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ガス欠に御用心 〜2006年ミドル第3戦〜


ジムカーナの公式戦本番はある意味,お祭りのようなもの...

普段はいろいろな職に就きいろいろな生活を送っている者達が,当日早朝6時,全国各地から競技会場に続々と馳せ参じ,そして全員がたった1分ちょっとのコースを順番に午前午後の各1回だけ命がけで走る。そのわずかなタイム差を競って,勝者と敗者が別れていく...

競技の時間はあっという間に過ぎ去ってしまい,翌日の朝,我々を迎えるのは醒め切った現実。それぞれの日常生活の中に戻って行った敗者たちは,次戦での捲土重来を誓いながらほろ苦い日々を送り,限られた勝者だけが密かに美酒をチビリチビリ愉しむ...


・・・・・・


月に何回も走りに行ける幸せな人は別にして,おとーさんのようにせいぜい1-2ヶ月に1回しか競技に出られない人間にとって,競技本番というのは正に日ごろの鍛錬の成果を発表する晴れ舞台であり一大イベント,お祭りであります。

そういう人間にとっては,日常生活というのはお祭りの準備のためにあるのであり,毎日毎日,前回のお祭りの余韻を振り返り,そして次回のお祭りを楽しみにする,それが生活であり人生となっています。

当然ながら祭りの次の日は最も虚脱する日でもあり,祭りの余韻が最も濃厚に残っている日でもあり,まるでナニの後のようにゼイゼイハアハアな状態でもあるわけです。違うか。


近畿地区ミドル第3戦の日の翌朝,おとーさんを迎えたものは,やはり激しく醒め切った日常生活でした。しかし,6月1日からの職場のシステム大幅変更を控えゲロ忙しい1日を送りながらも,おとーさんの脳裏には昨日の自分の走りについてのいろいろな想いが浮かんでは消え。


いや,要するに仕事に全く集中できてない(笑)


ふと気を許すとすぐに心は昨日の名阪スポーツランドに逆戻り...


その日,出だしは好調でした。
心配された雨は前夜のうちに何とか上がり,路面は所々にちょっと水たまりがある程度。競技車が走り出せばすぐに路面は乾くでしょう。
空はまだどよ〜んとしてますが,天気予報では日中はもう雨は降らないとのこと。



↑こ〜んなカンジの曇り空。左は37スペック号,右はミラポン号。


そして発表されたコースは,まるでおとーさんのために誂えてくれたのかと言いたくなるぐらい外周を多目に使ったハイスピードコース。島回り区間やS字連続はありますが,何つってもEコースとは違って走り慣れたCコース。大体の走行ラインは知ってます。最近のおとーさんはとにかく直線番長。外周ハイスピード区間の速度の伸び(だけ)には自信があります。



↑比較的シンプルなコースながら案外覚えにくかった(汗)

すいません。ホント,生意気ですいません。

おとーさん,実は心中「今日こそ表彰台はもらった ( ̄ー ̄) ニヤリ」と思いましたね(汗)。


...しかし世の中,そううまくは行きません。


エントリーリストを見てますと,前回も出場されていたミドルシリーズ元・卒業生のベテランドライバーさんも出てるし,何とチャンピオン戦(ミドル戦の上位カテゴリー,この上が全日本っすね)でポイントを取ってる超ベテランドライバーさんが何故か今回ミドル戦にご降臨。何でぇぇぇ〜? N2クラス上位連の層の厚さはちょっと異様です (;´д⊂)

そして昨年末の雨の練習会でどうしても勝つことのできなかったミラージュ使いの達人,Yさんも同じクラスにエントリー。ヤ,ヤバイよ... f(^-^;)


期待と不安で胸が張り裂けそうになりながら,おとーさん,1本目のスタートを迎えます。


午後から雨が降る可能性も絶対にないとは言えないお天気の下,また,これまでの経験値や実績では絶対に勝ち目のないライバルだらけの中,とりあえず1本目も手を抜かず精一杯攻める覚悟でスタートラインにつきます。さあ,全身にみなぎってくるこの緊張感,この気合!


ポイントは,前回師匠からも指摘され,自分でも弱点であると自負する,ストレートや外周からインフィールドへの突っ込みブレーキング。何としてもぬるいブレーキングだけはすまい! ヘルメットの奥で「突っ込め,突っ込め」と危ないセリフをつぶやきながら走り出したおとーさんでしたが。


まず1コーナー。


手前がまだ少しウェット状態にもかかわらず,まだ冷えてるタイヤのことも考えず,思いっきりブレーキを遅らせてギリギリで突っ込みます。


ずどどどどど,っというカンジでリアがロックして少し左に流れますが,そのままの勢いで縁石に乗っかってぐりぐり旋回,インフィールドに折り返して島回りの2コーナーへ向かいます。ここからのS字区間も思い切りブレーキを遅らせ,ブレーキでリアを動かしてクリアするつもりでしたが...


気がついたら,リアがぐり〜んとフロントを追い越して前に行っちゃってます。

お〜いキミ,先に行っちゃダメだよ〜 (;´д⊂)

不惑インテ号はキレイに半円状の弧を描き,コース間の島の中にお尻からすべり込みます。
すべり込みセーフ! じゃない,アウト〜!

そして,後ろ向きに停まったおとーさんのちょうど目の前にオフィシャルさんが。
ニヤリと笑って黄色い旗をデンと突き出してくれます。ありがとうございます。お仕事ご苦労様です。この黄色い旗は「脱輪」によるペナルティの合図ですね。

「ミスコース」扱いだと黒旗が提示され,その後走行を続けてもいいかどうかはケース・バイ・ケースになりますが,黄旗はそのまま走行を続けても問題ありません。もちろんペナルティで5秒加算されますから,もうタイムは勝負圏外になりますけど。でも2本目に向けて大事なデータ収集の機会ですから,その後も投げずに思い切り攻め続けます。


しかしその後コースの後半にさしかかってもやはりリアが不安定で,あまりブレーキを詰めるとリアが簡単にブレイクしてしまう感じ。今回使用してるタイヤは,フロントはまだ前回のミドル戦で本番2本走っただけの新品に近いタイヤですが,リアはもう半年以上使い込んで山も肩も結構減ってるタイヤ。ウェット用およびリア用でしか使ってないからまだまだ使えると思ってましたが,ちょっとマズかったかも。


結局1本目はフルパワーで攻め込んだものの,気合が空回りするような結果となりました。しかも脱輪したのはタイヤ4本全部と判定され,脱輪4本,つまり5秒×4で20秒ペナルティ加算。みんなが1分フラット近辺で戦ってるのに一人おとーさんのタイムだけ1分30秒台。もちろんぶっちぎりのビリですがな。わははは '`,、'`,、(´∀`) '`,、'`,、


とりあえず午後から雨にならないことだけを祈りながら他のクラブ員の走行を見守ります。
今日は師匠が来られないとのことで,みな今一つ気合いに欠けた走り。白兄だけがクラストップのタイムで折り返します。
おとーさんがスピンしたコーナーでは他にも何台か同じようにスピンしていたので,どうもスピンしやすい場所であることは間違いなさそう。


お昼の慣熟歩行の時,今回はコースオフィシャルをされてる2004年度ミドルN2チャンプのMさんに「2コーナーでいきなり回っちゃいましたw」って報告したら,「3コーナーぐらいまではタイヤも温まってないし,100%では行かず気持ち抑えて,探りつつ走るもんですよ」って教えていただきました。うーむ,戸愚呂弟風に言うと「90%...バキバキバキ」ってところでしょうか(意味不明)。いきなり100%のフルパワーで走り出すから自爆するわけです。


お陽様が顔を出して路面をジリジリ照らし気温が上がってジワジワ蒸し暑くなる中,今日も時間ギリギリまでコース上を歩き回り,何とか2本目の走りのイメージを頭の中に作ろうとします。Mさんが「あんまり抑えようとすると今度はまた抑え過ぎてしまったりするので,意識し過ぎないで下さいね」って言ってたのを思い出しながら,力の入れ具合を含めて2本目の走りを頭の中で再構成します。


2本目に向けてタイヤの空気圧を再調整,ショックもリアだけ少し硬めに調整します。これで少しはリアがズルズルするのが抑えられるかな(実はよく分かってない)。


さあ2本目勝負!いくぞ!
路面温度はかなり上がってますが,みんな0.3〜0.5秒ぐらいのタイムアップに留まってます。
もちろん1本目が1分30秒台のおとーさんは,30秒以上タイムを縮めないと入賞圏内にも届きません。そ,そんなにタイム削れるのか? ヽ(´ー`)ノ


なんてことを考えながら,同じN2クラスの37すぺっくさんの走りまで見たところで慌てて自分のクルマの所に駆け戻り,シートベルトを締めてエンジンをかけます。もう,すぐに出走待ちの列に並ばないと。


と,その時,重大なことに気がつきました。


ガソリン残量の警告灯がほのかに明るいのですが...

このガソリン量じゃ,ヤバイ?ねえ,ヤバイ? f(^-^;)

補給用のガソリンはもちろん携行缶で10リットル持ってきてます。お昼休みに5リットルほど補給しようと思ってたのにすっかり忘れてました。しかし,この時点で慌ててクルマを飛び降りて補給すれば間に合ったでしょう。

ところが警告灯は慌てるおとーさんを嘲笑うかのように目の前でスーッとまた消えていきます。

ここで迷いが生じます。いや,警告灯消えたし大丈夫だよ。ほら,もう走行待ちの列も進んでるし並ばなきゃ...大丈夫だよ,大丈夫。以前の練習会でもこのくらいのガソリン残量で走ったことあったけど大丈夫だったじゃない...

それでも,ここで光電管トラブルでもあって走行待ちの列が少しでも止まってくれれば,おとーさんは迷わずクルマを降りてガソリンを入れたでしょう。しかし,この日はここまで再三光電管トラブルで出走が滞ってたにもかかわらず,こういう時に限って無情にも列はスムースにどんどん進みます。

えーい,もういいや!大丈夫だよ,大丈夫!

もうガソリン残量は気にせず走ることにしました。
そしてこの時点でおとーさんの3戦連続入賞はなくなりました(笑)。


ガソリン残量警告灯の方をあえて見ないようにして,不惑インテ号を列にそって進ませますが,おとーさん,ギリギリまで同クラスの走行を見てた上にガソリン残量のドタバタで大慌てしたせいで,いつもよりかなり冷静さを欠いてます。突っ込みブレーキングの部分のイメトレをしようとしますが,なかなか集中して頭の中に走行映像を作ることができません。おまけにボーっとして前走車に追突しそうになったり(H谷さん,すいません--汗--)。


何だかダメダメな心理状態なまま,とりあえず気合いだけ十分に入れて,1本目と同じく「突っ込め!突っ込め!」と危ないセリフをぶつぶつつぶやきながらスタートラインに。

前走のH谷さんのインテがコース後半にさしかかり...スターターのお兄さんがこっちに向き直って...3...2...1...GO!

焦って回転がやや上がりきってない状態でクラッチミート。
大人し〜く,するするっと走り出します。

まずはイトウ工業コーナーに2速全開からフルブレーキングで飛び込み!
...のつもりが,ヌルいなぁ...1本目の方が攻めてたかなぁ... f(^-^;)

そして1本目でスピンした島回りの2コーナー。気持ち抑えて戸愚呂弟90%状態でクリア(意味不明)。そのままオニギリの頂点まで真っ直ぐ突っ込んで...のつもりが,何だか中途半端になってしまい2速のままアクセルを踏み足し。カコワリイ。

真ん中のストレートに折り返し,再びイトウ工業コーナーに斜めに突入!
うーん,ここも1本目の方が攻めてたような...

そして外周を立ち上がり,一番左奥のコーナーを180度折り返して小さい島回りに。
自分では必死に攻めてたつもりなんですが,後で,すぐ近くでオフィシャルとしてみんなの走りを見てたMさんに「パーシャルスロットルでコントロールしながら走ろうとしてて,みんなが踏んでる所で踏めてなかったですね」と御指摘を受けるぬる〜い走りになってました。

さあ,ここを抜けてしまえば後は外周のS字から右奥のヘアピンを回って立ち上がってくるだけ。ここはスピードの乗るおとーさん得意の領域。

よ〜し!逝け〜!
実際に声に出して叫びながらS字に思い切り突っ込み,右奥のヘアピンに向けて早目からアクセル全開で抜けます。スピードが乗ってる証拠にヘアピン手前でキッチリ3速まで入ります。

そして3→2→1とシフトダウンしながらヘアピンに突っ込みブレーキ,よし!立ち上がるぞ,って時に異変が起こります...

あれ?クルマが前に出ないぞ σ(゜Д゜;)?

ギアが抜けたのかと思い慌てて確かめますが,ちゃんと1速に入ってます。
でも失速したのはほんの一瞬で,すぐに不惑インテ号は正気を取り戻しフル加速体勢に戻ります。

さっきの失速は,アレ,一体何? σ(゜Д゜;)?

と思いながらも最後のパイロンシケインを無難に抜けてゴール!

急いで窓を開けますが,大したことないタイムのようで,アナウンスも静か。タイムも順位も聞き取れません。ひょっとして再車検場に呼ばれないかと,かすかな期待をしながら未練たらしくノロノロとパドックの方に戻りますが,オフィシャルはみんな知らん顔。「お呼びでないよ!とっとと自分のパドックに帰りな!」ってカンジの冷たさです(笑)。

あ,やっぱりダメだったのね...ってカンジですごすごと自分のパドックに戻り,エンジンを切ろうとした時に気がついたのですが...

ガソリン残量の警告灯がまたほのかに明るいのですが...(爆)

しかも今度は消えません。ずーっと点灯したまま。
要するにもうガソリンありません(笑)。
さっきの一瞬の失速も,ヘアピンに突っ込んで一番横Gのかかるところだったので,おそらく一瞬ガス欠の症状が出たのだ,ということで納得が行きます。納得したくないけど(泣)。


ということで,6位の方にわずか0.12秒差でおとーさんは7位。
何とかシリーズポイントは地味にゲットしましたが,表彰式では前に呼ばれず。ここ2戦は前に出ていただけに寂しさもひとしお (;´д⊂) 表彰式の写真なんかなしぢゃ!

今回は師匠がお仕事で来られなかったせいか,クラブ員一同,今一つの成績。
おとーさんは入賞を逃し,開幕から2戦連続優勝で来ていたミラポンさんも3位に。1本目1位だった白兄も2本目で逆転されて5位。宇野さんも6位に入られたものの,前回はPTがなければぶっちぎり1位のタイムを出してただけに納得行かない結果でしょう。俺たち,やっぱり師匠がいないとダメなんか...当たり前のことをしっかり確認しました f(^-^;)


シビックのSさんも,クラッチトラブルを抱えながら激走されましたが,前回に続いて思ったような結果が出ず「ジムカーナおもろない」を連発されてました(笑)。大丈夫。あなたの速さは変わってないはず。コースがクルマに合えば絶対にまた上位に来ますよ。インテの牙城にシビックで挑み続けるあなたの姿勢はマジ尊敬に値する。次もがんばるのじゃ!
...おーい,だからライバルを力一杯応援してたらダメなんだってば(笑)。


・・・・・・


家に帰ってから,ストップウォッチ片手に何度も何度も何度も何度も走行ビデオを見直したところ(ももさん,ミラポンさん撮影ありがとう!),おとーさんが特に遅かったのはやはり中間部のインフィールド区間。特に島回り前後のわずか10秒ほどの間でトップの人に0.4-0.5秒は離されてる。

逆に,ガス欠症状の出た外周区間は,それでもトップと全く同タイム。ビデオを見る限りほとんど失速してるのは分からないぐらいの一瞬だけど,本来ならトップよりも速いタイムで抜けられたかもしれない部分をわずかながらロスって入賞を逃したんだなあ...



※撮影:ミラポンさん Special Thanks!


3月・4月・5月と例外的に3ヶ月連続で出場できたおとーさんですが,嫁さんのご機嫌もタイヤ代ももうこのあたりが限界。つまり6月の姫路セントラルパークで行われるミドル第4戦はすでに欠場決定。7月下旬にまた名阪Cコースで行われるミドル第5戦まではお休みです。

2ヶ月のほどのミニ・オフの間,もうギリギリまで消耗してるブレーキ系のミニ・メンテと共に,しっかり低速区間の走り方とブレーキングを見直さないと...また雁が原に行かなきゃな...


あ,それと...


ガソリン入れとかなきゃ(笑)


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