home > diary menu > 2009年 > 6月14日

表彰台の風 〜2009年ミドル第4戦〜


開幕戦(3月,鈴鹿南):2年ぶりの公式戦復帰で気合入り過ぎてガタガタ。1本目パイロンタッチでダントツ最下位,2本目途中でドラシャが折れてリタイヤ。そのまま最下位決定!

第2戦(4月,名阪C):少し公式戦の雰囲気を思い出してきて,1本目は何とか3番手タイム。しかし2本目は守りに入り過ぎてよもやのタイムダウン。案の定4位転落で終了。

第3戦(5月,名阪C):娘の日曜参観と見事にバッティング。当然ながら不戦敗決定。


・・・・・・

と,まあ,こんな風な息を呑むダッシュな展開で(どこが?),近畿地区ジムカーナ・ミドル戦も6月の第4戦を迎えることになりました。

昨年の段階では「初心者クラス」的にいささかイージーに考えてたミドル戦のS1500クラスですが,めちゃくちゃレベル高いです。普通に走ってたんじゃ,上位の方達には全く歯が立ちません。ゴ,ゴメンナサイ! 顔アラッテ,モット練習シテ,出直シテキマス!

シリーズポイントの方も...ええーっと...シリーズポイントって何? というカンジで(笑),チャンピオンがどうとかいうより,シリーズ表彰すら全然お呼びでない(この分だと3位までがシリーズ表彰かな? 4位まで?)状況。シリーズポイント有効の6戦ぎりぎりしか出られないのに,開幕でいきなり最下位じゃ,まあ仕方ないか。


...ということでおとーさん,開幕時に入りまくっていた肩の力ももうダラダラに抜けてきて,ほとんど脱力状態(笑)。もージムカって楽しく走ってなんぼよねー,と,ええカンジにまたーりしてきたところでまた鈴鹿南です。


脱力しまくってるとはいえ,今回の第4戦までに1ヵ月半ほどブランクがありましたので,この間におとーさん,デミ助のセッティングにいくつか大きなモディファイを施しました。


その1つはリアのタイヤ。

フロントはともかく,リアに16インチ195幅のでかいタイヤを履いてると,挙動がピーキーで,かつターンも回りにくくなるという当たり前のことを開幕からの2戦でイヤというほど思い知りました。そこで,思い切ってリアに純正の14インチ6Jの鉄っちんホイール+185/60-14のタイヤを履かせてみることにしました。もちろんタイヤはBSのタイヤですよ(RE11)。

この仕様で某所での練習走行に参加したところ,タイムこそ16インチと大きな差は出ないものの,やはりこちらの方がラクに安定したラップを刻めることが判明。それにターンも若干回りやすくなります。よし,今年のシリーズの残りはこのリアタイヤで行こう。


もう1つの仕様変更はフロントのブレーキパッド。

RIGIDさんから最初にDEデミオ用に発売されたフロントのパッドは,NC材というカーボンメタル素材でできたかなり効きの強いヤツ。絶対的な効きには全く不足はないけれど,ちょっとブレーキングの初期でロックしやすい点がありました。その点をショップの社長さんに鋭く指摘されたため,少し初期の効きをマイルドにした(NA材)パッドに変更しました。

最初は効きの違いにちょっと戸惑いましたが,慣れるとこちらの方が「奥で」コントロールできるため,リアを積極的に動かして「攻める」ことができます。


おとーさん,脱力しながらもとりあえずこの2点のマイナーチェンジをデミ助に課して,ミドル第4戦@鈴鹿南を迎えることになりました。


・・・・・・

お天気予報は1週間前から曇り→雨かも→曇り→晴れとめまぐるしく変わり,ドキドキさせられましたが,当日はピーカンでもう完全に初夏の陽気。雲雀が空高く舞い上がり,ピーチュルピーチュルさえずっています。

いつもより全体の参加台数が少ないせいか(100台をちょっと下回ったようです),タイムスケジュールの進行も非常にのんびりムード。時間に余裕があるのでクルマの準備をしつつもパドックをウロウロしていつものS1500仲間におはようのあいさつ。

今回はいつもの近畿ミドルS1500のメンツだけでなく,いつもお世話になってるショップのスタッフFさんがショップのデモカーのヴィッツRSで初参戦。また,近畿のS1500を盛り上げるために中部地区からゆきぱぱさん,ベテランマーチさん,フィットのMさんが遠征して下さいました(地理的にはこちらが遠征してるようなモンですが ----笑)。

この中部からの助っ人のおかげもあって,今回のS1500クラスは全11台というこれまでにない台数が集まり,若干衰退気味なN車両の各クラスと比べると,ちょっとした勢力を形成するようになってきました。ホントに嬉しい限りです。やはり時代の風はSタイヤではなくラジアルタイヤで競技を楽しむ方向に吹いているように感じます。願わくばこの風がもっと大きな風になってJAFを動かしてくれるといいんですが...


今回S1500クラスに参加の11名のサムライ達。みんなイイ顔してます!
(画像をクリックすると大きい画像を表示します)



お約束のコース1周順走テストランの後,発表されたコースは,鈴鹿南コースのほとんどの部分を通常の逆走で走り,かつホームストレート上で最近流行のフリーターンが設定されているという,よく練られた美味しいコース。これなら前日練習でここを走りまくったドライバーとそうでないドライバーとの有利不利の差は最小限に抑えられます。おとーさんのようになかなか前日練習に参加できないドライバーにとってはありがたいコース設定です。


近畿ミドルではあんまり見かけないコース設定
(画像をクリックすると大きい画像を表示します)



コースが長いため,慣熟歩行は2周ちょっとでタイムアウト。まあ,コース自体は単純なので覚えられないことはないのですが,ここを逆走で走るのは全く初めてのため,どのくらい踏めるのか,どのくらい抑えるべきなのか,さっぱり分かりません。ゆきぱぱさんや曲調さんにいろいろコツをうかがって,少し分かったような気分になったところでコースクローズです。


そしてあれよあれよという間にもう1本目の走行順が迫ってきてます。
しかし今回のS1500クラスは,おとーさんはまず勝ち負けには関係ないハイレベル。何つっても中部S1500でバリバリのドライバーさんが何人も参加されてる。まあ,気楽に行きましょ。

スタートラインにつくと,ちょうど目の前で中部のお2人の華麗なフリーターンが目の前で見られます。お2人とも実にスムースできれいなターン。まあ,ありゃ真似できないわな,とお手上げモードでスタートを切ります。


まず最初は広場でZ字型にパイロンを回り,S字に逆走で入って行きます。リアに14インチタイヤを履いただけあって,パイロン回りは,サイドを引かなくてもうまくリアが回り込んでくれます。

S字の逆走は,順走の時とは進入スピードが違うので,2つ目のコーナーでリアが大きく流れて一瞬アクセルを抜いてしまい,若干失速気味。

その後3-4コーナーからストレートを逆走してきて,1-2コーナーも普段と逆に抜けて,ホームストレートに帰ってきます。そしてスタートラインの手前でフリーターン。進入速度を見事に間違えて思いっきり奥まで突っ込んでしまい,しかもサイドは不発。ぐりぐりグリップで立ち上がりますが,後でビデオを見ると案の定このターンだけで1-2秒ロスしてます。

「あちゃ〜」と思いながらもとりあえずパイロン区間に引き返し,今度はアドバンコーナーからショートカット部分に入り,奥のヘアピンを逆走します。ここは曲調さんに教えてもらった通り1速に落として小さく回ります。

そしてもう一度ショートカットを通って,スラロームを抜けてゴール!
ここはいい塩梅にパイロンがオフセットしてるため,ゴールラインまで踏みっぱで行けます。


ベテランマーチさんがパイロンタッチで沈んだため,走り終わった時点では2位のタイム。その後,いつものMさんデミオ,Kさんフィットに抜かれて,1本目終了時点で4位につけてます。

フリーターンであれだけ大チョンボして11位台中4位ならまあまあ上出来です。
でもベテランマーチさんが2本目では必ず上位に上がってこられるため,自分も大幅にタイムアップするつもりで2本目も攻めないと,また順位転落で終了です。


・・・・・・

2本目に向けて最大のポイントはやはりフリーターンです。

お昼の慣熟歩行は,曲調さん,ゆきぱぱさんと一緒に歩きながらも,フリーターンに入るところだけは3人別々になってブレーキングポイントやラインをそれぞれ確認します。ここが勝負のキモだってことは3人ともよーく分かってますからね。コースの他の部分は仲良く一緒に歩いててもここだけは火花が散ります(笑)。

また,いつもスーパーラップ(3本目)のことを意識しすぎて2本目を失敗したりヌルくなったりするので,今回,頭の中では「3本目はない」ものとして,2本目で勝負をつけるつもりで走ることにしました。実際,2本目で3位以内に入らなきゃスーパーラップなんて走れないわけだし。3本目なんてなし。この2本目で終わり!

※「スーパーラップ」というのは,近畿ミドルの独自ルールで,2本目を走り終わって1-3位だけ
もう1本,つまり3本目を走って,表彰台の中で最終順位決定戦をやるというものです。



さあ,1本目と同じく中部S1500のお2人のフリーターンを見ながらスタートラインにつきます。相変わらずターンがキレイに決まってる。見てるだけで「こりゃ勝てねぇよ ヽ(´ー`)ノ」ってカンジになりますが,とにかく自分のできる範囲内でがんばるしか仕方ない。パイロンぶっ倒してもいいから精一杯攻めよう,と心に誓って,走り出します。


最初のZ字は,後で自分でビデオを観ても「よく攻めてるな」と評価できるぐらいパイロンすれすれをクリアしてます。S字逆走も,途中で左足ブレーキ踏んでみたり,いちびりながらも精一杯攻めてます。

3-4コーナーの逆送は,なるべく早く舵を戻しタイヤを縦に転がして。
1-2コーナーの逆走も,とりあえず精一杯踏んでます。


しかしポイントのフリーターンはまたもサイド不発。進入速度が高すぎるのか,舵角が足りないのか,どうしてもスムースにリアが流れません。仕方なく,無理にサイドを引き足さずグリップに切り替えてぐりぐり立ち上がります。


もう一度パイロンセクションを抜けて,次はアドバンコーナーからショートカット部分への飛び込み。1本目はちょっと押さえ過ぎた感じがあったので,ごく浅めのブレーキで車速をキープしながら思い切って飛び込みます。

でもショートカットの出口はしっかり車速を落としてシフトを1速に叩き込み,小さく回ってヘアピン方向に立ち上がります。短いストレートですが精一杯スロットルを踏み込んで。

ヘアピンを小さく回って,もう一度ショートカットに飛び込み。ここもできるだけブレーキをガマンして高めの車速で。その後のスラロームは1本目と同じく踏みっきりで!

そしてゴール!


...ぜいぜい息が切れてます。
まあ,精一杯攻めました。これでダメなら仕方ない。

ウインドー開けてアナウンスに耳を澄ますと

「ここで不惑選手が3番手に上がってきたー! 1分27秒850!」


...何と,2秒もタイムアップして,中部S1500のお2人の後に僅差で続く3番手タイム。
2秒も縮まるっていうのは,1本目が遅過ぎるってことですね(笑)。


前回の第2戦でも,2本目を走り終わった時点では3位で,いったん車検場に入りましたが,すぐ曲調さんに逆転されてあっという間にパドックに「お帰り〜」となりました。今回もとりあえず暫定3位で車検場に入りましたが,この後,曲調さん,フィットのKさん,デミオのMさんと表彰台常連の3人が走ります...まあ,まず間違いなく誰かおとーさんのタイムを超えてくるでしょう。ということで,いつでもパドックに帰れるように,前車から少し間隔をあけて,エンジンはかけたままでクルマを降ります(笑)。

しかし曲調さんはわずかにおとーさんのタイムに届かず,フィットのKさんも同じく。
まだおとーさんが暫定3位のまま。

「あれー?」と思ってる時に,最終ゼッケン・シリーズリーダーMさんデミオがS字でコース外に飛び出しているシーンが目に入ります。車検場で見守る一同,大丈夫かな?と心配しましたが,何とかそのままパドック方向に戻って来られました。大きな車両トラブルはなさそうです。


...その後,ちょっと間があってから,自分が結果的に3位以内に留まっているという事実に気がつきました。

久々の公式戦の表彰台...初めてのスーパーラップ進出です。

今日は2本で終わり,3本目なんてなし! そういうつもりで走った2本目でしたので何だか実感がわきません。いや,うれしいのはもちろんうれしいのですが,ちょっと狐につままれたような。


その後いろんな方から,表彰台おめでとう,スーパーラップがんばってね,と声をかけられますが,どうも「もう1本走れる」「3本目がある」っていうのが実感できません。案の定,トイレに行ったりうろうろしてるうちにスーパーラップの出走に遅れそうになります(汗)。

そんな風な,非常に肩の力が抜けた状態で,3本目に臨みました。


↑3本目の走行(ビデオ撮影:ゆきぱぱさん Special Thanks!です)


ホイールスピンは少ない目でおとなしくするするっとスタート。

「よーし,行くぞ!」と大声で気合を入れながら最初のZ字パイロンに突入。ビデオで見ると,まずまずパイロンに近いところを攻めてます。

本日3回目のS字逆走は,おそらく一番スピードが乗ってたと思います。ただしそのために2つ目のコーナーで思った以上にリアが出て,少しスロットルを戻さざるを得ませんでした。

3-4コーナー逆走は,曲調さんに最速ラインを教えてもらってたにもかかわらず,ビデオで見ると2本目と同じ我流のラインで走ってしまってますね(汗)。


ストレートを経て,1-2コーナーの逆走ですが,ここは慎重に行こうとしてちょっと抑え過ぎですね。区間タイムを解析してみるとだいぶロスってます。ここだけでトップのベテランマーチさんから1秒近く離されてます。

ホームストレートに帰って来て,問題のフリーターンですが...本日3回目にして,またもやサイド不発。十分に車速は落としてるんですけどねえ...ただ,無理にサイドを引き足さず,すぐにグリップに切り替えて脱出したため,それほどロスはしてません。

アナウンサーさんは,「ここはグリップ走行を選択,速いぞ!」と言ってくれてますが,最初からグリップを選択したんではなく,サイドターンを失敗してるだけっす(汗)。


もう一度パイロン区間を折り返して,今度はアドバンコーナーからショートカット部分への飛び込み。2本目と同じく,ごく浅めのブレーキで車速をキープしながら思い切って飛び込みます。で,ショートカットの出口はしっかり車速を落としてシフトを1速に叩き込み,小さく回ってヘアピン方向に。

ヘアピンを小さく回って,もう一度ショートカットに飛び込み。できるだけブレーキをガマンして高めの車速で入り,その後のスラロームは踏みっきりで...そしてゴール!

ウィンドー開けてタイムを聞きます...2本目がもう限界かと思いましたが,何とかさらにコンマ5秒タイムを縮めました。しかし1位2位には及ばず,3位確定です。


・・・・・・

久々の公式戦の表彰台...何つっても2年ぶり以上ですからね。感無量です。

ミドル戦に復帰して...やっとこの台の上にも戻ってくることができました。

暑い1日でしたが,既に陽はだいぶ傾いて,涼しい風が首筋の汗をさらっていきます。
表彰台からの周囲の眺めも,何やらクールな色調のフィルターがかかったような爽やかさ。


前回の第2戦で「やっとジムカーナ公式戦の世界に帰って来た」っていう実感を持てました。今回は出場台数が多い中で,前回から1つ順位を上げて3位になったわけで,「歯車がかみ合ってきた」という手応えを得ることができました。

フロントのブレーキパッドの変更も,リアタイヤのサイズダウンも,いい方向に働いてくれたようです。これまで以上に扱いやすいクルマになりました。

また何よりも,「あれから2年歳をとった分,視力や運動能力,反射神経も衰えて,あの頃のようにはもう走れないんじゃないか...」っていう不安を払拭することができたのが大きな収穫です。いや,2年前も大したドライバーじゃありませんでしたが,あの頃とそれほど変わらずに走れるんだ,というのですごく安心できました。


次戦からまた舞台は名阪スポーツランドに戻ります。
今度こそ,表彰台のもっと上に立ちたいですね。


PS...

まさきちさん&奥様:ビデオ撮影ありがとうございました。お大事になさって下さい。
コマ吉さん:ビデオ撮影ありがとうございました。引退なんて言わずにもっと走りましょうよ!

S1500クラスのみんな:またみんなで記念撮影しようね!


前のDiaryへ前のDiary | PAGE TOPへPAGE TOP | 次のDiaryへ次のDiary