ダメダメな日 〜2012近畿地区戦開幕戦〜
何をやってもダメな日,もがけばもがくほど深みにはまってどうにもならない日ってありますよね。先週の日曜日,近畿地区戦開幕の日はおとーさんにとってそんな1日になってしまいました。
思えば1週間前の日曜日にブレーキドラムが欠けた時から不吉な雰囲気は漂ってました。
そしてその3日後の水曜日には突然熱が出て全身に関節痛が。
「インフルエンザキタ━━━━(°Д°)━━━━!!?」
と焦りましたが,幸いフルではなかったのか,あるいはワクチンのおかげで不顕性発症で済んだのか,3日で熱は引き前日の土曜日にはすっかり元気になってましたが,何だか開幕に向けて盛り上がった気持ちにすっかり水を注されてイヤな雰囲気です。
当日の朝もクラブ員で名阪スポーツランドのゲート前で集合のつもりが,勝手に先に会場に入ってるヤツはいるわ,いつまで経っても来ないヤツはいるわで180さんと2人で延々待ちぼうけに。そうか。おとーさんの連絡不行き届きが原因だな(笑)。
他にも,内容は書けませんが朝からすごくイヤなことがあり,雲一つない抜けるような早春の青空とは対照的におとーさんの心は深く沈み込んで行きます。いや,今はとりあえず走ることに専念しよう。要らん事考えず,目の前のコースに集中しよう。そう自分に言い聞かせてないとすぐに思考があさっての方向に逸れて行ってしまいます。
車検の後に短いテストランがありますが,ここを走るのは4ヶ月ぶり? 外周を半周ほどさらっと流すぐらいではCコースのリズムは思い出せません。
※初めてステッカーもきちんとそろえて気合入ってたんですけどね...
ライバルの多くが先週の練習会でCコースをたんまり走りこんでいることを考えると,ブッツケ本番のおとーさんとしては事前練習の差が出にくいこてこてテクニカルかつロングコースが有難かったのですが,発表された本番コースは,前半にちょっとテクニカルな部分があるものの,後はオニギリ回りやイケイケ外周セクションなど「いかにもCコースらしい」しかもショートコース設定。ここでも事態はおとーさんの思惑からどんどん外れていきます。
※赤字でゴチャゴチャ書き込んでるのは気にするな(笑)。
ミドル戦のスーパーラップのように3本目を走れたり,全日本やJAFカップのように2デイイベントだと,仕事が忙しく普段どうしても練習できない常時ブッツケ本番のオッサンでも徐々に調子を上げていって最後の1本で勝負,なんてことができますが,地区戦はオーソドックスな2本だけの勝負。どうしたって2本だけで自分の全てを出さないといけません。
ということは今回のおとーさんにとっては2本目が真剣勝負。1本目は,タイムや順位よりもいかに自分の感覚を取り戻し2本目の全力走行に向けての情報を収集できるか,これに尽きる。
最終的に決勝タイムで大きく差がつきそうなのはコース前半のダブルフリーターンと中盤のオニギリ回りの処理。コース後半の外周はそれほどタイム差はつかないっぽい。ということは1本目でこの前半〜中盤のセクションを若干冒険気味に走ってしっかり情報収集しないと。
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さあ,1本目のスタートラインにつきます。
フラッグが翻り,ずさささっとややホイールスピン多めでスタート。
最初の右に折れる部分は2速のままイトウ工業コーナーの島まで一気に突っ込み1速に落とします。車速は微妙なところですが2速のままだと立ち上がりがだらーっとしてしまうこと確実なので,1速で入りコーナーの途中で2速に入れながら立ち上がる作戦で。
そしてここを立ち上がるともういきなりコース最大の山場,ダブルフリーターンセクションに。
パイロン2個で結ばれた線をまたいで向こうで180度,こっちで180度というターンをすればいいので,8の字でもいいしサブロク(360度)でもいい。ただこれは間違いなくサブロクの方がタイム的には速いでしょう。
あとは右回りにするか左回りで行くかですが...立ち上がりを考えると右ターンの方が視界が開けており真っ直ぐ進めばいいので有利。ただイトウ工業の島を左回りで立ち上がった後なのでGの切り返しを考えると左回りの方が失敗のリスクは低い。
おとーさんの場合,左ターンの方が元々得意で旋回半径をコントロールしやすいので,左回りを選択。わずかに回り過ぎて立ち上がりが若干詰まりますが,クルクルっと小さくきれいに回ることができました。この辺りは1月2月の厳寒の練習会で走りこんだ成果ですね。
さあこの後はオニギリ回り。旋回半径と旋回速度に気をつけて丁寧に回ります。速くはないけど大きなミスはなく無難に走り抜けます。
そして奥の外周に立ち上がりもう1回インフィールドに入りますが,ここでブレーキングを遅らせ過ぎてアウトにはらみコースアウトしそうになって痛恨のアクセルオフ。リズムが乱れてしまってその後のイトウ工業の島でも突っ込み過ぎてフロントタイヤが「いやあぁぁ!らめえぇぇ!」の状態に(笑)。大アンダーでかなりタイムをロス。やっちまいました。
その後は本来大好きなはずの外周をぐるっと一回り高速セクション。
しかし久々に走る名阪Cの外周は,初めて走る峠のブラインドコーナーのようにおとーさんのリズムを拒みます。一生懸命縁石に乗ってガツガツ攻めますが,乗れてない,踏み切れてない。ちょうど2009年のミドル第2戦,久々に走るこのCコースにアジャストし切れなかった時と同じ雰囲気です(→その時の参戦レポート)。
結局リズムを掴みきれない「なんだかなぁ」な状態のままでゴール!
タイムはトップから3秒落ちで9台中の7位!
わっはっはっはーーー!(≧▽≦)
ダメ過ぎるだろ..._| ̄|○
公表された区間タイムを見ても前半後半まんべんなく遅いため,3秒という大差には対策の立てようもありません。
今回エントリーしてるクラブ員の出走順は近く,ギャラリーも誰も来ていないため,ビデオ撮影を頼む人がおらず外撮りのビデオはありません。車載ビデオでは今一つどこが遅いのかつかめないため,何としても外撮りのビデオが欲しいところですが,ないものはしょうがない。いつも快くビデオ撮影をして下さるクラブ員の方々の有難さが身にしみます。
ロガーはつけていますが解析するノートPCがありません。ライバルの何人かはしっかりロガーのデータを見て2本目にさらにタイムアップするための秘策を練っていますがおとーさんは指をくわえてコースを眺めているだけ。
仕方なく恥を忍んでおとーさんの走りを見てた人,いろんな人にコメントを求めまくります。今回はジムカーナ観戦ツアーを率いて会場に来ているかつてのライバル・ライムM井君にもしつこくコメントを迫り「ステアリングを切り過ぎてた」「ターンはきれいに回ってたけど立ち上がりが一瞬詰まった」「イケイケなはずの外周でいつもほど踏めてなかった」などの鋭いコメントを得ました。ありがとうM井クン!
自分でも自覚してる大失敗はオニギリ周りを抜けてインフィールドに入る部分とその後のイトウ工業の島の入り。間違いなくこの2つで1秒〜1秒半は落としてる。あとはターンの立ち上がりで0.5秒,外周踏めてないので0.5秒...ただこれら全てを完璧にカバーできてもまだトップには0.5秒〜1秒は足りない。タイヤをきっちり縦に使うことを意識して残りを埋めることができるか...無理だろうな(汗)。
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朝から続く「何だかなぁ」な気分を抱えたままお昼の慣熟歩行をとぼとぼ歩きます。今日はどんなにがんばっても勝てる気が全くしません。表彰台にすらとても届きそうにない。せっかく2年ぶりに帰ってきた地区戦だというのに「楽しさ」はどこにもない。何しに来たんだろ,オレ。
おとーさんのブルーな気分に呼応するかのように,朝はあんなにスッキリ晴れ上がっていた空もいつの間にかすっかり暗い雲に覆われ今にも降り出しそうな気配。いや,2本目の始まる頃には本当にポツリポツリ降って来ました。
...いや,しかし,ここへたどり着くまでの苦労を思え。
2年前,全日本で勝ち「さあこれから」という時にデミ助をいったん下り,ひたすら真面目にお仕事と家事手伝い(笑)に邁進してきたのは,末永くジムカーナを楽しむことのできる生活基盤を作るためではなかったのか。
昨年の秋,やっとジムカーナに復帰できたと思ったら復帰戦の地区戦が台風による豪雨で流されてしまい,それでもミドルのGT1クラスでVTEC軍団やハイパワーFR勢に混じってリハビリの汗を流したのはこの日のためではなかったのか。
寒い寒い冬の間も嫁様を拝み倒して練習会に出てサイドをガコガコ引きまくったのは,毎晩必死で筋トレしたのは,この開幕戦で表彰台に立つためではなかったのか。
がんばれ,オッサン。しっかりせえ,オッサン。
楽しいだろ? 楽しいはずだろ? 2年ぶりの地区戦だぞ。夢にまで見た復帰戦だぞ。
パラつく雨はせっかく少しだけ温もっていた路面をしっとり冷やし,ドライバーはみな2本目の走行を前に不安げな表情で空を見上げます。風も強くなり,そこここで空になったコンビニ袋を高く高く巻き上げています。
やっぱり晴れない心を抱えたまま,おとーさんもスタート待ちの車列にデミ助を並べます。クルマは1台1台に前に進んでいきますがいつものようなワクワクした気持ちにはなれません。何だか逃げ出したいようなイヤな緊張感だけが胸いっぱいに広がっています。
出走前にざーっと降って来ることだけは避けて欲しかったのですが,スタート待ちで並んでる間にぱらぱら降ってくる水滴は何とか止まり,ほぼドライで2本目のスタートラインに着くことが出来ました。しかし路面温度は1本目より5℃も下がり,走り始めのリアのグリップには注意が必要そう。
とにかくステアを切り過ぎないように,タイヤを縦に使うことを意識して,1本目より丁寧に走りました。1本目で大チョンボしたところは無難に切り抜けましたし,最後の外周は自分のリカバリー力を信じて精一杯踏み切りました。
走り終わった時点では快心の走りのつもりでしたが,車検場には全く呼ばれずそのままパドックにお帰り〜。後で確認するとタイムは1本目より0.5秒アップに留まり,順位は1つだけ上がって6位で終了でした。
家に帰ってからやっとロガーのデータを確認することができましたが,これで事態が理解できました。
2本目はラインこそ整ったものの「丁寧に」という意識が強すぎてコーナリングスピードが遅く,特にオニギリの部分は本来の想定スピードより1角につきコンマ数秒ずつロスってます。インフィールドに入ってイトウ工業の島に向かう部分も,ミスはしていないものの攻め切れておらず,コンマ数秒の空走区間があります。
最後の外周だけはがんばっており,特にS字の前後は全日本で優勝した時の走りから0.1〜0.2秒遅れでまとめてますが,最後のパイロンをひっかける部分は攻めきれてません。
全体をまとめると,1本目より大きく稼いだ部分もあるものの細かいところでぬるくなって小刻みにタイムを吐き出しており,結果的に0.5秒のアップに留まった,ということですね。
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全クラスが走り終わり表彰式になる頃にはパラつく雨は雪に変わり,吹きすさぶ風も手伝って次第に吹雪の状態になります。3月のなごり雪と呼ぶにはあまりに厳しいガチの雪です。
※雪はデジカメではなかなかうまく写りません(笑)。
表彰式の後は抽選大会ですが,90数人のエントラントの大半にはハズレでも何らかの景品が当るというのに,ウチのクラブの4人中3人には何も,全く何も当らず。もちろんクラブ代表のおとーさんにも何も当りませんよ。
そしてダメダメな1日の最後の最後にもう一つやらかしました。
ガソリン臭かったのでこんなところに放置していたガソリンの携行缶。帰る時に忘れないようにしないとなと思ってたんですが,案の定,失意の表彰式と抽選大会が終わってもうとっとと帰ろうと思ったおとーさんの脳裏からすっかりその存在は消えていました。
そっくりそのまま携行缶を置き去りにしたおとーさんをクラブ員の180さんが追いかけてきてくれましたが,途中で気がついて引き返したおとーさんと行き違いになり,結局180さんまでパドックに引き返させるハメに。うう,すいません180さん。
ああ,ダメな日というのは本当に何をやってもダメ。
ツキもないし,運もない。全てが裏目に出て,他人まで巻き込んでしまう。
約1.5シーズン,おとーさんが仕事と家事で忙殺されている間もライバル達はずっと走り続けており,着実に速さを身に着けていました。その上,今回見事に表彰台のトップに立ったやまもっちゃんはさすがN2クラス2年連続チャンプ,借り物のクルマでもオーナーのみっちゃんを1秒以上ちぎる快走で,全日本クラスの実力を見せつけました。近畿のS1500クラスは確実にレベルが上がりました。
しかしおとーさんはますます仕事が忙しく,今後もずっとせいぜい1〜2ヶ月に1回のぶっつけ本番でしか走れません。
高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんな。
3年前のJAFカップで圧倒された全国レベルの高くて分厚い壁。全日本のまぐれ勝ちでその壁の一端を崩したかのように思いましたが,今また実戦に戻ってきたおとーさんの目の前には以前にも増して天高くそびえる分厚い壁が。
再びこの壁をよじ登り,いつかは越えることができるのか,それとも結局道半ばでクルマを下りることになるのか...
その上いろいろな事情が絡んで素直に走りだけを楽しめなくなってしまったおとーさん。デミ助のハンドルを握り家路に着くおとーさんの表情はこの日,最後まで固いままでした。