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2005年 > 6月9日
オヤヂ再生計画 〜精神編〜
「人は,歳をとることではなく,夢を失うことで老人となる」
なんて言葉がありますな。
心理学的には,人は子供じみた万能感を捨て現実の自分を受け入れて行くことで「大人」になっていく,という風に言われてます。
「ママ!ボク何でもできるんだよ!すごいでしょ!」みたいにお子様な自己像を,夢を捨て,夢を壊されしていくうちに修正して,「いや,俺にはコレもできないし,アレもできない」「俺のできることなんてせいぜいこれぐらいなんだなあ」っていう現実の自分像をつかめるところに至って初めて「大人」ってわけで。
ところがこれが行き過ぎて「俺には何もできない」「俺の人生,もう終わってる」「夢もチボーもないっす」ってなると,「大人」を通り越してすでに「老人」の心境に至っている,ということ。
まあ実際には,「老人」の定義である65歳を過ぎてなお,夢を追いかけて世界中をかけめぐってるおじーちゃんもいるよね。夢のある仕事をガンガン進めてるお年よりもいっぱいいるし。こういう人達って,見た目は確かにお年寄りでも決して「老人」って感じじゃない。いい意味でギラギラしてるよね。
でも逆に,65歳どころか35歳ぐらいで,心理的にはもうすでにカンペキ「老人」って人も。
実は,昨年夏までのおとーさんがまさにそういう感じでした... く(*´ー`)。
......
おとーさん,もともと「癒し系」ジョブ(笑)の中でも研究志向で,臨床のお仕事をしながらも細々と研究を進めておりました。でも日本で臨床の仕事をしながら研究してたんでは,いろいろな制約があって,どうしても思うように研究を進められません。
だから,海外の整った研究環境の中で,日本ではなかなかできなかった研究を思う存分やりたい,研究に集中したいというのが,おとーさんの長年の夢でした。もともと関西の狭い地域の中でずっと暮らしてきたおとーさんにとっては,海外に出ていろいろなモノを見たり聞いたり体験してみたいという気持ちも強くあったし。
でも特別なコネやバックもなく,もちろん超優秀な頭脳とか莫大な財産なんてモノもないフツー人のおとーさんにとっては,海外に出るってこと自体が一世一代の大バクチ。というのも,国内でのお仕事関係を全て整理して行くことになるので,何の身分保障も後ろ盾もない状態におかれるわけで。下手すりゃ収入すら全くなし 。・゚・(つД`)・゚・。
行くべきかあきらめるべきかずいぶん悩みました f(^-^;)。
でも,職場が変わっていよいよ海外へ出ない限り研究をできなくなったこと,周囲の方の理解と暖かいサポートがあったこと,そして何よりウチの嫁さんが,ブツブツ言いながらも何とかおとーさんの夢を分かってくれたおかげで,とうとう「行こう!」と一大決心をしたわけです。で,受け入れ先との交渉や奨学金だのなんだのの準備を少しずつ整えて,雪の多い寒い国に1年半ほど行くことになりました。
これが数年前のことです。
長年の夢がかなっての研究留学。
恵まれた環境の中でしっかり雪道を走り込んで 研究をして,たっぷりとデータを集めることができました。図書館に行けば文献は山ほどあるし,勉強もやり放題。Dutyと言っても,院生の指導や研究室の器材・PCの管理とか全て研究に関係してることばかりで,早い話が365日24時間研究三昧。
嫁さん,子供も,最初は言葉の問題が大きかったものの次第に異国の環境にとけ込んで,日本とは違うのんびりした生活をえんじょいしまくり \(^-^)/。
本当にあっという間の1年半でした。
ここまでは良かった。
しかし日本に帰ってくると厳しい現実が待っているわけで,さ (;´д⊂)。
まず,帰国して再就職した職場はとっても忙しいところで。今度はまた365日24時間臨床の日々。もう,研究の「け」の字もあり得ない。
しかも留学中のデータをまとめた論文が何回投稿しても採用されないしぃ。共同研究者とメールで議論に議論を重ねて書き直した分もやっぱりダメ。雑誌のランクを落としてもダメ。研究というのは論文が雑誌に載ってナンボのものなので,たとえどんなすごい研究であっても雑誌に採用されなければ無に等しいのよねー。
帰国して半年ぐらいまではこの数編の論文と格闘してましたが...
自分の能力のなさを思い知らされて,次第に気持ちが擦り切れてきました ヽ(`Д´)ノ ちくしょー
しかも毎日毎日仕事は超多忙。朝メシ食わずに仕事行って,昼メシも食わないまま夜10時ごろまで仕事,家帰ったら日付変わってたよ,とかも珍しくなくて。自分が起したわけでもないトラブルにも多々巻き込まれて。
いったい何のためにあんなに苦労して留学したのか...
いろんな人から応援してもらったり助けてもらったりしたのに,何の成果も出せないなんて...
ふがいない自分が,ホントに情けなく感じられます。
もうイヤだ,こんな生活。もうイヤだ,こんな自分。
もうやめよう,研究なんて。才能ないし。センスないし。頭悪いし。
こういう時は酒ですよ。ヽ(`Д´)ノ おらー
飲んで飲んで飲まれて飲んで,静かに眠るんですよ。
でも。
毎日毎日ヤケ酒かっくらって,身体はデブデブ太ってくるし,肝機能は悪くなるし。
運動不足で身体はガタガタだし。
しまいにゃ尿管結石で悶絶するほどの痛みに見舞われるし。
結局,留学するところまでは夢がかなったわけですが,その後はことごとく夢破れ,自信を失い,すっかりいじけてしまって,ヤケクソになってたんですな。心身ともにぐったりして,まさに「老人」的なヨボヨボの状態になってました。まるで80歳ぐらいな心境。
毎朝満員電車でクチャクチャにされながら出勤する時なんか,もう心底何もかもイヤになって,通過する電車に飛び込んでやろうかい,なんてバカなことを考えたことも。いや,もちろん嫁さん子供がいますから,実行には移しませんがね f(^-^;)。
......
そんなウツウツした日常を送っていたおとーさんの前にインテ・タイプR「不惑号」が現れました。
(σ゚д゚)σ こ,これだ!
おいらにはこれがあったんだ!
思えばもう20年近く前,峠を走り始めた時もインテだったなあ。
SWではずいぶんがんばったけど,結局4位にまでしかなれなかったよなあ。悔しかったなあ。
子供ができてSWを手放す時,「いつかきっとまた競技に復帰する」って誓ったよなあ。
留学先でも,「いつかまた走るぞ」って思いながら,WRCのTV見たり雪道走り込んだりしてたよなあ。
様々な情景,様々な想いが一気に蘇ってきて。
そうだ,こいつと,インテと一緒ならおとーさん,まだまだ元気に生きていけるぞ!
たかだか40歳でヘタってしまってどうする!
...ってなカンジで。おとーさん,すっかり生き返ってしまって。
まさにオヤヂ再生 ( ̄ー ̄) にやり
その後のストーリーはこのサイトの日記を順に読んでいただければ分るはず。
今じゃおとーさん,別名 ちょろまっちょ ですから(笑)。
このサイトの副題に(副題なんてあったのか ---かつてはあったんです---笑)「オヤヂ再生」と掲げているのは,こんな風にモータースポーツを通じて,できるだけ多くのヘタりかけてるおとーさんに生き返って欲しいという想いをこめてのこと。かつて青春を「走り」にかけていたのが,今はすっかり燃え尽き,疲れ果てて「老人」の域に足を片方踏み入れてるおとーさんは多いはず。
もう一度,走ろうよ。
おとーさん,今週末も走りに行きます。
もう今からワクワク。
こんな気持ちは「走り」でしか味わえません。
さあ,そこのおとーさん,一緒に走りませう!
しなびた日常におさらばして,一緒にちょろまっちょの道を進みませう(ちが
そして...
...もう一度,あの論文書き直して投稿して見よ (*'-')
またそんな気になってきた,今日この頃です。
P.S.
最近,とっても楽しいニュースを見かけました。
暴走族 30過ぎてもやめられん 進む高齢化 19歳以下は半減
(gooニュース--産経新聞 2005/5/19)
ここにもまた,ちょっと違うけど「オヤジ再生」が(笑)。
何でも37歳とか48歳とかで検挙されたツワモノもいるとか。
気持ちはよーく分かるんだけど...ハタ迷惑な走り方はやめて欲しいな,と。大人のオヤジが走るんなら,やはりキチンとモータースポーツでしょ。
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オヤヂ再生計画 〜精神編〜
「人は,歳をとることではなく,夢を失うことで老人となる」
なんて言葉がありますな。
心理学的には,人は子供じみた万能感を捨て現実の自分を受け入れて行くことで「大人」になっていく,という風に言われてます。
「ママ!ボク何でもできるんだよ!すごいでしょ!」みたいにお子様な自己像を,夢を捨て,夢を壊されしていくうちに修正して,「いや,俺にはコレもできないし,アレもできない」「俺のできることなんてせいぜいこれぐらいなんだなあ」っていう現実の自分像をつかめるところに至って初めて「大人」ってわけで。
ところがこれが行き過ぎて「俺には何もできない」「俺の人生,もう終わってる」「夢もチボーもないっす」ってなると,「大人」を通り越してすでに「老人」の心境に至っている,ということ。
まあ実際には,「老人」の定義である65歳を過ぎてなお,夢を追いかけて世界中をかけめぐってるおじーちゃんもいるよね。夢のある仕事をガンガン進めてるお年よりもいっぱいいるし。こういう人達って,見た目は確かにお年寄りでも決して「老人」って感じじゃない。いい意味でギラギラしてるよね。
でも逆に,65歳どころか35歳ぐらいで,心理的にはもうすでにカンペキ「老人」って人も。
実は,昨年夏までのおとーさんがまさにそういう感じでした... く(*´ー`)。
......
おとーさん,もともと「癒し系」ジョブ(笑)の中でも研究志向で,臨床のお仕事をしながらも細々と研究を進めておりました。でも日本で臨床の仕事をしながら研究してたんでは,いろいろな制約があって,どうしても思うように研究を進められません。
だから,海外の整った研究環境の中で,日本ではなかなかできなかった研究を思う存分やりたい,研究に集中したいというのが,おとーさんの長年の夢でした。もともと関西の狭い地域の中でずっと暮らしてきたおとーさんにとっては,海外に出ていろいろなモノを見たり聞いたり体験してみたいという気持ちも強くあったし。
でも特別なコネやバックもなく,もちろん超優秀な頭脳とか莫大な財産なんてモノもないフツー人のおとーさんにとっては,海外に出るってこと自体が一世一代の大バクチ。というのも,国内でのお仕事関係を全て整理して行くことになるので,何の身分保障も後ろ盾もない状態におかれるわけで。下手すりゃ収入すら全くなし 。・゚・(つД`)・゚・。
行くべきかあきらめるべきかずいぶん悩みました f(^-^;)。
でも,職場が変わっていよいよ海外へ出ない限り研究をできなくなったこと,周囲の方の理解と暖かいサポートがあったこと,そして何よりウチの嫁さんが,ブツブツ言いながらも何とかおとーさんの夢を分かってくれたおかげで,とうとう「行こう!」と一大決心をしたわけです。で,受け入れ先との交渉や奨学金だのなんだのの準備を少しずつ整えて,雪の多い寒い国に1年半ほど行くことになりました。
これが数年前のことです。
長年の夢がかなっての研究留学。
恵まれた環境の中でしっかり
嫁さん,子供も,最初は言葉の問題が大きかったものの次第に異国の環境にとけ込んで,日本とは違うのんびりした生活をえんじょいしまくり \(^-^)/。
本当にあっという間の1年半でした。
ここまでは良かった。
しかし日本に帰ってくると厳しい現実が待っているわけで,さ (;´д⊂)。
まず,帰国して再就職した職場はとっても忙しいところで。今度はまた365日24時間臨床の日々。もう,研究の「け」の字もあり得ない。
しかも留学中のデータをまとめた論文が何回投稿しても採用されないしぃ。共同研究者とメールで議論に議論を重ねて書き直した分もやっぱりダメ。雑誌のランクを落としてもダメ。研究というのは論文が雑誌に載ってナンボのものなので,たとえどんなすごい研究であっても雑誌に採用されなければ無に等しいのよねー。
帰国して半年ぐらいまではこの数編の論文と格闘してましたが...
自分の能力のなさを思い知らされて,次第に気持ちが擦り切れてきました ヽ(`Д´)ノ ちくしょー
しかも毎日毎日仕事は超多忙。朝メシ食わずに仕事行って,昼メシも食わないまま夜10時ごろまで仕事,家帰ったら日付変わってたよ,とかも珍しくなくて。自分が起したわけでもないトラブルにも多々巻き込まれて。
いったい何のためにあんなに苦労して留学したのか...
いろんな人から応援してもらったり助けてもらったりしたのに,何の成果も出せないなんて...
ふがいない自分が,ホントに情けなく感じられます。
もうイヤだ,こんな生活。もうイヤだ,こんな自分。
もうやめよう,研究なんて。才能ないし。センスないし。頭悪いし。
こういう時は酒ですよ。ヽ(`Д´)ノ おらー
飲んで飲んで飲まれて飲んで,静かに眠るんですよ。
でも。
毎日毎日ヤケ酒かっくらって,身体はデブデブ太ってくるし,肝機能は悪くなるし。
運動不足で身体はガタガタだし。
しまいにゃ尿管結石で悶絶するほどの痛みに見舞われるし。
結局,留学するところまでは夢がかなったわけですが,その後はことごとく夢破れ,自信を失い,すっかりいじけてしまって,ヤケクソになってたんですな。心身ともにぐったりして,まさに「老人」的なヨボヨボの状態になってました。まるで80歳ぐらいな心境。
毎朝満員電車でクチャクチャにされながら出勤する時なんか,もう心底何もかもイヤになって,通過する電車に飛び込んでやろうかい,なんてバカなことを考えたことも。いや,もちろん嫁さん子供がいますから,実行には移しませんがね f(^-^;)。
......
そんなウツウツした日常を送っていたおとーさんの前にインテ・タイプR「不惑号」が現れました。
(σ゚д゚)σ こ,これだ!
おいらにはこれがあったんだ!
思えばもう20年近く前,峠を走り始めた時もインテだったなあ。
SWではずいぶんがんばったけど,結局4位にまでしかなれなかったよなあ。悔しかったなあ。
子供ができてSWを手放す時,「いつかきっとまた競技に復帰する」って誓ったよなあ。
留学先でも,「いつかまた走るぞ」って思いながら,WRCのTV見たり雪道走り込んだりしてたよなあ。
様々な情景,様々な想いが一気に蘇ってきて。
そうだ,こいつと,インテと一緒ならおとーさん,まだまだ元気に生きていけるぞ!
たかだか40歳でヘタってしまってどうする!
...ってなカンジで。おとーさん,すっかり生き返ってしまって。
まさにオヤヂ再生 ( ̄ー ̄) にやり
その後のストーリーはこのサイトの日記を順に読んでいただければ分るはず。
今じゃおとーさん,別名 ちょろまっちょ ですから(笑)。
このサイトの副題に(副題なんてあったのか ---かつてはあったんです---笑)「オヤヂ再生」と掲げているのは,こんな風にモータースポーツを通じて,できるだけ多くのヘタりかけてるおとーさんに生き返って欲しいという想いをこめてのこと。かつて青春を「走り」にかけていたのが,今はすっかり燃え尽き,疲れ果てて「老人」の域に足を片方踏み入れてるおとーさんは多いはず。
もう一度,走ろうよ。
おとーさん,今週末も走りに行きます。
もう今からワクワク。
こんな気持ちは「走り」でしか味わえません。
さあ,そこのおとーさん,一緒に走りませう!
しなびた日常におさらばして,一緒にちょろまっちょの道を進みませう(ちが
そして...
...もう一度,あの論文書き直して投稿して見よ (*'-')
またそんな気になってきた,今日この頃です。
P.S.
最近,とっても楽しいニュースを見かけました。
暴走族 30過ぎてもやめられん 進む高齢化 19歳以下は半減
(gooニュース--産経新聞 2005/5/19)
ここにもまた,ちょっと違うけど「オヤジ再生」が(笑)。
何でも37歳とか48歳とかで検挙されたツワモノもいるとか。
気持ちはよーく分かるんだけど...ハタ迷惑な走り方はやめて欲しいな,と。大人のオヤジが走るんなら,やはりキチンとモータースポーツでしょ。
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