出て,思った以上にインの縁石に乗ってしまい,焦ってシフトを1速に入れ損なって失速。


しかし失速の自覚はほとんどなし(バカだね〜)。気にせず1速で外周に折り返し,もう一度インフィールドに入って定常円をさっきと逆に回る。


あれ?ここ1速のままだったっけ?2速に上げるんだったっけ?
迷ってるうちにレブに当たってしまい,そのまましばし空走。とりあえず2速にぶち込んで,すぐにまた1速→2速とシフトしながら外周へ。


そして外周から,最後にもう一度インに折り返し,さっきインに入ったところから外周に出て,後はひたすら外周を踏んで行くだけ。よ〜し,逝け〜!


...しかし,何だか踏めない。というか,踏んだつもりだったけど踏めてない。


右奥のコーナーを立ち上がって,
よっしゃ〜!×××〜!
と,またしても意味不明の叫び声をあげながら最後のストレートに戻ってきますが,本人の気持ちとはうらはらに,ちっともアクセル踏めてません。


ゴールして減速,窓を開け,固唾を飲んでタイムのアナウンスを待ちます。
すべるリアを抑えながら,自分としてはかなり攻めたつもり。自分では何とかトップから2秒落ちまでには入ったつもりでしたが...


1分17秒○○○〜 現在7番手のタ〜イム!


ええ〜,そんな遅いの..._│ ̄│○ ガックリ
トップからはその時点で3秒以上離れてます。現在7位ということは,もう入賞はあり得ません。それどころか10位以内も無理っぽいタイム。

さらにタイミングの悪いことに,おとーさんが走り終わった後ぐらいから雪が止み,お日様まで顔を出してきました。路面はどんどん乾き,かすかに温かみを感じるぐらいまで回復してます。

引っ込め〜!今頃出てくんな〜!太陽のバカヤロ〜!


終わりました。

案の定,その後4台に抜かれて,結果は18台中11位。
シリーズポイント圏外にはじき出されました (;´д⊂)


師匠からはやはりあの「し」の字型のコーナーの失速を指摘されました。あれでコンマ5秒は損してるとのこと。そうです。今度は「死の字」コーナーです ヽ(;´Д`)ノ
ビデオを見ると,自分でもビックリするぐらい全体的に元気のない走り。1本目と路面の違いはあるとしても,まるで別人のように踏めてない走りです。我ながら「お,遅い」とつぶやいてしまいました。特に「死の字」とシフトを迷ったところ,このあたりは,アンタそこに止まる気?と言いたくなるぐらい失速してる。


おとーさん,まだまだ修行が足りませんな。
一番悔しいのは,自分では結構攻めたつもりだったのに,無意識のうちに抑えてしまって,全然踏めてない「自分らしくない」走りになってしまったこと。年甲斐もなく,大人気もなく,スピンするかしないかで無理やり曲って行くような,1本目のようなリスキーな走りがおとーさんの本来の姿だったはず(実際よくスピンするわけですが)。ヘンに守りに入って中途半端な順位とったって面白くない。


攻めるところは攻める。抑えるところは抑える。
このメリハリが大事だと再確認しました。


走りの方はこのように反省すべき点がいっぱいあったのですが...


師匠やももさんはじめクラブ員のみなさんが応援&見学に来て下さったおかげで,1日をとっても楽しく暖かい気持ちで過ごすことができました。全く一人で戦っていた12年前なら,この結果ではもっともっと寒い気持ちで家路につくことになっていたでしょう。自分の走りのどこが悪かったかもよく分からないまま。


でも今回は,みなさんの励ましやフォローのおかげで「よ〜し,おとーさん,次はがんばっちゃうからね〜」という気持ちになってニコニコ顔で家路につくことができました。自分の欠点もしっかり認識できたし。「一人じゃない」こと,これがどんなに心強いありがたいことか,またひとつ身にしみて分かりました。


次回ミドルシリーズ第2戦は4/17。


おとーさん,次もがんばりまっせぇ〜!!!



PS:
デビュー戦で表彰台おめでとう!次は負けへんでぇ〜>U氏
お互い次戦こそ自分らしい走りをしましょう〜>充電パンチさん
次戦,楽しみに待ってまっせぇ〜>35すぺっくさん,にーななレビンさん
本当にありがとうございました!次回もよろしくです!>師匠,ももさん,クラブ員のみなさん
めっちゃ長文の日記を読んで下さってありがとう!>ここを読んでくれてるみなさん


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