クネクネしよう! 〜G6ファインアートラウンド〜
ジムカーナ公式戦の世界を去り,メインの活動をサーキットに移した不惑おとーさんですが,ジムカーナそのものが嫌いになったわけじゃない。楽しく走れるイベントにはスケジュールの許す限り参加したい...
ということで,年に1回のジムカーナイベントになってしまいましたが,G6ジムカーナ・ファインアートラウンド@名阪Cコースに参加してまいりました。
自分自身はジムカーナを走るのもサイドを引くのも昨年末の練習会以来という状態。周囲は去年まで地区戦を一緒に戦ってた現役ドライバー達,ミドルでめきめき力を付けて来ている若手達,中部からの刺客,G6の上位常連ドラなど錚々たるメンバー。とうてい敵うわけもないわけですが,
「普段いろいろな職業を持って忙しく働いているオッサン達が,たまの日曜日,それぞれ思いのこもった愛車を持ち寄って腕とクルマを競い合う」
そんなオフ会感覚のイベントを求めての参加ですから,勝つためにガツガツすることもありません。楽しく行きましょう。
デミ助もサーキット仕様のまんまです。前後の足回りも,ブレーキも,リアのブレーキシューすらサーキット用のまんま。
お前ナメてんな,と言われそうですが,その分,吸排気系チューンのおかげでジムカーナPN,S1500仕様のクルマよりはパワーが出てますし,軽量化も進んでます。まあ差し引きすればジムカーナでの戦闘力はジムカーナ仕様のクルマとトントンっていうところでしょう。
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予定通り6時半前に名阪スポーツランドに到着。
参加台数131台の超フルグリッドのため,普段はオフィシャル車両の駐車スペースや車検場になる場所がFF1クラスのパドックとして指定されてます。
みんな気が早い。既にほとんどのグリッドにカラフルな競技車両が停まってます。周りは昨年まで地区戦や練習会を一緒に走ってた現役ジムカーナドライバーばかり。今年になってから初めて会う人が多く,「お久しぶり〜」とあいさつを交わします。
コースは既にネット上で発表されてますが,改めて実際の名阪Cコースとコース図を見比べてみると,予想以上にクネクネしたコース展開でストレートらしいストレートが全くない。クルマのパワー差の出にくい,腕で勝負の好コースです。サーキット仕様のデミ助にとってアドバンテージはほとんどありません。腕で勝負上等,いいじゃん,こういうの(笑)。
アナウンサーはG6シリーズの名物アナ,バミューダさん。まったりとしたお声とノリのいい軽妙なトークのコントラストが絶妙。イベント進行のアナウンスにもぬかりはありません。
慣熟歩行に,ドラミに,あっという間にタイスケは進み,早速練習走行が始まります。G6は朝一番に練習走行できるのがうれしい。地区戦や全日本のように泣いても笑っても2本だけ,っていうのもいいけど,普段は全く練習できない仕事の忙しいオッサンには3本走らせてもらえるのはすごくありがたい。初心者の人にとっても3本走れることには大きなメリットがあるだろうし。
マフラーから結界(サイレンサー)を外し,ちょっと恥ずかしいぐらいの爆音を放ちながらデミ助が走り出します。ああ,名阪Cコースを走るのは昨年の地区戦最終戦以来半年ぶりやなあ。
フロントの3分山R1Rは思ったよりも路面をしっかりとらえており,がっつりトラクションがかかってます。しかし,最初のパイロンを右に浅く回るところは突っ込み過ぎでアンダー出た上にサイドが不発。かなりの大回りになってしまいます。
その後も荒っぽい操作でタイムをぽろんぽろん落としながらの走行。まあ,ジムカーナ久しぶりだからこんなモンでしょ(笑)。
しかし意外なことに練習走行のタイムはおとーさんがFF1クラスでトップ。あ,あれ〜???
周囲の状況を確認すると,上位常連のドライバーさん達が2名乗車で走ってたり,本番タイヤと違うタイヤを履いてたり,練習走行ということでみんな三味線を弾いてたみたい。なるほどね。
まあでも気分は悪くない。意外とサーキット仕様のクルマでも走れるじゃん,一応勝負になってるじゃん。
全部で131台ですからみなが走り終わるのに結構時間がかかります。しかし今回は我がクラブ,TEAM WIZARD OF SLALOMからはクラブ員8人という大量エントリーで,みなの走りを観戦してても飽きません。
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なんて言ってるうちにもう本番1本目が始まります。
慌ただしくタイヤのエア圧などを調整して,スタート待ちの列にデミ助を並べます。
この半年サーキットばかり走ってるおとーさんとデミ助が,このクネクネのコースでどれくらい勝負できるか。現役のジムカーナドライバーに太刀打ちできるのか。胸はちょっとドキドキ。でもワクワクする。楽しい。とてつもなく楽しい。
またしてもマフラーから野太い咆哮を放ち,タイヤからはスキール音を発してデミ助が走り出します。
さあ,最初の右ターン...ありゃ,やっぱり失敗(笑)。さすがにサーキット仕様のリアシューじゃ,ちょん引きサイドなんてできないか。
中間のクネクネ部分を失速しないようにしっかり走り,真ん中の島回りはしっかりリアを動かし,フロントはトラクションを意識して駆け抜けます。
さあ,タイムは...
練習走行からコンマ7秒上げて...ありゃ,まだ1位だ。
しかしさすがにみな歴戦のドライバー,ライバル達はおとーさんからコンマ数秒以内に詰め寄ってきてます。ほとんど差はありません。しかもまだ2名乗車で走ってる上位ドライバーがいるので,2本目はおとーさんも大きくタイムを上げないと逆転必至。
最初の右ターンのミスで0.5秒,イトウ工業コーナーの島回りの入りで0.3秒,クネクネで0.3秒...ミスってるところを修正すればおそらくあと1秒ぐらいは詰められるはずだけど,サーキットと違って操作が超忙しいジムカーナで,しっかりミスを修正してタイムを詰めるのは,今のおとーさんには至難の業。
まあ,やるだけやってみるか〜
やおら工具箱からソケットとラチェットを取り出し,サイドブレーキのレバーを詰めます。い,今まで詰めてへんかったんかい! なめてんか,オマエ!
お気楽です(笑)。あくまでお気楽です。
お昼にはG6ファインアートラウンド名物「焼きそば」をはむはむ食べながら,クラブ員やライバルのみんなとクルマ談義に花が咲きます。AZUR星人さんとも久々にお会いすることができ,次回の仕様変更についてお話をうかがいます。
時おり吹く風はまだ山の冷気をはらんで涼しく,高い青空では雲雀が気持ちよさそうにさえずっています。ああ,気持ちの良いお天気。
天気はいいし,メシは美味いし,クルマの運転は楽しいし,友達はいいヤツばっかだし,とりあえず暫定1位だし,ホント最高!
これこそジムカーナだな。
別にミドルや地区戦がダメってわけでもないけど,公式戦だけがジムカーナじゃないんだな。
こんな楽しいジムカーナだったらまた走りたいな。
さあ,お昼の慣熟歩行が済んで,いよいよ本日のラスト,本番2本目の走行が始まります。
タイヤのエアを調整,リアをちょっとジャッキアップしてもう一度サイドの効きを確認(朝からやっとけよ)。さあ,スタート待ちの列に並びましょう。
またちょっと胸がドキドキしてきました。でもワクワクするような楽しい気持ちは変わりません。地区戦でもこれぐらい楽しい気持ちで走れたら,結果ももうちょっと違ってきたかもしれないのになあ(笑)。
※撮影:ももさん Special Thanksです!
気持ち良く,でも一生懸命走りました。精一杯クネクネ走りました。
最初のターンは何とか回ったものの,立ち上がりでもたついて結局失敗ターン(笑)。
イトウ工業コーナーの島回りの入りや中間のクネクネは1本目よりは修正されました。しかし,大幅なタイムアップはできず,結局最初のターンの失敗と相殺して1本目よりわずか0.1秒アップに止まりました。
そして予想通り,周囲のライバル達に逆転され,順位は5位に転落〜 ┐(´∇`)┌ ヤレヤレ
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いや〜,でもね。本当に楽しかった。
あれ? ジムカーナってこんなに楽しいモンだったっけ? っていうぐらい。
普段いろいろな仕事で忙しく働いてるオッサン達,おにーさん達(おねーさん達も含)が,たまの日曜日にそれぞれの愛車を持ちより,自分の腕とクルマを競い合う。
新しいクルマあり,旧車あり,ほとんど純正仕様あり,ストリート仕様あり,サーキット仕様あり,もちろんガチのジムカーナ車両あり。現役ジムカーナドラあり,サーキット野郎あり,峠野郎もあり。共通項は「クルマ好き」,これだけ。
こういう種々雑多なクルマが,あまりカリカリせずに楽しく競い合う。
サーキット仕様のクルマで細いクネクネコースをアンバランスに激走する。
これだ,これだよ,っていうぐらい,こういうイベントが今の自分には合ってると思う。
「ジムカーナって楽しい」
もう年々も忘れかけてた楽しさを思い出すことができました。
こんな素敵なイベントを開いてくれたファインアートのみなさん,G6関係者のみなさん,オフィシャルのみなさん,そして一生懸命イベントを盛り上げてくれたバミューダさん,一緒に走ってくれた参加者のみなさん,この拙いサイトを楽しみにして下さっている読者のみなさん...みなさんに感謝したいと思います。ありがとうございました。
さあ,そしていよいよ明日,5月5日は,不惑おとーさん&デミ助の記念すべき草レースデビュー@セントラルサーキットの日です。
ついさっきまでブレーキダクトを引くのに苦労,苦労 (;・∀・)
ということで,今日はそろそろ寝ま〜す。おやすみなさい。