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2011年 > 8月21日
山へ行こう 〜その1〜
昨年亡くなったウチのオヤジはいわゆる「山男」でした。
若い頃にはインドやヒマラヤにまで遠征し,帰って来ては紀行文を書いてせっせと山岳雑誌に投稿し,それが掲載されるのを楽しみにしてたという山岳ライター気取りのちょっとスカしたオッサンでした(笑)。
したがってその長男として生まれたおとーさんも山へ連れて行かれるのが宿命。ボクサーの子はボクサーに,レーサーの子はレーサーに,山男の子は山男に。
ヨチヨチ歩きができるようになるともう六甲山だとか比叡山だとかに(歩いて)登らされ,小学生ぐらいになると親父の山行きの格好のダシにされ,身体の幅から大きくはみ出したデカい横長のザックをかつがされ,3000m級の山にもちょいちょい連れて行かれました。ええもう,小学生がいきなりの3000m,高山病で死にそうになりましたよ(汗)。
ボーイスカウトにも入らされましたのでアウトドアやサバイバルについてもいろいろカジりましたし,中学生になるとロッククライミングの基礎も仕込まれました。おとーさんが親の言うことを素直に聞くおとなしい子供であったなら,そのまま高校からワンダーフォーゲル部に入り,大学は山岳部で...という,立派な山男養成コースを歩んでいたと思われます。
しかしおとーさんもオトコ。
黙って父親の後ばっか歩いてられるか。
そういう反発もあったのか,高校に入った頃から山には一切行かなくなりました。だってクラブは吹奏楽,家に帰ればバンド活動と,音楽に明け暮れる生活。山になんか行く時間もないし。大学に入っても山岳部やワンダーフォーゲルには決して近寄らず,オケや軽音で音楽三昧の毎日。そしてそこに「クルマ」が加わりました。
わざわざ歩いて山に登るなんでバカじゃねえか。山はクルマで楽しく走りに行く所。
これが若き日のおとーさんの認識。
しかし「クルマは環境汚染の第一歩」と言い切り,生涯を通じて免許を取らずクルマを持たず,○○ドライブウェイとか○○スーパー林道とかをゴルフ場とともに自然破壊の典型としてよく槍玉に挙げていたウチの父親から見れば,クルマで峠を攻めに行くなどは言語道断の悪行。
ナチュラリスト気取りのスカしたクソ親父に極悪非道の自然破壊息子。
父子に全く妥協の余地はありません。
かくしてお互い山が大好きな父子なのにそれ以来決して一緒に山に行くことはなく,そのまま父親は亡くなってしまいました。健脚自慢だった父親も晩年はさすがに足が弱ってクルマの有難さを身にしみて分かってたと思いますし,おとーさんも最近になって今さらながら山岳小説にはまるなど歩み寄りの余地はあったんですがね...弟とも「一度オヤジを連れて山に行こう」と言ってた矢先の死でした。
・・・・・・
お盆休みの初日にオヤジの墓参りを済ませ,次の日は朝4時に起きてさあ出発。
この夏の家族旅行の行き先は,黒部立山,そして上高地,美ヶ原。ウチのオヤジの愛してやまなかった日本アルプス周遊の旅。別にオヤジを意識したわけではなく,何年か前から候補に上がっていた地なんですが,図らずもオヤジの鎮魂の旅になりました。
走り出して間もなく嫁さんガキどもはぐーぐー寝てしまい,オッサン一人が黙々とステアリングを握るいつもの構図に。愛用のハーレーブランドのグラサンをかけ,ちょうど昇ってきた朝日に対峙するようにゴルフ・トゥーランをひたすら東に東に130ピー km/hで走らせます。
実はこのトゥーラン君とも今回が最後の旅。10月には次のクルマに買い替えが決まってます(何に乗り換えるのかはまた後日のdiaryでね)。しっかりお仕事してもらいましょう。
もう世の中はお盆に突入しているため輸送トラックなどお仕事車はあまり走っておらず,周囲はウチ同様,眠りこけた家族を乗せてオッサンがひた走るミニバンやSUVばかり。交通量は多いものの大した渋滞もないまま中央道に入り,進路は北へ。山へ。
中央道に入るとワインディグが増え,アップダウンも大きくなって,高速道路とはいえ道はちょっとした峠の雰囲気に。このゴルフ・トゥーラン君,小排気量の1.4リッターエンジンながらVWお得意のツインチャージャーのおかげで170ps,トルク24.5kg・mをしぼり出し,かなりのヒルクライムでも1600kgの車体をぐいぐい引っ張り上げてくれます。それでも燃費は悪くないし,ステアリングも正確無比だし,ブレーキもがっつり利きます。まさに「質実剛健」という言葉がぴったりくる良いクルマです。確かに良いクルマです。
ただ...ゼイタクな話ですが...面白くない。なんか「色気」がない。
ツインチャージャーの出力特性は極めて滑らかで,どこでメインの過給が切り替わっているのかすら分からないぐらい。「S/Cとターボの両方がついてる」なんて言われなければ素人では気がつかないでしょう。でも逆に言えば過給エンジン独特の「湧き上がるような」パワー感もないし,高回転型エンジンの官能性もない,平凡な「実用的」エンジンになっちゃってる。
それに,さすがに乗り始めの頃ほどではなくなりましたが足回りはかなり硬くゴツゴツ感があります。誰が乗っても「硬いな」と感じる足でしょう。でもそのくせブレーキングしながらコーナーに入る時の車体の挙動はやはりミニバンで,本当にスポーティーな走りをしようと思うと,大きなピッチングやロールを覚悟の上での走りになります。
DSGでの変速は確かにスムースで,パドルシフトをパカパカ上げ下げするのはとても楽しいのですが,スムース過ぎて正直ATと何ら変わりはありません。しかしながらスタート時にはどうしてもゴツンとくるショックがありますし,これなら別にトルコンATで良かったんじゃないかと思えてしまいます。
そして最もおとーさんにとって不都合なのが,ブレーキペダルに一定以上の踏力をかけると自動的に燃料がカットされる制御が入ること。しかもこの制御が開放されるのに1秒程度のタイムラグがある。おそらく少しでも燃費を絞り上げるアイデアの一つなんでしょうが,2ペダル車では左足ブレーキを常用してるおとーさんにとっては,ブレーキペダルに足をかけたままで素早くスロットルを踏み抜く,ということができず,結構なストレスになります(笑)。
いや,ゼイタクな話ですよ。
クルマ自体は極めて真面目に練り上げられた良いクルマです。
ただ,このクルマの目指す方向が,おとーさん個人がクルマに求めるモノと微妙に食い違ってる。メーカーがクルマを作る際に,デザイナーやエンジニアはいろいろなところで妥協を強いられるでしょう。でもおとーさんが「ここだけは妥協しないで欲しい」というところで大きく妥協されて,「ここは妥協してもいいかも」というところに重点を置かれてるような,そんなチグハグ感ですね。クルマの基本的な出来が良いだけに,よけいに残念に感じます。
そういう個人的なワガママ勝手を言う生意気なヤツはさっさとクルマ乗り換えろよ,と言われるでしょう(笑)。分かってます。それがゼイタクにも1回目の車検でこんな良いクルマを乗り換えちゃう理由だってことです。
まあ,やっぱりクルマもオンナも大事なのは「色気」だよなあ...
助手席で眠りこける嫁さんをチラッと一瞥しながらそんなチョー危険なセリフをつぶやいてみるおとーさんなのでした(笑)。じゃオマエには男の色気があるのか,とかいいっこなし。極めて実用的な男ですよ,おとーさんは(笑)。
・・・・・・
そうこう言ってるうちにもトゥーラン君は健気に真面目に走ってくれておとーさん一家を信州の地まで運んでくれました。まだ朝靄の漂う諏訪湖を右手に見ながら岡谷インターを下り,国道20号線と142号線を経由して和田峠へ向かいます。
トンネルだらけの国道から大きく左に折れて有名なビーナスラインに入ると道はすぐに「峠」モード全開。下の写真のような高原を爽やかなワインディングが走り抜けています。所々で道はつづら折りになり,その高速セクションとタイトコーナーのバランスはまるでゲームに出てくる"touge road"のよう。
気温も下界より5℃は低く,窓を全開にして走ると顔に当る風が実に気持ちイイ。時おりガスがかかるが,これも下界から見ると雲の高さ。
途中から道はいろは坂のような激しいつづら折で山肌を駆け上がり,一気に標高2000mの世界まで突き抜けます(→美ヶ原高原公式サイト)。
※画像をクリックすると大きい画像を表示します
ビーナスラインを上りきったところには美ヶ原高原美術館があり,あたり一帯に現代アートの大きなオブジェが散在しています(→美ヶ原高原美術館公式サイト)。
※画像をクリックすると大きい画像を表示します
...しかし驚いたのは高原の爽やかな空気でも,手が届きそうに近く感じる青い空でも,目の前を飛び交うトンボ達でもなく...クルマと人の多さ。
お昼に近づくにつれクルマと2輪がどんどん増えてきて,せっかくの峠道も,途中からクルマと2輪の集団がつながって列になってしまい,ぶーぶーぶいぶい排気ガスを撒き散らしながら,みんなぞろぞろ低速で登っていくことに。登っていくクルマも,既に下りてくるクルマもものすごい台数です。ひっきりなしに排気ガスを浴びせられる路傍の草木も心なしか萎れて見えます。
ああ,ウチのオヤジのしかめっ面が目に浮かびます。
「自然破壊の最たる光景だ」と言うでしょう。
しかし自分自身もクルマをぶいぶい言わせてここまで登ってきているわけですから何も言い訳はできません。すんません。
クルマを下りても,ぞろぞろ歩く人の列にいささかげんなりした気分になり,高原散策は諦めて白樺湖まで下りることに。
しかしここも人・人・人。
まあお盆休みの真っ只中だからしょうがないか... (´・ω・`)
どことなく寂しげな赤とんぼ(画像をクリックすると大きい画像を表示します)
ビーナスラインをもう一度引き返し,松本市内に向かいます。もう早めにホテルにチェックインしてしまってゆっくり温泉にでもつかりましょう。
宿は松本市内の東部にある美ヶ原温泉。ちょっと古めの温泉ホテルですが設備はきれいにリニューアルされており快適です。泉質はクセのないさらっとしたお湯。食事もまあまあ。そして有名な地ビール「穂高」はサイコー! 子供らにはジュースを飲ませておいて(笑)嫁さんとカンパイです。
さあ,明日はいよいよ日本の山男の聖地,上高地です。
気合を入れながらさっさと寝てしまいましょう。
<山へ行こう その2 につづく>
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山へ行こう 〜その1〜
昨年亡くなったウチのオヤジはいわゆる「山男」でした。
若い頃にはインドやヒマラヤにまで遠征し,帰って来ては紀行文を書いてせっせと山岳雑誌に投稿し,それが掲載されるのを楽しみにしてたという山岳ライター気取りのちょっとスカしたオッサンでした(笑)。
したがってその長男として生まれたおとーさんも山へ連れて行かれるのが宿命。ボクサーの子はボクサーに,レーサーの子はレーサーに,山男の子は山男に。
ヨチヨチ歩きができるようになるともう六甲山だとか比叡山だとかに(歩いて)登らされ,小学生ぐらいになると親父の山行きの格好のダシにされ,身体の幅から大きくはみ出したデカい横長のザックをかつがされ,3000m級の山にもちょいちょい連れて行かれました。ええもう,小学生がいきなりの3000m,高山病で死にそうになりましたよ(汗)。
ボーイスカウトにも入らされましたのでアウトドアやサバイバルについてもいろいろカジりましたし,中学生になるとロッククライミングの基礎も仕込まれました。おとーさんが親の言うことを素直に聞くおとなしい子供であったなら,そのまま高校からワンダーフォーゲル部に入り,大学は山岳部で...という,立派な山男養成コースを歩んでいたと思われます。
しかしおとーさんもオトコ。
黙って父親の後ばっか歩いてられるか。
そういう反発もあったのか,高校に入った頃から山には一切行かなくなりました。だってクラブは吹奏楽,家に帰ればバンド活動と,音楽に明け暮れる生活。山になんか行く時間もないし。大学に入っても山岳部やワンダーフォーゲルには決して近寄らず,オケや軽音で音楽三昧の毎日。そしてそこに「クルマ」が加わりました。
わざわざ歩いて山に登るなんでバカじゃねえか。山はクルマで楽しく走りに行く所。
これが若き日のおとーさんの認識。
しかし「クルマは環境汚染の第一歩」と言い切り,生涯を通じて免許を取らずクルマを持たず,○○ドライブウェイとか○○スーパー林道とかをゴルフ場とともに自然破壊の典型としてよく槍玉に挙げていたウチの父親から見れば,クルマで峠を攻めに行くなどは言語道断の悪行。
ナチュラリスト気取りのスカしたクソ親父に極悪非道の自然破壊息子。
父子に全く妥協の余地はありません。
かくしてお互い山が大好きな父子なのにそれ以来決して一緒に山に行くことはなく,そのまま父親は亡くなってしまいました。健脚自慢だった父親も晩年はさすがに足が弱ってクルマの有難さを身にしみて分かってたと思いますし,おとーさんも最近になって今さらながら山岳小説にはまるなど歩み寄りの余地はあったんですがね...弟とも「一度オヤジを連れて山に行こう」と言ってた矢先の死でした。
・・・・・・
お盆休みの初日にオヤジの墓参りを済ませ,次の日は朝4時に起きてさあ出発。
この夏の家族旅行の行き先は,黒部立山,そして上高地,美ヶ原。ウチのオヤジの愛してやまなかった日本アルプス周遊の旅。別にオヤジを意識したわけではなく,何年か前から候補に上がっていた地なんですが,図らずもオヤジの鎮魂の旅になりました。
走り出して間もなく嫁さんガキどもはぐーぐー寝てしまい,オッサン一人が黙々とステアリングを握るいつもの構図に。愛用のハーレーブランドのグラサンをかけ,ちょうど昇ってきた朝日に対峙するようにゴルフ・トゥーランをひたすら東に東に130ピー km/hで走らせます。
実はこのトゥーラン君とも今回が最後の旅。10月には次のクルマに買い替えが決まってます(何に乗り換えるのかはまた後日のdiaryでね)。しっかりお仕事してもらいましょう。
もう世の中はお盆に突入しているため輸送トラックなどお仕事車はあまり走っておらず,周囲はウチ同様,眠りこけた家族を乗せてオッサンがひた走るミニバンやSUVばかり。交通量は多いものの大した渋滞もないまま中央道に入り,進路は北へ。山へ。
中央道に入るとワインディグが増え,アップダウンも大きくなって,高速道路とはいえ道はちょっとした峠の雰囲気に。このゴルフ・トゥーラン君,小排気量の1.4リッターエンジンながらVWお得意のツインチャージャーのおかげで170ps,トルク24.5kg・mをしぼり出し,かなりのヒルクライムでも1600kgの車体をぐいぐい引っ張り上げてくれます。それでも燃費は悪くないし,ステアリングも正確無比だし,ブレーキもがっつり利きます。まさに「質実剛健」という言葉がぴったりくる良いクルマです。確かに良いクルマです。
ただ...ゼイタクな話ですが...面白くない。なんか「色気」がない。
ツインチャージャーの出力特性は極めて滑らかで,どこでメインの過給が切り替わっているのかすら分からないぐらい。「S/Cとターボの両方がついてる」なんて言われなければ素人では気がつかないでしょう。でも逆に言えば過給エンジン独特の「湧き上がるような」パワー感もないし,高回転型エンジンの官能性もない,平凡な「実用的」エンジンになっちゃってる。
それに,さすがに乗り始めの頃ほどではなくなりましたが足回りはかなり硬くゴツゴツ感があります。誰が乗っても「硬いな」と感じる足でしょう。でもそのくせブレーキングしながらコーナーに入る時の車体の挙動はやはりミニバンで,本当にスポーティーな走りをしようと思うと,大きなピッチングやロールを覚悟の上での走りになります。
DSGでの変速は確かにスムースで,パドルシフトをパカパカ上げ下げするのはとても楽しいのですが,スムース過ぎて正直ATと何ら変わりはありません。しかしながらスタート時にはどうしてもゴツンとくるショックがありますし,これなら別にトルコンATで良かったんじゃないかと思えてしまいます。
そして最もおとーさんにとって不都合なのが,ブレーキペダルに一定以上の踏力をかけると自動的に燃料がカットされる制御が入ること。しかもこの制御が開放されるのに1秒程度のタイムラグがある。おそらく少しでも燃費を絞り上げるアイデアの一つなんでしょうが,2ペダル車では左足ブレーキを常用してるおとーさんにとっては,ブレーキペダルに足をかけたままで素早くスロットルを踏み抜く,ということができず,結構なストレスになります(笑)。
いや,ゼイタクな話ですよ。
クルマ自体は極めて真面目に練り上げられた良いクルマです。
ただ,このクルマの目指す方向が,おとーさん個人がクルマに求めるモノと微妙に食い違ってる。メーカーがクルマを作る際に,デザイナーやエンジニアはいろいろなところで妥協を強いられるでしょう。でもおとーさんが「ここだけは妥協しないで欲しい」というところで大きく妥協されて,「ここは妥協してもいいかも」というところに重点を置かれてるような,そんなチグハグ感ですね。クルマの基本的な出来が良いだけに,よけいに残念に感じます。
そういう個人的なワガママ勝手を言う生意気なヤツはさっさとクルマ乗り換えろよ,と言われるでしょう(笑)。分かってます。それがゼイタクにも1回目の車検でこんな良いクルマを乗り換えちゃう理由だってことです。
まあ,やっぱりクルマもオンナも大事なのは「色気」だよなあ...
助手席で眠りこける嫁さんをチラッと一瞥しながらそんなチョー危険なセリフをつぶやいてみるおとーさんなのでした(笑)。じゃオマエには男の色気があるのか,とかいいっこなし。極めて実用的な男ですよ,おとーさんは(笑)。
・・・・・・
そうこう言ってるうちにもトゥーラン君は健気に真面目に走ってくれておとーさん一家を信州の地まで運んでくれました。まだ朝靄の漂う諏訪湖を右手に見ながら岡谷インターを下り,国道20号線と142号線を経由して和田峠へ向かいます。
トンネルだらけの国道から大きく左に折れて有名なビーナスラインに入ると道はすぐに「峠」モード全開。下の写真のような高原を爽やかなワインディングが走り抜けています。所々で道はつづら折りになり,その高速セクションとタイトコーナーのバランスはまるでゲームに出てくる"touge road"のよう。
※画像をクリックすると大きい画像を表示します |
気温も下界より5℃は低く,窓を全開にして走ると顔に当る風が実に気持ちイイ。時おりガスがかかるが,これも下界から見ると雲の高さ。
途中から道はいろは坂のような激しいつづら折で山肌を駆け上がり,一気に標高2000mの世界まで突き抜けます(→美ヶ原高原公式サイト)。
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ビーナスラインを上りきったところには美ヶ原高原美術館があり,あたり一帯に現代アートの大きなオブジェが散在しています(→美ヶ原高原美術館公式サイト)。
※画像をクリックすると大きい画像を表示します
...しかし驚いたのは高原の爽やかな空気でも,手が届きそうに近く感じる青い空でも,目の前を飛び交うトンボ達でもなく...クルマと人の多さ。
お昼に近づくにつれクルマと2輪がどんどん増えてきて,せっかくの峠道も,途中からクルマと2輪の集団がつながって列になってしまい,ぶーぶーぶいぶい排気ガスを撒き散らしながら,みんなぞろぞろ低速で登っていくことに。登っていくクルマも,既に下りてくるクルマもものすごい台数です。ひっきりなしに排気ガスを浴びせられる路傍の草木も心なしか萎れて見えます。
ああ,ウチのオヤジのしかめっ面が目に浮かびます。
「自然破壊の最たる光景だ」と言うでしょう。
しかし自分自身もクルマをぶいぶい言わせてここまで登ってきているわけですから何も言い訳はできません。すんません。
クルマを下りても,ぞろぞろ歩く人の列にいささかげんなりした気分になり,高原散策は諦めて白樺湖まで下りることに。
しかしここも人・人・人。
まあお盆休みの真っ只中だからしょうがないか... (´・ω・`)
どことなく寂しげな赤とんぼ(画像をクリックすると大きい画像を表示します)
ビーナスラインをもう一度引き返し,松本市内に向かいます。もう早めにホテルにチェックインしてしまってゆっくり温泉にでもつかりましょう。
宿は松本市内の東部にある美ヶ原温泉。ちょっと古めの温泉ホテルですが設備はきれいにリニューアルされており快適です。泉質はクセのないさらっとしたお湯。食事もまあまあ。そして有名な地ビール「穂高」はサイコー! 子供らにはジュースを飲ませておいて(笑)嫁さんとカンパイです。
さあ,明日はいよいよ日本の山男の聖地,上高地です。
気合を入れながらさっさと寝てしまいましょう。
<山へ行こう その2 につづく>
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