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2006年 > 10月19日
"G"との闘い 〜2006年ミドル最終戦〜
G:重力加速度と同じ加速度の大きさを表し,物体に重力と同じ大きさの力がはたらいた際に生じる加速度のこと。重力加速度の2倍→「2.0G」などのように表す。
モータースポーツでは,よく「お尻でクルマの動きを感じる」とか「Gを感じる」ことが大事,なんて言います。運転中,手足はバタバタ忙しく動いてますし,首から上もフリーの状態ですから,4点式のベルトでがっちりバケットシートに固定された「お尻」でもってクルマの微妙な動きを知覚することが重要,ってことですな。
しかしですな,おとーさんに言わせると,そいつはちょっと違う。
"G"はお尻で感じるものではなく,お尻に起こる事件です。
激しい疼痛と出血を伴う,お尻の大災害です。
そやから...ケツが痛いっちゅうてんねん! ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン
・・・・・・
のっけから失礼いたしました。
ミドル戦最終戦を目前にした数日間,季節の変わり目だから,っちゅうわけでもないんでしょうが,おとーさん,仕事ですごくイヤなこととすごくショックなこととすごく神経を使うことが立て続けに起こり,朝メシも昼メシも食えずに朝から晩までずーっと診察室で缶詰状態。その間トイレにも行けずに診察イスに座りっ放しで過ごしてるので,お尻の衛生上非常によろしくない状態。
そんなただでさえバテバテな状態で,仕事が終わってから遠方のショップまでタイヤを組み換えに走ったりするもんだから,さらにお尻がうっ血状態。
普段はおとーさん,Gとは無縁な生活を送ってるものの,こういう風に悪条件が重なると一時的なG状態となることがあります。
な,何かお尻がヘンだよう,痛いよう...。・゚・(つД`)・゚・。
おまけに競技会前夜もリアル残業で遅くなってしまい,朝から全然何も食ってない状態で帰宅後そのままガレージにこもって先日折れたシャフトのジョイントを打ち換えてたら,右足にこむら返りが起こって七転八倒。ふくらはぎのケイレンがなかなか治まらずに10分ぐらいガレージの床で悶絶しました。
い,痛ぇよ...右足のふくらはぎが痛ぇよ... (;´д⊂)
しかも,やっとのことで準備を終え,風呂入って寝ようとしたら...全然寝れねぇ (@_@;)
そんなこんなで,とっても清々しい競技会本番の朝を迎えます。
今シーズン最終戦っちゅうのに,間違いなく,これまでの公式戦本番の中で心身ともに最低・最悪のコンディションです。うぅ〜,痛いよ〜,しんどいよ〜,眠いよ〜 ヽ(;´Д`)ノ
朝もやの立ち込める名阪Eコース
いつものメンバーでもって針インターに集結,一列に並んで会場入りします。
さあ,ケツの痛みをこらえながら,走る前からGの存在を痛烈に感じながら,準備するべ。
特にタイヤをよいしょっと持ち上げる時や,タイヤ交換でしゃがみ込んだりする時にGを感じる...これは縦Gだな...今度は横Gだな...そやから,痛いっちゅうねん!
そして発表されたコースは,こ,これは地区戦ですか?全日本ですか?っていうぐらい複雑なロングコース。しかも最初はコース図の配布がなく,手書きのコース図を各自で覚えて慣熟歩行に出るという原始的なスタイル。いやぁ〜,昔はこういうのあったけどなぁ...懐かしい。っつーか,頭悪いからなかなかコース覚えられへんがな。
ミドル戦では滅多に見られないロングコース
コース前半は大きな島回りと180度のサイドターン1発をからめたテクニカルセクション中心で,後半はホームストレートとインフィールドを横に使ったストレート,外周をぐるっと回ってくる高速セクション中心。
おとーさん的には,苦手な前半のテクニカルセクションを無難に乗り切り,後半の高速セクションでタイムを稼ぐ,という単純な作戦で。いや,作戦じゃないだろそれは(笑)。
しかし実際にコースを歩くと,ストレートで踏みっ切りにできる区間は案外短く,脱出部分に置かれたイヤな規制パイロンのおかげで,アンダーでストレートに飛び出して来ることができず何だか走りにくそうな印象。外周も,途中でシケイン的にパイロンを引っかける部分があるので踏みっ切りでは行けない。後半の高速セクションも,いつもより難易度高め。
しかも,コースが長いので慣熟歩行もいつもより時間がかかるかかる。
ケツが痛いだけじゃなく,昨夜のこむら返りの後遺症で右足のふくらはぎも痛いのにさ(泣)。
ということで,朝から既にかなりバテバテの状態で1本目の走行を迎えます。
路面はひんやりしてますが,フロントはWTHコンパウンドで行けるでしょう。サイドがあるのでリアにもWTHコンパウンドのタイヤを履いて。空気圧のセッティングはだいぶ悩みましたが,いつもの圧で行くことにします。
早めに不惑インテ号に乗り込み精神統一を図ろうとしますが...ダメです。
どうしても集中できません。心臓はバクバクいってて緊張はしてるのに,頭はボーっとして一向にテンションが上がらへん。あろうことか,メットの中で生あくびが出てくる始末。
いつものような「さあ,いくでぇ」っていう気持ちにならず,どことなく投げやりな「どうでもいいよぉ,ケツ痛いしさ」みたいなモード...アカンがな。
案の定,1本目スタートで思いっきりホイールスピンした上に,走り出してすぐに1コーナーで大スピン。カウンターを当てる間もなくリアがアウトにすっ飛んで行ってしまって万事休す。
バックでえっちらおっちら切り替えしてコース復帰。ここは駐車場ですか車庫入れですか。
いつもならそこで気を取り直して,スピン後は真面目に走れるのですが,どうにもダメ。
島回りではステアの戻しが間に合わずにフラフラ〜,サイド区間への進入でもリアがすっ飛んでしまってとてもサイドターン決める姿勢になれなかったり,余計なところを2速のままで回ったり,最後の外周のシケインで気がついたら1速にまで落としてたり...もうボロボロ。
そして一番怖いことは,走ってる間の記憶があんまり残ってないこと...
いつもなら,走ってる間の自分の頭の中の思考や視覚イメージがある程度「流れ」として再生できるけど,走り終わって走行を振り返っても,大失敗したところの断片的な静止画像が出てくるだけで,頭の中で動画として再生できない...頭悪すぎ...っていうか脳ミソ全然はたらいてないよ,ママン。
...走り終わって,かなーり落ち込みました。
情けなさ過ぎて涙出そうです。お尻も痛過ぎて血が出そうです。
180さんに撮っていただいた自分の走行ビデオを見ますが,ひど過ぎて上位陣と比べることもできません。スピンした部分を差し引いてもトップと3秒以上開いてます。2本目に向かって修正すべき点を考えようにも,良い所が全くないので何も考えられません。
...もういいよ,今日は。
しんどいしさ,眠いしさ。ケツも痛いし横Gだしさ。
そもそもこんなドンくさい運動神経切れてるオヤジが公式戦の表彰台とか年間表彰なんて無理なんだよ。無理しないでさ,もうテキトーに走って帰ろうぜ。ラクに行こうぜ,ラクに。
心のどこかからそういう声が聞こえてきます(幻聴かい)。
でも一方で,「それでいいのか? ホントにいいのか?」っていう声も聞こえます。
思えばこの1年,時間もない金もない中で,熱意だけを頼りにとりあえずN2クラス6位近辺に定着することはできました。クルマに関しても走りに関しても自分の体力に関しても,たぶん...かなり「努力」はしてる方だと思います。その中でやっとあと一歩までこぎつけた表彰台,そして年間表彰の座...そんな簡単にあきらめちゃっていいの?
...あきらめられませんよ,やっぱり。
横Gなんかにゃ負けられません。
気がついたら師匠に電話してました。
リアがすっ飛んでしまう症状を話し,リアのタイヤをTRコンパウンドに戻すことに。
お昼の慣熟歩行も,みんなが適当に引き上げて行く中,最後の最後までケツとふくらはぎの痛みを堪えてしつこくラインを確認します。コースが長いので最後は足が棒。
でも,できるだけのことはやりましょう。最終戦ですから。
走行前は早めにパドックに戻り,思い切り自分に気合を入れます。
ともすれば眠気で霞んでくる頭を振り絞ってコースのイメトレをします。
「よし!」
声を出して不惑インテ号に乗り込みます。いつもながらヘンなヤツです。
走行待ちの列にも早めにつき,腕やら肩やら動かして筋肉を暖めておきます。
1本目よりはだいぶ気合が入ってます。いつものおとーさんに戻ってきました。
おとーさんの前は同じクラブのS屋さん,その前はシビックのS脇さん。気になるライバル達が次々にスタートラインから飛び出して行きます。
そしていよいよおとーさんの番。
今回スターターのお兄さんはこっち向いて旗をぱあっと振るだけ。
自分で3・2・1とカウントして走り出します。
1本目は思いっきりホイールスピンしてしまったのでエンジン回転は抑え気味にして慎重にするするっと走りだします。
あっという間に1コーナーが目の前に迫ります。
早めにブレーキを踏んで,あまりGをためずに真直ぐ目に進入して...
ところがまたしてもリアがぐりーんとアウトにすっ飛んで行きます。
ぐわああああっ! 負けるかあっ! 横Gめぇっ!(これは本来の意味の「横G」です)
必死でフルカウンターを当て,「ここでスロットル緩めたら今日は終わりじゃああ〜」っと意地でアクセルを踏み込みクルマを前に進めます。
おとーさんの決死の努力が実り,リアの流れは途中で止って,フロントが縁石に深めに乗っただけで無事コーナーを脱出できました。コンマ数秒のロスはしてるでしょうが,勝負をあきらめるほどの大チョンボではありません。気を取り直して,次のセクションに向かいます。
次はおとーさん宿敵の島回りセクション。
なるべくスピードを殺し過ぎないように進入。島の4つの角の縁石をなるべく直線的に結ぶように小さく小さく回ります。最後の縁石に乗りすぎてアンダーになってしまい,外周に出るところで若干スロットルを緩めてしまいますが,必死でステアと格闘してラインに復帰。しかしやはり体力低下のためステアがいつもよりもずっと重く感じ,ステアの戻しは遅れ気味です。
島を1周半ほど回って中央の広場に置いてあるパイロンを180度ターン。
若干広場への進入を抑え気味にしたため先ほどのようにハデに姿勢を崩すことはありませんでしたが,やはりターンはキレイには決まらず。グリップ気味に立ち上がってスタート方面に向かい,ホームストレートに出ます。
さあ,ここからがおとーさんの得意領域。
スロットルをがーんと床まで踏んで短いストレートを3速全開で駆け抜け次のコーナーへ。
いったん1速まで落としてすぐにまた2→3速と上げながらインフィールドを真っ直ぐに走って再び1コーナーへ。どどーんとブレーキを踏んで1コーナーを回り,今度は外周を走り出します。
さっき180度ターンした中央広場のパイロンをシケイン的にひっかけてまた外周を。
1本目ではここで1速まで落として失速してるので2速のままでスピードを殺さないように抜けていきます。それでもやはりおとーさん,パイロンを見るとうまく狙ったラインを走れません。若干ラインを外し「チッ」とか思いながら外周の一番奥のヘアピンへ3速全開で。
ここは無難に抜けて,最終のパイロンをちょんブレでかわしながらゴール!
ぜいぜい,はあはあ...ホントに息も絶え絶えといった感じですが。
...この時点でおとーさんのタイムは4位。
でもすぐに上位ドライバーさん達にかわされて,かわされて...結局,また6位。
また6位ですか...今季3回目やがな..._| ̄|○
5位は美人の女性ドライバーさん。おとーさん,隣で何だか妙にうれしそう(笑)
ま,でも今回,これまでで最悪のコンディションで苦手なコースを走って6位。
師匠がお仕事で忙しくて来られず,ラインも全部自分で考えて走って6位。
1本目で大スピンかまし,あれだけみんなから「最初は抑えて行くんやで」と言われていたにもかかわらず,またしても1コーナーでスピンしかかったことは深く反省するにしても,フルカウンターを当てながらとりあえずクルマを前に進めてリカバリーできたことは(後でビデオで見たら,ホンマにフルカウンターです),まあがんばったかなと。
Gには勝ったが,Gには負けた...ってとこでしょうか(全く意味不明)。
年間シリーズポイントは,前戦まで同ポイントで並んでいたドライバーさんが今回おとーさんより上位で入賞されたため,最終的に7位となり(有効ポイント6戦で計算),6位に入って年間表彰を受ける夢は結局果せませんでした。
・・・・・・
2006年近畿地区ミドルシリーズは終わりました。
日が沈むのがめっきり早くなり,表彰式が終わったパドックにはすでに夕闇が忍び寄っています。1台,また1台,後片付けの終わったクルマが帰って行き,パドックからは闘いの余韻が次第に薄れて行きます。
時おりわたる風はすでにひんやりした冷気をはらんでおり,パドック脇の草むらから聞こえる虫の声は寂しげです。
しかしクラブの仲間や,今回僅差で7位だったシビックのS脇さん達と,今日の走りのこと,来年のことなんか話しながらだらだら後片付けをしていると,その一角だけはいつまでも熱く盛り上がっていて,楽しくって楽しくって,いつまでもこの日が終わって欲しくないような不思議な気持ちになります。
相変わらずケツは痛いし,気のせいか軽い頭痛と悪寒もしてるのですが,楽しくって体調の悪さが気になりません。
来年に向けての練習課題は,とりあえずはっきりしてます。
クルマの方も,オフの間に手を入れるところは決めてます。
やることをしっかりやって,そして来年にはまたこいつら(失礼)と一緒に走るんや。コンマ数秒を競いあうんや。そう思うと,結局表彰台には上れなかったり年間表彰を逃したりした悔しさは不思議と感じず,来年に向けてのワクワクした気持ちだけが心の中で膨らんで来ます。
「仲間」がいることの大事さ。
「楽しさ」の鍵はこれなんだな,と思いました。
来年もおとーさんは仲間と走ります。誰が何と言おうとこんな楽しいことは止められません。
たとえお尻が火を噴こうとも,おとーさんは楽しく走り続けます。
PS:
師匠,電話でのアドバイスありがとうございました。来年もよろしくお願いします!
37すぺっくさん,来年も一緒にがんばりましょう!コソ練,行こね。
ミラポンさん,シリーズチャンプおめでとうございます!地区戦でもがんばって下さい。
180さん,ビデオ撮影ありがとうございました!来年は同クラス。お手柔らかに願います。
S脇さん(ここ見てる?),今回は200ccに助けられました。来年は一緒に表彰台に上がりましょう!
クラブ員のみなさん,1年間ありがとうございました。来年もどうぞよろしくです!
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"G"との闘い 〜2006年ミドル最終戦〜
G:重力加速度と同じ加速度の大きさを表し,物体に重力と同じ大きさの力がはたらいた際に生じる加速度のこと。重力加速度の2倍→「2.0G」などのように表す。
モータースポーツでは,よく「お尻でクルマの動きを感じる」とか「Gを感じる」ことが大事,なんて言います。運転中,手足はバタバタ忙しく動いてますし,首から上もフリーの状態ですから,4点式のベルトでがっちりバケットシートに固定された「お尻」でもってクルマの微妙な動きを知覚することが重要,ってことですな。
しかしですな,おとーさんに言わせると,そいつはちょっと違う。
"G"はお尻で感じるものではなく,お尻に起こる事件です。
激しい疼痛と出血を伴う,お尻の大災害です。
そやから...ケツが痛いっちゅうてんねん! ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン
・・・・・・
のっけから失礼いたしました。
ミドル戦最終戦を目前にした数日間,季節の変わり目だから,っちゅうわけでもないんでしょうが,おとーさん,仕事ですごくイヤなこととすごくショックなこととすごく神経を使うことが立て続けに起こり,朝メシも昼メシも食えずに朝から晩までずーっと診察室で缶詰状態。その間トイレにも行けずに診察イスに座りっ放しで過ごしてるので,お尻の衛生上非常によろしくない状態。
そんなただでさえバテバテな状態で,仕事が終わってから遠方のショップまでタイヤを組み換えに走ったりするもんだから,さらにお尻がうっ血状態。
普段はおとーさん,Gとは無縁な生活を送ってるものの,こういう風に悪条件が重なると一時的なG状態となることがあります。
な,何かお尻がヘンだよう,痛いよう...。・゚・(つД`)・゚・。
おまけに競技会前夜もリアル残業で遅くなってしまい,朝から全然何も食ってない状態で帰宅後そのままガレージにこもって先日折れたシャフトのジョイントを打ち換えてたら,右足にこむら返りが起こって七転八倒。ふくらはぎのケイレンがなかなか治まらずに10分ぐらいガレージの床で悶絶しました。
い,痛ぇよ...右足のふくらはぎが痛ぇよ... (;´д⊂)
しかも,やっとのことで準備を終え,風呂入って寝ようとしたら...全然寝れねぇ (@_@;)
そんなこんなで,とっても清々しい競技会本番の朝を迎えます。
今シーズン最終戦っちゅうのに,間違いなく,これまでの公式戦本番の中で心身ともに最低・最悪のコンディションです。うぅ〜,痛いよ〜,しんどいよ〜,眠いよ〜 ヽ(;´Д`)ノ
朝もやの立ち込める名阪Eコース
いつものメンバーでもって針インターに集結,一列に並んで会場入りします。
さあ,ケツの痛みをこらえながら,走る前からGの存在を痛烈に感じながら,準備するべ。
特にタイヤをよいしょっと持ち上げる時や,タイヤ交換でしゃがみ込んだりする時にGを感じる...これは縦Gだな...今度は横Gだな...そやから,痛いっちゅうねん!
そして発表されたコースは,こ,これは地区戦ですか?全日本ですか?っていうぐらい複雑なロングコース。しかも最初はコース図の配布がなく,手書きのコース図を各自で覚えて慣熟歩行に出るという原始的なスタイル。いやぁ〜,昔はこういうのあったけどなぁ...懐かしい。っつーか,頭悪いからなかなかコース覚えられへんがな。
ミドル戦では滅多に見られないロングコース
コース前半は大きな島回りと180度のサイドターン1発をからめたテクニカルセクション中心で,後半はホームストレートとインフィールドを横に使ったストレート,外周をぐるっと回ってくる高速セクション中心。
おとーさん的には,苦手な前半のテクニカルセクションを無難に乗り切り,後半の高速セクションでタイムを稼ぐ,という単純な作戦で。いや,作戦じゃないだろそれは(笑)。
しかし実際にコースを歩くと,ストレートで踏みっ切りにできる区間は案外短く,脱出部分に置かれたイヤな規制パイロンのおかげで,アンダーでストレートに飛び出して来ることができず何だか走りにくそうな印象。外周も,途中でシケイン的にパイロンを引っかける部分があるので踏みっ切りでは行けない。後半の高速セクションも,いつもより難易度高め。
しかも,コースが長いので慣熟歩行もいつもより時間がかかるかかる。
ケツが痛いだけじゃなく,昨夜のこむら返りの後遺症で右足のふくらはぎも痛いのにさ(泣)。
ということで,朝から既にかなりバテバテの状態で1本目の走行を迎えます。
路面はひんやりしてますが,フロントはWTHコンパウンドで行けるでしょう。サイドがあるのでリアにもWTHコンパウンドのタイヤを履いて。空気圧のセッティングはだいぶ悩みましたが,いつもの圧で行くことにします。
早めに不惑インテ号に乗り込み精神統一を図ろうとしますが...ダメです。
どうしても集中できません。心臓はバクバクいってて緊張はしてるのに,頭はボーっとして一向にテンションが上がらへん。あろうことか,メットの中で生あくびが出てくる始末。
いつものような「さあ,いくでぇ」っていう気持ちにならず,どことなく投げやりな「どうでもいいよぉ,ケツ痛いしさ」みたいなモード...アカンがな。
案の定,1本目スタートで思いっきりホイールスピンした上に,走り出してすぐに1コーナーで大スピン。カウンターを当てる間もなくリアがアウトにすっ飛んで行ってしまって万事休す。
バックでえっちらおっちら切り替えしてコース復帰。ここは駐車場ですか車庫入れですか。
いつもならそこで気を取り直して,スピン後は真面目に走れるのですが,どうにもダメ。
島回りではステアの戻しが間に合わずにフラフラ〜,サイド区間への進入でもリアがすっ飛んでしまってとてもサイドターン決める姿勢になれなかったり,余計なところを2速のままで回ったり,最後の外周のシケインで気がついたら1速にまで落としてたり...もうボロボロ。
そして一番怖いことは,走ってる間の記憶があんまり残ってないこと...
いつもなら,走ってる間の自分の頭の中の思考や視覚イメージがある程度「流れ」として再生できるけど,走り終わって走行を振り返っても,大失敗したところの断片的な静止画像が出てくるだけで,頭の中で動画として再生できない...頭悪すぎ...っていうか脳ミソ全然はたらいてないよ,ママン。
...走り終わって,かなーり落ち込みました。
情けなさ過ぎて涙出そうです。お尻も痛過ぎて血が出そうです。
180さんに撮っていただいた自分の走行ビデオを見ますが,ひど過ぎて上位陣と比べることもできません。スピンした部分を差し引いてもトップと3秒以上開いてます。2本目に向かって修正すべき点を考えようにも,良い所が全くないので何も考えられません。
...もういいよ,今日は。
しんどいしさ,眠いしさ。ケツも痛いし横Gだしさ。
そもそもこんなドンくさい運動神経切れてるオヤジが公式戦の表彰台とか年間表彰なんて無理なんだよ。無理しないでさ,もうテキトーに走って帰ろうぜ。ラクに行こうぜ,ラクに。
心のどこかからそういう声が聞こえてきます(幻聴かい)。
でも一方で,「それでいいのか? ホントにいいのか?」っていう声も聞こえます。
思えばこの1年,時間もない金もない中で,熱意だけを頼りにとりあえずN2クラス6位近辺に定着することはできました。クルマに関しても走りに関しても自分の体力に関しても,たぶん...かなり「努力」はしてる方だと思います。その中でやっとあと一歩までこぎつけた表彰台,そして年間表彰の座...そんな簡単にあきらめちゃっていいの?
...あきらめられませんよ,やっぱり。
横Gなんかにゃ負けられません。
気がついたら師匠に電話してました。
リアがすっ飛んでしまう症状を話し,リアのタイヤをTRコンパウンドに戻すことに。
お昼の慣熟歩行も,みんなが適当に引き上げて行く中,最後の最後までケツとふくらはぎの痛みを堪えてしつこくラインを確認します。コースが長いので最後は足が棒。
でも,できるだけのことはやりましょう。最終戦ですから。
走行前は早めにパドックに戻り,思い切り自分に気合を入れます。
ともすれば眠気で霞んでくる頭を振り絞ってコースのイメトレをします。
「よし!」
声を出して不惑インテ号に乗り込みます。いつもながらヘンなヤツです。
走行待ちの列にも早めにつき,腕やら肩やら動かして筋肉を暖めておきます。
1本目よりはだいぶ気合が入ってます。いつものおとーさんに戻ってきました。
おとーさんの前は同じクラブのS屋さん,その前はシビックのS脇さん。気になるライバル達が次々にスタートラインから飛び出して行きます。
そしていよいよおとーさんの番。
今回スターターのお兄さんはこっち向いて旗をぱあっと振るだけ。
自分で3・2・1とカウントして走り出します。
1本目は思いっきりホイールスピンしてしまったのでエンジン回転は抑え気味にして慎重にするするっと走りだします。
あっという間に1コーナーが目の前に迫ります。
早めにブレーキを踏んで,あまりGをためずに真直ぐ目に進入して...
ところがまたしてもリアがぐりーんとアウトにすっ飛んで行きます。
ぐわああああっ! 負けるかあっ! 横Gめぇっ!(これは本来の意味の「横G」です)
必死でフルカウンターを当て,「ここでスロットル緩めたら今日は終わりじゃああ〜」っと意地でアクセルを踏み込みクルマを前に進めます。
おとーさんの決死の努力が実り,リアの流れは途中で止って,フロントが縁石に深めに乗っただけで無事コーナーを脱出できました。コンマ数秒のロスはしてるでしょうが,勝負をあきらめるほどの大チョンボではありません。気を取り直して,次のセクションに向かいます。
次はおとーさん宿敵の島回りセクション。
なるべくスピードを殺し過ぎないように進入。島の4つの角の縁石をなるべく直線的に結ぶように小さく小さく回ります。最後の縁石に乗りすぎてアンダーになってしまい,外周に出るところで若干スロットルを緩めてしまいますが,必死でステアと格闘してラインに復帰。しかしやはり体力低下のためステアがいつもよりもずっと重く感じ,ステアの戻しは遅れ気味です。
島を1周半ほど回って中央の広場に置いてあるパイロンを180度ターン。
若干広場への進入を抑え気味にしたため先ほどのようにハデに姿勢を崩すことはありませんでしたが,やはりターンはキレイには決まらず。グリップ気味に立ち上がってスタート方面に向かい,ホームストレートに出ます。
さあ,ここからがおとーさんの得意領域。
スロットルをがーんと床まで踏んで短いストレートを3速全開で駆け抜け次のコーナーへ。
いったん1速まで落としてすぐにまた2→3速と上げながらインフィールドを真っ直ぐに走って再び1コーナーへ。どどーんとブレーキを踏んで1コーナーを回り,今度は外周を走り出します。
さっき180度ターンした中央広場のパイロンをシケイン的にひっかけてまた外周を。
1本目ではここで1速まで落として失速してるので2速のままでスピードを殺さないように抜けていきます。それでもやはりおとーさん,パイロンを見るとうまく狙ったラインを走れません。若干ラインを外し「チッ」とか思いながら外周の一番奥のヘアピンへ3速全開で。
ここは無難に抜けて,最終のパイロンをちょんブレでかわしながらゴール!
ぜいぜい,はあはあ...ホントに息も絶え絶えといった感じですが。
...この時点でおとーさんのタイムは4位。
でもすぐに上位ドライバーさん達にかわされて,かわされて...結局,また6位。
また6位ですか...今季3回目やがな..._| ̄|○
5位は美人の女性ドライバーさん。おとーさん,隣で何だか妙にうれしそう(笑)
ま,でも今回,これまでで最悪のコンディションで苦手なコースを走って6位。
師匠がお仕事で忙しくて来られず,ラインも全部自分で考えて走って6位。
1本目で大スピンかまし,あれだけみんなから「最初は抑えて行くんやで」と言われていたにもかかわらず,またしても1コーナーでスピンしかかったことは深く反省するにしても,フルカウンターを当てながらとりあえずクルマを前に進めてリカバリーできたことは(後でビデオで見たら,ホンマにフルカウンターです),まあがんばったかなと。
Gには勝ったが,Gには負けた...ってとこでしょうか(全く意味不明)。
年間シリーズポイントは,前戦まで同ポイントで並んでいたドライバーさんが今回おとーさんより上位で入賞されたため,最終的に7位となり(有効ポイント6戦で計算),6位に入って年間表彰を受ける夢は結局果せませんでした。
・・・・・・
2006年近畿地区ミドルシリーズは終わりました。
日が沈むのがめっきり早くなり,表彰式が終わったパドックにはすでに夕闇が忍び寄っています。1台,また1台,後片付けの終わったクルマが帰って行き,パドックからは闘いの余韻が次第に薄れて行きます。
時おりわたる風はすでにひんやりした冷気をはらんでおり,パドック脇の草むらから聞こえる虫の声は寂しげです。
しかしクラブの仲間や,今回僅差で7位だったシビックのS脇さん達と,今日の走りのこと,来年のことなんか話しながらだらだら後片付けをしていると,その一角だけはいつまでも熱く盛り上がっていて,楽しくって楽しくって,いつまでもこの日が終わって欲しくないような不思議な気持ちになります。
相変わらずケツは痛いし,気のせいか軽い頭痛と悪寒もしてるのですが,楽しくって体調の悪さが気になりません。
来年に向けての練習課題は,とりあえずはっきりしてます。
クルマの方も,オフの間に手を入れるところは決めてます。
やることをしっかりやって,そして来年にはまたこいつら(失礼)と一緒に走るんや。コンマ数秒を競いあうんや。そう思うと,結局表彰台には上れなかったり年間表彰を逃したりした悔しさは不思議と感じず,来年に向けてのワクワクした気持ちだけが心の中で膨らんで来ます。
「仲間」がいることの大事さ。
「楽しさ」の鍵はこれなんだな,と思いました。
来年もおとーさんは仲間と走ります。誰が何と言おうとこんな楽しいことは止められません。
たとえお尻が火を噴こうとも,おとーさんは楽しく走り続けます。
PS:
師匠,電話でのアドバイスありがとうございました。来年もよろしくお願いします!
37すぺっくさん,来年も一緒にがんばりましょう!コソ練,行こね。
ミラポンさん,シリーズチャンプおめでとうございます!地区戦でもがんばって下さい。
180さん,ビデオ撮影ありがとうございました!来年は同クラス。お手柔らかに願います。
S脇さん(ここ見てる?),今回は200ccに助けられました。来年は一緒に表彰台に上がりましょう!
クラブ員のみなさん,1年間ありがとうございました。来年もどうぞよろしくです!
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