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2009年 > 11月14日
全国S1500クラスの現状とマフラー問題
11月になりライセンスの更新が始まってます。みなさんもう更新は済みましたか?
ネット上で簡単に更新できるようになったのでなるべく早い目に更新をしてしまいましょうね。おとーさんも今年はネット上でさくっと済ませました(JAFのサイトから「マイページ」の登録をして案内にそって進みます)。
更新が遅くなって何もいいことはありません。クラブの事務局が混乱するだけですので,とにかく早い目の更新を心がけましょう。これもスポーツマンシップの一つですよ。
...といいつつ,毎年確定申告のシーズンになると馴染みの税理士さんから何度も「遅くなって何もいいことはないですよ。早く(申告を)済ませましょう」とメールをいただくおとーさんなのですが。わはははは...f(^-^;)。
ライセンスの更新が始まると同時に,いよいよ各地区とも来年のシリーズのクラス区分や車両規定なんかの詰めの作業に入ってます。おとーさんも初めてJMRCの一員としてシリーズの裏方の仕事を手伝わせていただいてます。
シリーズで走らせてもらう側として,これまで好き勝手言ったり書いたりしてきたおとーさんですが,自分がシリーズの裏方の仕事に関わるようになると,これまで知らなかったことも耳に入るし,これまで見えなかったモノが見えてくるし,自分がいかに無知なままアホーなことを言ってたかが分かって赤面することばかり。
今さらながらJMRCや各主催者の方達の苦労が分かってきて,自分がいかに大変な世界に足を踏み入れたのかがジワジワ実感されてきます。
でもクルマが好きで,ジムカーナという競技が好きなことには変わりない。
これまで通り,素人目線でもって素朴な意見を言えるようなおとーさんでありたいと思います。
・・・・・・
さて,先日のJAFカップで初めて全日本級の競技会にもデビューしたS1500クラス。
デミオやヴィッツ,フィット,コルト,マーチ,スイフトなどいわゆる「お買物車」で,かつ圧倒的に低コストながら,他のクラスに負けず,いやひょっとするとそれ以上にジムカーナ競技をがっつり楽しめる車両クラスとして全国に広がりつつあります。
※若者からオッサンまで思い思いのスタンスで楽しめるS1500クラス。S1500って
何じゃい? っていう方は「お買物車でモータースポーツしよ! S1500ノススメ」を
参照して下さいね ( '-^*)
ただ,現在のところ日本のモータースポーツの「政府」であるJAFが,ラジアルタイヤを使うクラスを正式な競技クラスとして認めないため,各地のS1500クラスにはJAFのタイトルはかかっておらず,先日のJAFカップでも「併催クラス」としてあくまでもエキシビジョン的な扱いでした。
むしろJAFはS1500を否定するかのごとく,S1500と同じように改造を大きく制限し年式制限をつけたPNクラスというのを今年度の途中から新設しました。しかしこれはSタイヤを使う車両規定である上,このタイヤサイズに「純正サイズ以外は一切ダメ」という制限がついているため,S1500に相当するPN1クラスには全くエントリーがなかったというのは皆さんご存知の通り。
...しかし来年はどうなるんでしょうか?
PN1クラス向けにいくつかのメーカーが純正サイズのSタイヤを出してくる,という噂もあります。
現時点では誰もPN1クラスにエントリーしないため,全日本のPN1クラスでもラジアルタイヤで出れば勝てるんじゃないか,なんて声も聞きます。
っつーか,現在のPN車両規定でも純正サイズで唯一Sタイヤの存在するスイスポが,来年の全日本PN1クラス参戦に向けて数台既に出来上がってる,という噂もあります。
PN1クラスに出るなとは決して言わない(笑)。
低コストでジムカーナを楽しめるクラスが全日本にできたこと自体はとても良いこと。
「悲運なクルマ」「遅れてきたテンロクスポーツ」と呼ばれてきたスイスポにジムカーナで活躍の場が与えられたのも,これはこれで良いこと。
でも...どうなるS1500クラス。
いくらがんばっても全国級にはなれない頭打ちのクラスとして廃れてしまうのか。それとも?
...ということで,S1500クラスの今後を考えるためにも,とりあえず現時点(2009年11月)で,S1500クラスを中心とした,全国のラジアルタイヤで走るコンパクトカークラスの状況を調べてみました。下の表をご覧下さい。
※この表は2009年11月時点での内容です。各地区のクラス区分や車両規定,参加動向は現在と異なるものです。ご注意下さい。
各地区のJMRCのサイト(表中でリンク貼ってます)や「ジムカーナの競技会結果」さんのデータを基に手計算で集計してますので,間違いがあったらご指摘下さい。
「平均台数」というのは2009年の各大会毎におけるこのクラスの平均エントリー台数です。また「占有率」というのは各大会毎の全クラスエントリー数に占めるこのクラスの割合です(2009年シリーズ)。「開始年度」というのはこのクラスが初めて設けられた年度です。「2010年」と書いてあるのは来年度から開催予定のクラスですな。
一番下の九州と全日本はSタイヤで走るクラスなので,あくまで「参考」としてあげてます。
...このように,ラジアルタイヤを履いてコンパクトカーで走るクラスは,発祥の地である中部地区を頂点に,九州地区を除いてほぼ全国に浸透し,近畿や関東でもかなりの台数を集めるクラスになってます。
だいたい各シリーズで全体の1割弱ぐらいのエントリーがあり,多い地区では常時1割半ほどの台数を占めてます。昔とは違ってクラス分けが多く,人が分散して台数が少なくなって成立しないクラスもある中,これはかなりの人気クラスと考えていいでしょう。
「九州地区を除いて」と書きましたが,九州ではN1クラスの排気量の上限が1500ccに引き上げられており,NクラスでもN1だけB車両OK,タイヤサイズもB車両規定内で変更できますので,Sタイヤを履くことさえ厭わなければデミオやフィットでN1クラスに出られるんですね。
実際,今年のこのクラスのチャンピオンはDEデミオに乗られたベテラン選手さんです。この方,なんと九州で開かれた全日本のN2クラスにもこのデミオで出場されていました(全日本のNクラスではN2クラスになってしまうんですね)。すばらしいフロンティア魂です!
でもSタイヤでドラシャが折れないのか個人的には心配です。お会いする機会があればぜひいろいろ聞いてみたいものです。
...さてもう一度,表の車両規定の項目を見て下さい。
全体的に「N車両」をベースにした「S1500車両」で走るクラスと,Sタイヤを履かない以外は保安基準を満たしていればOKな「B車両」で走れるクラスに大きく分かれることに気づかれることと思います。つまり「S1500車両組」と「B車両組」ですね。特に関東ではチャンピオン戦が「N車両」,各県戦が「B車両」とはっきり分かれています。
「S1500車両」規定を採用しているクラスは例外なく参加できる車両の「年式制限」があります。近畿と中部のチャンピオン戦では「初年度登録から7年以内」,それ以外のミドル戦や県戦ではだいたい「2000(H12)年1月以降の登録車両」ということになってますが一部例外もあります。
関東のチャンピオン戦には年式制限がありませんが,排気量が「1400〜1500ccの車両」ということにして1400cc以下を切り捨てています。北海道のBB-Ecoクラスは「排ガス基準がH10年以降」となってますが,その中でもEK4シビックやミラージュの参加を禁止してます。いずれも特定の有利な旧い車両を持ち込んだ人が一人勝ちしないようにしてるんですね。一方で中国のジュニア戦と四国のチャンピオン戦では年式制限がありません。
...各地ともいろいろ知恵を絞って最近のコンパクトカーで手軽に低コストでジムカーナを楽しめるように工夫してるんですが...ちょっと全国で統一性なさ過ぎですよね(汗)。これにさらに全日本からPNクラスが各地に下りてきますと,もう一般ドライバーにはワケ分からんです。
少しでも新規に参加してくれる人を増やすためにも,できればこのクラスの車両規定はもうちょっと全国で統一できるといいんですが...
・・・・・・
もともとクルマが好きで練習会・走行会などに参加するうちジムカーナ公式戦参加を考えるようになった,というような人の中には,マフラーを社外品に交換している人が多いですよね。
ところがS1500車両規定は「N車両規定」の上に一定の制限を加えたものであるためマフラー・排気管の改造は一切NGです。マフラーはいったん交換してしまうとちょっと元に戻すのが大変ですよね。外した純正品は処分しちゃったって人も多いだろうし。このため,マフラーを交換していることが障壁になってジムカーナ公式戦への参加を諦めざるを得ないケースが結構あるのね。他にもキノコ型エアクリとかだったら,規定でNGでもすぐに戻せるしそんなに問題にならないんだけどねぇ... (´・ω・`)
このへんのことを考えると,初心者の新規加入を容易にするという意味では,ミドル戦のレベルはあえてS1500やN車両を捨てて「B車両規定」を採用するべきという考え方もあると思います(関東の県戦のように)。あるいはマフラー交換だけ(保安基準に適合していることが条件で)OKにするとか。ちょっとでも新人さんに入って来て欲しいわけだからね。
しかし今回いろいろ調べてみて,おとーさん自身ももう一度よーく考えてみて,ちょっと違う考え方を持つに至りました。以下,JMRCジムカーナ部会員という立場とは関係なくおとーさん個人の考えです。
...いや,マフラーを換えること自体にはそんなに問題ないんですよ。このクラスのコンパクトカーで過給器もなしのエンジンでマフラー換えたってそんなにパワーが上がるわけじゃない。少なくとも腕でひっくり返せないほどの差はつかない。騒音だってJASMA認定品とか保安基準適合品だったら大したことないし。
でもね,いったんマフラー交換を解禁したら,きっとマフラーだけじゃ済まなくなる。ビッグスロットルにしててもいいよね,車高調のピロアッパーも別にいいよね,ロアアームバーだって装着が常識よね...気がついたら結局「B車両」になってるやんか!
じゃあもうB車両にしちゃいましょう♪...って,じゃあタイヤサイズの制限はどうするの?
それは195のままで♪...じゃあ,エアコン外しやファイナル交換はどうするのよ?
それはOKで♪...ええ〜! じゃ軽量化の制限はどうするのよ?
ええ,もう,そんなものどうでもいいでしょ♪...それではルールになりません(汗)。
最初からB車両でやってきてる関東の県戦などはともかく,N車両やS1500車両からB車両規定にしてしまうと,既存の制限ルールとのすり合わせが非常に煩雑になり,初心者には極めて分かり辛い車両規定になってしまう。またお金を潤沢にかけられる人とそうでない人との差も徐々に開いて行く。腕でひっくり返せないほどの差じゃないかもしれないけど,さあジムカーナを始めようという初心者をがっかり失望させるには十分な差になってるかもしれない。
結局,「安価で手軽に,しかもイコールコンディションで」というS1500の崇高な理念がどこにも残らなくなってしまうんですよね。
じゃあマフラーだけ,他は何も言わないからマフラーだけ,換わっててもいいでしょ? (´・ω・`)
...それもね,ちょっとどうかと思うんですよ。
ジムカーナはモータースポーツ,れっきとした「スポーツ」です。クルマという道具を使うスポーツですから道具に関していろいろ「ルール」があるのは当然。
ルールには安全性に関する項目もあれば公平性に関する項目もあるし,クルマとしての公共性を損なわないための項目もある。本来スポーツ用途専門ではない,汎用の道具である市販車をこういう特殊用途に使うわけですから,いろいろルールがあって当然ですよね。
マフラーの交換は,ナンバー付きの競技車両では,一律禁止→解禁→N車両では禁止,という経過があります。90年代の後半,社会的にクルマの改造に対する制限緩和の流れがあり,それを受けて競技車両の世界でも改造がOKとなったわけですが,改造費の高騰などを理由に再び制限されるようになり,最近では社会的にも改造規制が復活される風潮にあります。
そういう流れの中でN車両とそれをベースにしたS1500車両ではマフラーの交換は「今は」ルールで禁じられているわけです。
確かに現在,ジムカーナ競技車両のルールは変革期にあり流動的です。
これを機にマフラー交換を許可すれば,新規の参加者は若干増えるかもしれません。
でもそれと引き換えに失われるものも決して少なくないような気がするんです。
NクラスとかS1500クラスとかが創設された理念はどうなるの?
せっかくしっかりした「S1500車両」という概念が確立しつつあるのに,もう変えちゃうの?
地域ごとにバラバラの車両規定になってもいいの? 交流できなくなるよ。全国レベルの大会でクラス設定されにくくなるよ。いいの?
こういう混乱した時期だからこそ,ちゃんとしたルールは大事にしないといけないんじゃない?
それに,これまでに泣く泣くマフラーを純正に戻してちゃんとクルマを作った人はどうなるの?
だいたい純正のマフラーに戻すってそんなに難しいかい? 純正マフラーってまだキレイな中古品がヤフオクで1000円ぐらいで出てるよ。ほとんど工賃の負担だけじゃない。
...要するに「ルールを守ろうという心」これがどんどん失われていくような気がするんです。
もちろんルールを作る側も,謙虚な姿勢を忘れず,自分たちの体面にこだわらず,利権に左右されず,変えるべきところはどんどん変えて行くことが重要でしょう。でも私たち走る側も,時にルールの背景にある理念に心をはせ,ルールを大事にしようという気持を忘れたらアカン,そうじゃないかとおとーさんは思うようになりました。
これからジムカーナを始めようとする人が,マフラーを純正に戻してでも参加したくなる,そういう魅力ある環境を作ること。
なぜマフラーを換えたらアカンのか,いつでも初心者の方に説明してあげられること。
それがおとーさん達,先輩に求められていることなんじゃないでしょうか?
いや,実はめちゃくちゃ難しいことなんですが〜(笑)
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全国S1500クラスの現状とマフラー問題
11月になりライセンスの更新が始まってます。みなさんもう更新は済みましたか?
ネット上で簡単に更新できるようになったのでなるべく早い目に更新をしてしまいましょうね。おとーさんも今年はネット上でさくっと済ませました(JAFのサイトから「マイページ」の登録をして案内にそって進みます)。
更新が遅くなって何もいいことはありません。クラブの事務局が混乱するだけですので,とにかく早い目の更新を心がけましょう。これもスポーツマンシップの一つですよ。
...といいつつ,毎年確定申告のシーズンになると馴染みの税理士さんから何度も「遅くなって何もいいことはないですよ。早く(申告を)済ませましょう」とメールをいただくおとーさんなのですが。わはははは...f(^-^;)。
ライセンスの更新が始まると同時に,いよいよ各地区とも来年のシリーズのクラス区分や車両規定なんかの詰めの作業に入ってます。おとーさんも初めてJMRCの一員としてシリーズの裏方の仕事を手伝わせていただいてます。
シリーズで走らせてもらう側として,これまで好き勝手言ったり書いたりしてきたおとーさんですが,自分がシリーズの裏方の仕事に関わるようになると,これまで知らなかったことも耳に入るし,これまで見えなかったモノが見えてくるし,自分がいかに無知なままアホーなことを言ってたかが分かって赤面することばかり。
今さらながらJMRCや各主催者の方達の苦労が分かってきて,自分がいかに大変な世界に足を踏み入れたのかがジワジワ実感されてきます。
でもクルマが好きで,ジムカーナという競技が好きなことには変わりない。
これまで通り,素人目線でもって素朴な意見を言えるようなおとーさんでありたいと思います。
・・・・・・
さて,先日のJAFカップで初めて全日本級の競技会にもデビューしたS1500クラス。
デミオやヴィッツ,フィット,コルト,マーチ,スイフトなどいわゆる「お買物車」で,かつ圧倒的に低コストながら,他のクラスに負けず,いやひょっとするとそれ以上にジムカーナ競技をがっつり楽しめる車両クラスとして全国に広がりつつあります。
※若者からオッサンまで思い思いのスタンスで楽しめるS1500クラス。S1500って
何じゃい? っていう方は「お買物車でモータースポーツしよ! S1500ノススメ」を
参照して下さいね ( '-^*)
ただ,現在のところ日本のモータースポーツの「政府」であるJAFが,ラジアルタイヤを使うクラスを正式な競技クラスとして認めないため,各地のS1500クラスにはJAFのタイトルはかかっておらず,先日のJAFカップでも「併催クラス」としてあくまでもエキシビジョン的な扱いでした。
むしろJAFはS1500を否定するかのごとく,S1500と同じように改造を大きく制限し年式制限をつけたPNクラスというのを今年度の途中から新設しました。しかしこれはSタイヤを使う車両規定である上,このタイヤサイズに「純正サイズ以外は一切ダメ」という制限がついているため,S1500に相当するPN1クラスには全くエントリーがなかったというのは皆さんご存知の通り。
...しかし来年はどうなるんでしょうか?
PN1クラス向けにいくつかのメーカーが純正サイズのSタイヤを出してくる,という噂もあります。
現時点では誰もPN1クラスにエントリーしないため,全日本のPN1クラスでもラジアルタイヤで出れば勝てるんじゃないか,なんて声も聞きます。
っつーか,現在のPN車両規定でも純正サイズで唯一Sタイヤの存在するスイスポが,来年の全日本PN1クラス参戦に向けて数台既に出来上がってる,という噂もあります。
PN1クラスに出るなとは決して言わない(笑)。
低コストでジムカーナを楽しめるクラスが全日本にできたこと自体はとても良いこと。
「悲運なクルマ」「遅れてきたテンロクスポーツ」と呼ばれてきたスイスポにジムカーナで活躍の場が与えられたのも,これはこれで良いこと。
でも...どうなるS1500クラス。
いくらがんばっても全国級にはなれない頭打ちのクラスとして廃れてしまうのか。それとも?
...ということで,S1500クラスの今後を考えるためにも,とりあえず現時点(2009年11月)で,S1500クラスを中心とした,全国のラジアルタイヤで走るコンパクトカークラスの状況を調べてみました。下の表をご覧下さい。
※この表は2009年11月時点での内容です。各地区のクラス区分や車両規定,参加動向は現在と異なるものです。ご注意下さい。
地区 | シリーズ名 | クラス名 | 排気量 | 車両規定 | 平均台数 | 占有率 | 開始年度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
近畿 | チャンピオン | S1500 | 〜1500 | S1500車両 | --- | --- | 2010 |
ミドル | S1500 | 〜1500 | S1500車両 | 8.6 | 8.8% | 2009 | |
中部 | チャンピオン | S1500 | 〜1500 | S1500車両 | 14.3 | 11.4% | 2006 |
東海 | S1500 | 〜1500 | S1500車両 | 14.8 | 11.6% | 2006 | |
北陸 | S1500 | 〜1500 | S1500車両 | 6.5 | 15.5% | 2006 | |
関東 | チャンピオン | NT1 | 1400〜1500 | N車両 | 3.2 | 2.6% | 2009 |
東京 | NT-B1500 | 〜1586 | B車両 | 6.2 | 15.1% | 2009 | |
千葉 | BNT1500 | 〜1586 | B車両 | 7.8 | 9.7% | 2008 | |
茨城 | NT15 | 660〜1587 | B車両 | 2.1 | 4.9% | 2006 | |
北海道 | ビギナー | BB-Eco | 〜1586 | B車両 | 4.0 | 9.3% | 2009 |
東北 | 北東北 | CL4 | 1500 | S1500車両 | 0.7 | 1.2% | 2009 |
中国 | ジュニア | BR-1 | 〜1500 | B車両 | 3.6 | 7.4% | 2009 |
四国 | チャンピオン | R I | 〜1600 | SA車両 | --- | --- | 2010 |
九州 | 地区,チャンピオン | N1 | 〜1500 | N, B車両 | 6.0 | 11% | 2008 |
全日本 | --- | PN1 | 〜1600 | PN車両 | 0 | 0% | 2009 |
各地区のJMRCのサイト(表中でリンク貼ってます)や「ジムカーナの競技会結果」さんのデータを基に手計算で集計してますので,間違いがあったらご指摘下さい。
「平均台数」というのは2009年の各大会毎におけるこのクラスの平均エントリー台数です。また「占有率」というのは各大会毎の全クラスエントリー数に占めるこのクラスの割合です(2009年シリーズ)。「開始年度」というのはこのクラスが初めて設けられた年度です。「2010年」と書いてあるのは来年度から開催予定のクラスですな。
一番下の九州と全日本はSタイヤで走るクラスなので,あくまで「参考」としてあげてます。
...このように,ラジアルタイヤを履いてコンパクトカーで走るクラスは,発祥の地である中部地区を頂点に,九州地区を除いてほぼ全国に浸透し,近畿や関東でもかなりの台数を集めるクラスになってます。
だいたい各シリーズで全体の1割弱ぐらいのエントリーがあり,多い地区では常時1割半ほどの台数を占めてます。昔とは違ってクラス分けが多く,人が分散して台数が少なくなって成立しないクラスもある中,これはかなりの人気クラスと考えていいでしょう。
「九州地区を除いて」と書きましたが,九州ではN1クラスの排気量の上限が1500ccに引き上げられており,NクラスでもN1だけB車両OK,タイヤサイズもB車両規定内で変更できますので,Sタイヤを履くことさえ厭わなければデミオやフィットでN1クラスに出られるんですね。
実際,今年のこのクラスのチャンピオンはDEデミオに乗られたベテラン選手さんです。この方,なんと九州で開かれた全日本のN2クラスにもこのデミオで出場されていました(全日本のNクラスではN2クラスになってしまうんですね)。すばらしいフロンティア魂です!
でもSタイヤでドラシャが折れないのか個人的には心配です。お会いする機会があればぜひいろいろ聞いてみたいものです。
...さてもう一度,表の車両規定の項目を見て下さい。
全体的に「N車両」をベースにした「S1500車両」で走るクラスと,Sタイヤを履かない以外は保安基準を満たしていればOKな「B車両」で走れるクラスに大きく分かれることに気づかれることと思います。つまり「S1500車両組」と「B車両組」ですね。特に関東ではチャンピオン戦が「N車両」,各県戦が「B車両」とはっきり分かれています。
「S1500車両」規定を採用しているクラスは例外なく参加できる車両の「年式制限」があります。近畿と中部のチャンピオン戦では「初年度登録から7年以内」,それ以外のミドル戦や県戦ではだいたい「2000(H12)年1月以降の登録車両」ということになってますが一部例外もあります。
関東のチャンピオン戦には年式制限がありませんが,排気量が「1400〜1500ccの車両」ということにして1400cc以下を切り捨てています。北海道のBB-Ecoクラスは「排ガス基準がH10年以降」となってますが,その中でもEK4シビックやミラージュの参加を禁止してます。いずれも特定の有利な旧い車両を持ち込んだ人が一人勝ちしないようにしてるんですね。一方で中国のジュニア戦と四国のチャンピオン戦では年式制限がありません。
...各地ともいろいろ知恵を絞って最近のコンパクトカーで手軽に低コストでジムカーナを楽しめるように工夫してるんですが...ちょっと全国で統一性なさ過ぎですよね(汗)。これにさらに全日本からPNクラスが各地に下りてきますと,もう一般ドライバーにはワケ分からんです。
少しでも新規に参加してくれる人を増やすためにも,できればこのクラスの車両規定はもうちょっと全国で統一できるといいんですが...
・・・・・・
もともとクルマが好きで練習会・走行会などに参加するうちジムカーナ公式戦参加を考えるようになった,というような人の中には,マフラーを社外品に交換している人が多いですよね。
ところがS1500車両規定は「N車両規定」の上に一定の制限を加えたものであるためマフラー・排気管の改造は一切NGです。マフラーはいったん交換してしまうとちょっと元に戻すのが大変ですよね。外した純正品は処分しちゃったって人も多いだろうし。このため,マフラーを交換していることが障壁になってジムカーナ公式戦への参加を諦めざるを得ないケースが結構あるのね。他にもキノコ型エアクリとかだったら,規定でNGでもすぐに戻せるしそんなに問題にならないんだけどねぇ... (´・ω・`)
このへんのことを考えると,初心者の新規加入を容易にするという意味では,ミドル戦のレベルはあえてS1500やN車両を捨てて「B車両規定」を採用するべきという考え方もあると思います(関東の県戦のように)。あるいはマフラー交換だけ(保安基準に適合していることが条件で)OKにするとか。ちょっとでも新人さんに入って来て欲しいわけだからね。
しかし今回いろいろ調べてみて,おとーさん自身ももう一度よーく考えてみて,ちょっと違う考え方を持つに至りました。以下,JMRCジムカーナ部会員という立場とは関係なくおとーさん個人の考えです。
...いや,マフラーを換えること自体にはそんなに問題ないんですよ。このクラスのコンパクトカーで過給器もなしのエンジンでマフラー換えたってそんなにパワーが上がるわけじゃない。少なくとも腕でひっくり返せないほどの差はつかない。騒音だってJASMA認定品とか保安基準適合品だったら大したことないし。
でもね,いったんマフラー交換を解禁したら,きっとマフラーだけじゃ済まなくなる。ビッグスロットルにしててもいいよね,車高調のピロアッパーも別にいいよね,ロアアームバーだって装着が常識よね...気がついたら結局「B車両」になってるやんか!
じゃあもうB車両にしちゃいましょう♪...って,じゃあタイヤサイズの制限はどうするの?
それは195のままで♪...じゃあ,エアコン外しやファイナル交換はどうするのよ?
それはOKで♪...ええ〜! じゃ軽量化の制限はどうするのよ?
ええ,もう,そんなものどうでもいいでしょ♪...それではルールになりません(汗)。
最初からB車両でやってきてる関東の県戦などはともかく,N車両やS1500車両からB車両規定にしてしまうと,既存の制限ルールとのすり合わせが非常に煩雑になり,初心者には極めて分かり辛い車両規定になってしまう。またお金を潤沢にかけられる人とそうでない人との差も徐々に開いて行く。腕でひっくり返せないほどの差じゃないかもしれないけど,さあジムカーナを始めようという初心者をがっかり失望させるには十分な差になってるかもしれない。
結局,「安価で手軽に,しかもイコールコンディションで」というS1500の崇高な理念がどこにも残らなくなってしまうんですよね。
じゃあマフラーだけ,他は何も言わないからマフラーだけ,換わっててもいいでしょ? (´・ω・`)
...それもね,ちょっとどうかと思うんですよ。
ジムカーナはモータースポーツ,れっきとした「スポーツ」です。クルマという道具を使うスポーツですから道具に関していろいろ「ルール」があるのは当然。
ルールには安全性に関する項目もあれば公平性に関する項目もあるし,クルマとしての公共性を損なわないための項目もある。本来スポーツ用途専門ではない,汎用の道具である市販車をこういう特殊用途に使うわけですから,いろいろルールがあって当然ですよね。
マフラーの交換は,ナンバー付きの競技車両では,一律禁止→解禁→N車両では禁止,という経過があります。90年代の後半,社会的にクルマの改造に対する制限緩和の流れがあり,それを受けて競技車両の世界でも改造がOKとなったわけですが,改造費の高騰などを理由に再び制限されるようになり,最近では社会的にも改造規制が復活される風潮にあります。
そういう流れの中でN車両とそれをベースにしたS1500車両ではマフラーの交換は「今は」ルールで禁じられているわけです。
確かに現在,ジムカーナ競技車両のルールは変革期にあり流動的です。
これを機にマフラー交換を許可すれば,新規の参加者は若干増えるかもしれません。
でもそれと引き換えに失われるものも決して少なくないような気がするんです。
NクラスとかS1500クラスとかが創設された理念はどうなるの?
せっかくしっかりした「S1500車両」という概念が確立しつつあるのに,もう変えちゃうの?
地域ごとにバラバラの車両規定になってもいいの? 交流できなくなるよ。全国レベルの大会でクラス設定されにくくなるよ。いいの?
こういう混乱した時期だからこそ,ちゃんとしたルールは大事にしないといけないんじゃない?
それに,これまでに泣く泣くマフラーを純正に戻してちゃんとクルマを作った人はどうなるの?
だいたい純正のマフラーに戻すってそんなに難しいかい? 純正マフラーってまだキレイな中古品がヤフオクで1000円ぐらいで出てるよ。ほとんど工賃の負担だけじゃない。
...要するに「ルールを守ろうという心」これがどんどん失われていくような気がするんです。
もちろんルールを作る側も,謙虚な姿勢を忘れず,自分たちの体面にこだわらず,利権に左右されず,変えるべきところはどんどん変えて行くことが重要でしょう。でも私たち走る側も,時にルールの背景にある理念に心をはせ,ルールを大事にしようという気持を忘れたらアカン,そうじゃないかとおとーさんは思うようになりました。
これからジムカーナを始めようとする人が,マフラーを純正に戻してでも参加したくなる,そういう魅力ある環境を作ること。
なぜマフラーを換えたらアカンのか,いつでも初心者の方に説明してあげられること。
それがおとーさん達,先輩に求められていることなんじゃないでしょうか?
いや,実はめちゃくちゃ難しいことなんですが〜(笑)
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